ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.19(2011/09/15〜16) E

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(Update:2011/09/22)

 

【紅葉情報 − 宝徳霊神〜位ヶ原付近 U】
★若干色づきが見られる状態★

 それでは、位ヶ原の車道沿いの様子を少し詳しく見てみます。

 

位ヶ原のダケカンバ

大半のダケカンバは、まだ、色づいていません。

 

先週の位ヶ原のダケカンバ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2011/09/08〜09) D
今週の位ヶ原のダケカンバ
ほとんど変化がありません

葉の状態を見ても、ほとんど先週と変わらない様子。

 

一部、枯れ始めた箇所も

しかし、ご覧のように、紅葉が進んだと同時に、枯れ始めた箇所もあります。

 

昨年の位ヶ原のウラジロナナカマド
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.19(2010/09/18〜19) E

先週の位ヶ原のウラジロナナカマド
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.18(2011/09/08〜09) D

今週の位ヶ原のウラジロナナカマド
枯れてしまいました

ダケカンバと対照的に、ウラジロナナカマドは、色合いに変化がはじまったものの、今週はご覧のように枯れてしまいました。今週は、このようなウラジロナナカマドが多くなっていて、今後の状況がやや心配なところです。

 

枯れたウラジロナナカマドが点在

ウラジロナナカマドの枯れた様子は、位ヶ原エリア全般に見られます。

 

今週の位ヶ原お花畑 − 昨年よりも若干遅い

   

昨年の位ヶ原お花畑
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) E

7号カーブ付近の位ヶ原お花畑。こちらのウラジロナナカマドでは枯れている様子はありません。また、昨年よりも若干遅れています。この数年間の中でも、最も遅い推移を見せています。

 

ツアーコース入口(11号カーブ)

 

昨年のツアーコース入口(11号カーブ)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) E

こちらはツアーコース入口付近の11号カーブ。左の画像の手前に映る紅葉したウラジロナナカマド以外は、全体的にかなり遅い状態で、ここ数年の中でも遅い方に分類されます。

 

こちらも枯れ始める

先ほどの画像の左手前に映るウラジロナナカマドです。先週から色づきが見られるようになって、色合いが濃くなってきた様子が見られますが、実際のところは、紅葉が進んだというよりも、枯れて色合いが変化したという状態のようです。

 

昨年のツアーコース入口付近
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) E
先週のツアーコース入口付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2011/09/08〜09) D

今週のツアーコース入口付近
枯れた状態に

ツアーコース入口の一角にある、こちらのウラジロナナカマドは、先週かなり色づきが見られました。しかし、今週は枯れた状態が見られます。

 

きれいな色合いを見せるものも...今後の推移に注目

それでも、中にはきれいな色合いを見せ始めるものもありますので、今後の推移には注目して行きたいところです。

 

大雪渓エリアと同様、昨年よりもやや遅めの推移を見せています。また、ウラジロナナカマドを中心に、葉の状態が良くないものが散見しています。

<参考 − 過去三年間の同時期の状況>
● 2010年 − 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) E 【紅葉情報 − 宝徳霊神〜位ヶ原付近】★まだ始まっていません★
● 2009年 − 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2009/09/19〜20) F 【紅葉情報 − 宝徳霊神〜位ヶ原付近 U】★始まりました(昨年と同等かやや早め)★
● 2008年 − 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2008/09/20〜21) F【紅葉情報 − 宝徳霊神〜位ヶ原付近 U】★始まりました(昨年より早め)★

 

【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】
★若干色づき始めました★

冷泉

 それでは中腹の冷泉小屋から摩利支天付近の様子をお伝えします。

 

冷泉付近 − 少しずつ色合いに変化

こちらは冷泉付近の様子。少しずつ色合いの変化が見られますが、はっきりと紅葉が始まったといえるレベルではありません。

 

冷泉小屋周辺 − 変化がほとんどありません

冷泉小屋周辺もあまり変化がありません。上部の大雪渓・位ヶ原エリアと同じような状況で、過去数年間の中で、最も遅い状況を示しています。

 

冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) − 昨年よりも早いペースで進む

冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。こちらは上部エリアとは逆に、昨年よりも早いペースで紅葉が進み、ここ数年の中では最も早く進んだ2009年に次ぐ状態です。

 

綺麗に色づき始める

綺麗に色づくウラジロナナカマドもある反面...

 

枯れたものも

ご覧のように枯れた状態のものも散見される状況もあります。実際のところ、ウラジロナナカマドを中心に今年は枯れた状態のものがやや多い様子が見られます。

 

ピークを迎えるまでの色合いの変化が楽しい

紅葉の色合いは、葉本来の色調とともに、光の当たり方によっても大きく左右されます。また、ピークを迎えるまでの間は、緑から黄色、もしくは、紅色への変化も楽しいものです。

 

これからが本番 − 今後、枯れずに残るものが綺麗に色づいてくるはず

紅葉シーズンはこれからが本番で、今後、枯れずに残るものが綺麗に色づいてくるはずですので、まだまだ目を離すことはできません。

このエリアは、全山の中でも、最も紅葉が進んだエリアで、色づいた後に枯れたものが散見されます。ただ、先ほども申し上げたように、まだ、これから色づくものも残っていますので、期待したいところです。

<参考 − 過去三年間の同時期の状況>
● 2010年 − 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2010/09/18〜19) F【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】★まだ始まっていません★
● 2009年 − 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2009/09/19〜20) F【紅葉情報 − 位ヶ原山荘付近】★始まりだしました(昨年より一週間近く早い)★
● 2008年 − 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2008/09/20〜21) G【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近】★部分的に始まりました(昨年並み)★

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.19(2010/09/18〜19)

敬老の日を含めた今週末は三連休を迎えています。例年なら紅葉が始まった様子が見られますが、残念ながら、ほぼ、緑一色の様子しかお届けできない状況となりました。

9月18日(土)は、低く垂れ込める雲に包まれた朝を迎えます。気温は14℃と長袖ででないと肌寒さを覚える状況です。どんよりとした雲間に朝日を浴びるノリクラの頂を見ることができ、低く垂れ込めた雲は雲海の一部であることが理解でき、雲海の上に立てば綺麗に晴れ上がったノリクラにめぐり合えることを期待しながら出発します。そして、その狙い通り、早朝の大雪渓は見事な青空。そして、山麓には重厚な雲海が広がる申し分ないロケーションです。ただ、日差しが強く、それに伴って、山麓から雲が湧き上がるようになって、大雪渓エリアも午後にはほぼ曇りの天候となりました。

9月19日(日)は、朝から快晴。日が高くなっても一向に気温が上昇せず、ヒルクライムの足を止めると肌寒さを覚える状況。安定した天候が続き、ほぼ終日にわたって綺麗な青空が続きました。

この一週間の紅葉の推移がほとんどなく、例年なら紅葉の始まりを感じさせる大雪渓・位ヶ原エリアでは、先週と同じく、部分的な紅葉しか見ることができません。また、冷泉小屋・摩利支天など中腹のエリアでも部分的な紅葉があるものの、始まったといえる状態ではありません。それでも、葉の色合いが薄くなっている木々が確実に多くなり、紅葉シーズンが近づいていることは間違いないようです。

 

<編集後記>

このWebSiteをご覧の方々ならご存知のことと思いますが、「春山バス」がゴールデンウィークから運行されています。乗鞍高原から位ヶ原山荘までの道中は、ほぼ全線に渡って雪の壁が続き、大半の乗客は、終点の位ヶ原山荘から山スキーに向かうスキーヤー・ボーダーです。

しかし、近年は、一般の観光客の誘致にも積極的で、少しずつではありますが、雪景色を楽しむ方々も増えてきています。ゴールデンウィーク頃の位ヶ原山荘周辺は、除雪された道路部分以外は、完全に雪に閉ざされた世界で、道路両脇の切り立った雪の壁と、位ヶ原山荘周辺の白一色の雪景色がアピールポイントですが、到着した観光客の中には、「いったい何があるんだ!」といった感想をお持ちの方もいらっしゃるようです。

山の楽しみ方は人それぞれですが、何もないところから面白みを見出すところに魅力があります。また、何もないところに身をおいて時の流れをすごすという楽しみ方もあります。しかし、現在の観光地は、行った先々に何かが用意されているのが当たり前という状況になっていて、テーマパークなり、パワースポットなり、観光客はそれを目的に向かう先々を選択しています。

乗鞍の魅了は、観光化が浸透しなかったため、もしくは、観光化ができなかったため、残されている部分もあります。また、自然保全の観点から、これらの魅力を残していかなければならないとも考えらます。

時代の流れの中、残された乗鞍の魅力をどのように生かして行くか、また、保全して行くのか。しかし、表面的な魅力でなく、乗鞍の真の魅力を捕らえていなければ、正しく扱うことはできないように感じます。それを道端の野菊に例えるならば、雑草としか見ることができないか、それとも、「ノコンギク」とか「ゴマナ」という花として捉えるか...その違いがどこにあるのかを考えれば、少しは理解できるでしょうか。

魅力の真の姿を感じ取ることができず、表面的な魅力だけしか見ることができなければ、乗鞍の隠れた魅力は、雑草のごとく刈り取られてしまうと、危惧しています。

 

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