ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.18(2011/09/08〜09) E

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(Update:2011/09/15)

 

【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】
★若干色づき始めました★

冷泉

 それでは中腹の冷泉小屋から摩利支天付近の様子をお伝えします。

 

冷泉 − まだ始まっていません 冷泉小屋付近 − まだ始まっていません

冷泉小屋付近は、ご覧のように始まったとはいえる状況ではありません。

 

冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)

冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。

 

冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) − 色づき始める

ご覧のように部分的な色づきが見られます。

 

昨年より一週間ほど早い推移です

昨年より一週間ほど早い推移を見せています。ただ、葉の状態がよくないものも散見していて、今後の推移がやや心配されます。

大雪渓エリアや位ヶ原エリアとは逆に、こちらは昨年よりも一週間近く早い推移を示しています。紅葉が進んでいる木々の中には、葉の状態がよくないものがあって、弱ってきた部分が早めに色づいているようにも見られます。その部分は見頃の時期には枯れ落ちてしまうため、ピークを迎えてもボリューム感が乏しくなってしまう可能性も考えられます。

<参考>
● 現状との比較 − 昨年同時期の一週間後の状況  →  2010 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.19(2010/09/18〜19) F 【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】 ★まだ始まっていません★
● 今後の予測 − 昨年同時期の一週間後の状況 →  2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2010/09/25〜26) E【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】 ★始まりました(昨年より一週間遅い)★

 

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.18(2010/09/11〜12)

9月11日(土)は、先週と同じように快晴の朝を迎えます。早朝の空気感も先週よりもさらにさわやかさを感じるようになって来ました。ただ、それ以上に日中の空気感が先週とは全く別物になって来ました。画像の快晴と透明感だけを見ているとほとんど先週と同じような感じなんですが、明らかに空気にはさわやかさがあって、汗ばむことをほとんど感じさせない状況です。早朝などでは半袖ではとても寒くて入られず、また、午後から山頂を越えて流れ込む雲と空気で大雪渓付近は急激に冷え込んできて、例年の9月がやっと訪れた雰囲気の一日でした。

9月12日(日)は、早朝5時30分ごろから激しい豪雨。それも30分ほどで小雨となりますが、しばらく降ったり止んだりのはっきりしない天候が続き、上空は激しく雲が流れて行きます。その後は雲間に青空がのぞき始め、天候は回復傾向となりますが、上空の激しい雲行きは相変わらずで大雪渓付近は周期的に濃霧に見舞われる状況。それでも雨に降られたのは早朝だけで、最終的にはまずまずの一日となりました。

 

<編集後記>

雷鳥は7月上旬に孵化してから約三ヶ月間の子育て期間があります。孵化してからの一ヶ月間を乗り越えられるかどうかが特に重要で、生存率を大きく左右するとのこと。今回、撮影した雷鳥の親子は、7月下旬(→ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2011/07/28〜29) D)と、8月上旬(→ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2011/08/11〜13) C)と、同一の家族と思われますが、7月は少なくとも3羽の雛が見られましたが、8月と今回は2羽だけでした。

話が若干変わりますが、野生絶滅種であるトキは、人工繁殖が行われ、野生化に向けた放鳥が行われています。しかし、思ったような成果が得られていないことは、各種報道でご存知の事でしょう。生まれてから成鳥になるまでの、すべての過程をゲージの中で生活し、自然界で生き抜く能力を失ってしまったことが要因のひとつと考えられます。

環境省のレッドリスト2006年版で、トキはすでに野生絶滅に指定され、「飼育・栽培下でのみ存続している種」です。つまり、自然界での生き方を知らないトキしかいないわけで、飼育→放鳥を繰り返しても、野生化できる確率が、決して高くないと考えられるわけです。

雷鳥は、前述のレッドリストで絶滅危惧U類(絶滅の危険が増大している種)に指定され、絶滅の危険性にさらされています。しかし、乗鞍岳をはじめ、各地の山岳地帯で自然界に生息し、野生の雷鳥がまだ存在します。「自然界に生きる野生の雷鳥を増やす取り組み」を早く実施すれば、トキの様に多大な尽力をかけても、なかなかうまく行かなくなってしまった運命をたどらなくてもすみます。

「気がついたら人工繁殖しか道がなかった...」という境地に陥らないよう、一歩も二歩も先んじた対策が求められ、また、雷鳥に限らず、自然保護全般の取り組みが、最終的には雷鳥の保護にもつながって行くのでしょう。

 

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