ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.17(2011/09/01〜02) C

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(Update:2011/09/08)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部右側

それでは、雪渓上部の様子をお伝えします。ご覧のようにかなり濃霧がひどくなり、全体の状況をお伝えすることができません。撮影箇所によっては、どの場面なのか把握しにくいものもありますが、ご了承ください。

雪渓上部右側(上半分) − 岩の頭が多く滑走不能

雪渓上部右側の様子です。雪渓上部右側は、上下に二つに分かれ、こちらは上半分を下端部分から上方に見上げたところです。岩の頭が多くなり、滑走できる状況ではありません。

これまでにもお伝えしているように、雪渓上部右側が滑走できなくなると、急斜面の雪渓上部左側しか滑走できるエリアはありません。そのため、初心者や雪渓での滑走経験のない方は、これからの時期は滑走をご遠慮いただくようお願いいたします。

 

雪渓上部右側(上半分) 上端部分 − 昨年よりもやや早い雪解け

こちらは、雪渓上部右側の上半分を上端から下方へ撮影したところ。上端の位置は先週よりも10〜15メートルほど下がっています。先週は昨年よりも一週間早い雪解けを示していましたが、今週は昨年よりもやや早い程度の雪解け推移です。

 

雪渓上部右側(下半分) − 横幅20メートル×長さ30〜50メートル、昨年よりもやや遅い雪解け

そして、こちらは下半分の状況。横幅20メートル×長さ30〜50メートル。こちらも岩の頭が多く、滑走できる状態ではありません。昨年同時期は下半分のエリアは10メートル四方しか残っていませんでしたので、昨年よりもやや遅い雪解けを示しています。

ウラジロナナカマドの紅色に出会う

濃霧の中で雪渓に立っていると、完全に白一色の世界しかありません。そんな中では、少し周囲の木々に目を移すと、気分的に休まるものです。こちらは紅葉が進みつつあるウラジロナナカマド。

これからの時期の大雪渓エリアは、夜間の冷え込みが厳しくなり、夜露ではなく、霜が降りるようになってきます。そうなると、ウラジロナナカマドやダケカンバといった紅葉しようとする木々は、葉が一晩で霜枯れしてしまいます。そのため、紅葉が始まる前に霜枯れすると、その年の紅葉はまったく見ることができず、大雪渓・位ヶ原一帯は、ほぼ全滅となってしまいます。

そんな事情もあって、まだ、霜が降りない9月上旬に、ご覧のような真紅の部分を一目でも見られると、非常に幸運な雰囲気にさせられるものです。

 

さて、花も終わった高山植物の緑の葉。

 

黒い実 − ガンコウラン 赤い実 − ジムカデ

何の変哲もない光景ですが、よく見ると、種類の違う二つの高山植物があることに気づきます。左は黒い実をつけたガンコウラン。そして、右は赤い実をつけたジムカデ。こんな小さな違いでも、感じ取ることのできるセンサーを常に養い続けたいものです。

 

【雪渓上部 U】

雪渓上部左側 − 初心者の滑走はできません

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

すでにお伝えしているとおり、雪渓上部右側の滑走が困難になり、滑走できるエリアは雪渓上部左側しかありません。したがって、今シーズンのノリクラデビューはもう出来ませんので、初心や初めての方の滑走はご遠慮くださいますようお願いいたします。

 

雪渓上部左側下端部分

雪渓下端部分には、先週から落書きの岩が頭を出し始めました。落書きの岩から雪渓下端までの距離は10メートルほど。

 

昨年同時期より一週間早い雪渓上部左側下端部分
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2010/08/27〜28) E

こちらは、昨年同時期よりも一週間早い時期の落書きの岩の状況。この画像から、昨年よりも一週間以上遅い雪解けとなっていることがわかります。

 

先週の雪渓上部左側(右側モーグルライン)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2011/08/25〜27) C
先週の雪渓上部左側(右側モーグルライン)
隣から岩が迫る − 滑走不能

雪渓上部左側には三本のモーグルラインがありました。こちらは、下から見て右側のライン。今シーズン初めて常設されたラインですが、ご覧のように右側から岩が迫ってきて、滑走できる状況ではなくなってきました。

 

先週の雪渓上部左側(右側モーグルライン)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2011/08/25〜27) C
先週の雪渓上部左側(右側モーグルライン)
コース上も岩が広がる

また、先週はライン上に出てきた岩の頭を避けながら滑走していましたが、今週はその周辺もかなり雪解けが進んで来ました。

 

先週作成された新たなライン(二本) − 滑走可能

そのため、先週は、従来のラインに加えて、その左側に新たに二本のラインが作成されました。この二本に関しては、中央のラインは下部5ターンほどのところに岩の頭がありますが、現段階では問題ありません。

 

バーン表面は大きなスプーンカット
モーグルコース以外は滑走できる状態ではありません

季節の経過とともに、バーン表面のスプーンカットは大きくなり、現段階では、高さが30〜50センチ程度になっています。そのため、ライン以外のエリアを滑走する場合でも、コース整備が必要な状態です。

したがって、コブ以外の滑走となると、バーン全体をフラットに整備することが必要となり、複数人のグループでないと、とても整備できるレベルではなく、初心者や雪渓での滑走経験のない方がお越しになっても、とても滑走できる状況でないことはお分かりいただけると思います。

 

こちらは雪渓上端部分。

 

昨年同時期より一週間遅いモーグルコーススタート付近
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2010/09/11〜12) D
今週のモーグルコーススタート付近
昨年より一週間早い雪解け

こちらは新たに作成された二本のモーグルコースのスタート付近。昨年同時期より一週間遅い画像と、ほぼ同じような状況で、一週間早い雪解けを示しています。

 

上端部分 − 昨年並み

さらに上方の上端は、先週よりも3メートル程度下方へ移動し、先週と同様、昨年並みの雪解けです。

 

上端の積雪は1メートルほど − 今後は急激に減少

上端部分の積雪量は、ご覧のように1メートルほど。今後は急激に積雪量の減少が見られるかもしれません。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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