ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2011/09/29〜10/01) A

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(Update:2011/10/06)

 

【大雪渓までの沿道の風景 U】

三本滝ゲート − 10月からは開門時間が7時になります

こちらは、観光センターから7km先にある三本滝ゲート。この先からマイカー規制が始まり、バス・タクシー、自転車のみ通行できます。三本滝ゲートには、警備員の方が常駐しており、開門前の道路パトロールや許可車両の誘導を行っています。

今日も含めて、この数日間は天候の良い日が続いているものの、日の出の時間帯はいつも東の空に雲がかかって、ご来光を拝むことができなかったとのこと。これまで6時に開門していましたが、10月からは開門時間が7時になります。そのため、シャトルバスは、観光センター6時10分発の運行が取りやめとなり、7時発が始発便となります。

 

かもしかゲレンデ

三本滝ゲートを過ぎてしばらくすると、乗鞍高原温泉スキー場のかもしかゲレンデです。

 

ノコンギク − つぼみが見られ、まだまだ花が楽しめる

沿道には、ノコンギクの姿がまだ見られます。よく見ると、つぼみのものもあって、花期を迎えて数週間経過しているものの、まだまだ楽しむことができそうです。

 

ハンゴンソウ

そして、こちらはハンゴンソウ(反魂草、キク科キオン属)。

 

キオンとの違い − ハンゴンソウは葉が羽状に深く切れこむ

よく似た花にキオン(黄苑、キク科キオン属)があります。こちらのハンゴンソウは葉が羽状に深く切れ込んでいるところに違いが見られます。また、乗鞍一帯でも駆除活動が続けられている、外来植物のオオハンゴンソウ(大反魂草、キク科オオハンゴンソウ属)とは、花の形も大きく異なり、別の種類です。

 

虫こぶ − ハンゴンソウハナタマフシ(左)、ハンゴンソウメタマフシ(右)

ハンゴンソウには、ご覧のような虫こぶがいくつも見られることがあります。虫こぶとは、昆虫が植物の内部に卵を産み付けることにより、その組織が異常増殖することで肥大化した部分をさし、虫こぶの命名は、虫こぶができた植物の名前、部位と形状などからできます。

左の画像のように、花にできた虫こぶはハンゴンソウハナタマフシで、命名法は「ハンゴンソウ(宿主名)−ハナ(部位)−タマ(虫こぶの形状)−フシ」です。そして、右の画像のように、芽にできた虫こぶはハンゴンソウメタマフシ(ハンゴンソウ−メ−タマ−フシ)。いずれも、ハンゴンソウハナタマバエ・ハンゴンソウメタマバエというタマバエの一種が生みつけたもので、おそらく、9月上旬ごろには、幼虫が脱出したと考えられます。

 

中腹エリアはそろそろ見頃に

例年ならば、大雪渓・位ヶ原などの上部エリアから紅葉が始まりますが、今年は、冷泉小屋(標高約2200m)〜摩利支天(標高約2000m)の中腹エリアから始まり、そろそろ見頃の時期に差しかかってきました。

 

色合いも上部エリアよりも鮮やかです。

 

そして、こちらは標高2350mの位ヶ原山荘。

 

位ヶ原山荘 − 早朝のひとときを...

位ヶ原山荘にはシャトルバスの停留所があり、紅葉の時期を迎えると、沿道を散策する方々が乗り降りする様子で賑わい、また、それらの方々が小休憩に立ち寄る様子もあります。紅葉シーズンのお昼時ともなれば、スタッフの方々は目も回るほどの忙しさ...そんなスタッフの方々も、静かな朝はのんびりと過ごしています。

 

森林限界 − 空の青さがさらに濃くなる

森林限界を超えようとする位ヶ原山荘付近からは、空の青さが一層深くなって来ました。ダケカンバの黄色が少しずつではありますが、色合いを増している様子も見られます。

 

秋を織り成す水墨画の風景

時刻は9時回っていますが、ご覧のように綺麗な遠景の風景が続いてます。紅葉が錦を織り成して秋の風景を作り上げますが、こんなモノトーンの階調が折り重なる様子も、秋の風景の一つです。

 

冴え渡るコントラスト

雲ひとつない景色は、やはり何者にも変えがたい一枚を得るために、シャッターを切り続けさせます。

 

それでは、大雪渓に到着し、その様子を詳しくお伝えします。

 

【雪渓下部】

ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。

 

スキーヤー専用道

こちらは雪渓上部に向かうスキーヤー専用道

 

ウラジロナナカマド − 枯れずに残っているものが少ない

スキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマドは、左の画像のように、まだ、青い葉が多く見られますが、右の画像のとおり、紅葉が進んできています。昨年は、ほぼピークに近い色合いとなっていました。今年は、こちらのウラジロナナカマドばかりでなく、乗鞍一帯で、紅葉が遅い状況となっています。また、5ページからの 紅葉情報 でもお伝えしますが、大半のウラジロナナカマドは、すでに枯れていて、このように残っているほうが珍しいほどです。

 

摩利支天岳

摩利支天岳の山肌は、黄色からさらに色合いが深まって、橙色に近い色合いが見られるようになって来ました。実際には枯れたコバイケイソウやウラジロナナカマドが大半ですが、中には高山植物の紅葉も見られます。

 

黄金色に光るミヤマクロスゲ 真紅のミヤマキンバイ

今日のような晴れた日に冴えるのは、ミヤマクロスゲの草紅葉。日差しを受けて黄金色に光ります。そして、ようやくミヤマキンバイを紅色に染まりました。これまでにもお伝えしているように、上部エリアのウラジロナナカマドやダケカンバの紅葉は、霜枯れによる影響を大きく受けますが、高山植物の紅葉は、霜枯れの影響を受けにくいようで、時期さえ迎えれば、ほぼ、確実に綺麗な色合いを見ることができます。

 

石碑の岩

こちらは雪渓下部の南端に当たる石碑の岩。

 

チングルマ − ようやくきれいな色合いに

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。前述のミヤマキンバイと同様、綺麗な紅葉を見せてくれました。例年よりも一週間ほど遅い状況です。

 

クロマメノキの紅葉

こちらは、クロマメノキの紅葉。ご覧のように大雪渓エリアでは、高山植物の真紅の色合いが、点在していて、そんな小さな紅葉を見逃してはいけません。

 

雪渓下部周辺のウラジロナナカマド

石碑の岩周辺から見るウラジロナナカマドの紅葉の様子は...

 

昨年の雪渓下部周辺のウラジロナナカマド
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2010/10/02〜03) B
今週の雪渓下部周辺のウラジロナナカマド
ほぼ完全に落葉

昨年は、ほぼピークの色合いを見せてくれました。しかし、今年は、大半のウラジロナナカマドが、紅葉を迎える前に枯れて落葉を始めてしまったことから、大雪渓付近一帯で、ウラジロナナカマドの紅葉を見ることができません。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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