ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2011/09/29〜10/01) B

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(Update:2011/10/06)

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

それでは、雪渓上部の様子をお伝えします。雪渓上部は右側と左側に分かれています。右側の雪渓の雪解けが終了し、左側の状況のみお伝えします。

 

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

すでにお伝えしているとおり、雪渓上部右側の滑走が困難になり、滑走できるエリアは雪渓上部左側しかありません。したがって、今シーズンのノリクラデビューはもう出来ませんので、初めての方の滑走はご遠慮くださいますようお願いいたします。

 

雪渓上部左側 下端部分(滑走不能)

こちらは雪渓上部左側の下端部分。先週よりもさらに岩の頭が多くなり、滑走できる状態ではありません。

昨年の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2010/10/02〜03) B
先週の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2011/09/22〜23) C

今週の雪渓上部左側 下端部分(落書きの岩)
昨年より一週間早い雪解け

雪渓上部左側の下端部分には、落書きの岩があります。落書きの岩から雪渓下端までの距離は、先週の55メートルから61メートルと伸びています。先週は昨年並みの雪解けを見せていましたが、昨年同時期は55メートル、昨年同時期の一週間後は濃霧で測定不能でしたが、二週間後は68メートルでしたから、今週は、おそらく昨年より一週間早い雪解けとなっています。

 

右寄りのモーグルコース(滑走不能) −溝には雪解け水

こちらは二週間前まで滑走していた右寄り(北寄り)にあるモーグルコース。ご覧のようにコブの形状がまだ残っていて、溝の部分には雪解け水が流れています。アイスバーンとなった9月下旬でも、まだまだ雪解けは続きます。

 

9月22日(木)の新雪が残る 台風15号の大雨による土砂

そして、9月22日(木)の晩に降った新雪がまだ残っていて、さらには、9月20日から21日にかけて上陸した台風15号による大雨で、雪渓上部の砂礫地帯から流れ込んだ土砂が堆積しています。

 

雪渓上部左側は落石の多発地帯

また、雪渓上部左側は落石の多発地帯で、ご覧のようにバーン上には50センチ四方の岩がバーン上に浮いています。おそらく、台風15号の大雨で上部から落石したものと考えられます。今後、雪渓を滑り落ちる危険性がありますので、注意が必要です。

 

大小さまざまは石が散乱 先週のモーグルライン − ほとんど形状が残っていない

そのほか、大小さまざまは石が散乱しています。また、先週、左寄り部分に作られたモーグルラインは、ほとんど形状が残っていない程度に雪解けが進んでいます。

 

モーグルラインを再度整備して ラインの長さは40メートル×16コブ

そして、週末を迎え、そのモーグルラインを整備して、夕方近くまで滑走される様子が見られました。エッジでバーンを削れば削るほど、下地の硬いアイスバーンが現れ、コブを深くすることが困難な状況。ラインの長さは40メートル×16コブです。

 

スキーブーツでも歯が立たないほどのアイスバーン

日差しがなくなると、さらに硬さを増して来るため、14時過ぎには終了しなければなりません。コース脇にはステップが切ってあるため、スキーブーツで登る事ができますが、全く足がかりがないと、つま先の固いスキーブーツですら登ることは困難です。

 

昨年同時期より三週間遅い雪渓上端
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2010/10/23〜24) B
先週の雪渓上端
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2011/09/22〜23) C

今週の雪渓上端
昨年より三週間以上早い雪解け

こちらは雪渓上端。左上の画像は昨年同時期の三週間後の状況ですが、すでに10月末となっているため、これ以上遅い時期の画像はありません。さらに、昨年は10月31日に初冠雪を迎えて、その後は積雪量が増加したため、今週の状況としては、昨年よりも三週間以上早い雪解けであるとしか申し上げられません。

また、先週は高さ1.5メートルもの雪解けでしたが、今週は20センチ程度にとどまり、雪解けスピードは例年並と言えます。

 

上端から − 下端部分まで35メートル
昨年より三週間早い以上雪解け

雪渓上部左側下端までの距離は、先週の57メートルから35メートルと、急激に減少しています。そのため、先週は三週間早い雪解けですが、今週は三週間以上早い雪解け状況を見せています。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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