ノリクラ 雪渓カレンダー
 
プレリリース版 Vol.4(2012/04/14) C

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(Update:2012/04/19)

 

【ツアーコース T − 1〜6番標識区間】

入口急斜面上 − この先は緩やかなバーン

入口急斜面を登りきった先は緩斜面のバーンが続きます。今回は休暇村ゲレンデから登ってきていますので、休暇村からツアーコース位ヶ原急斜面までの全行程のうち、3分の2まで到達しました。

リフトでツアーコース入口までやって来ることのできた先週までの状況なら、まだまだ序盤といったところですが、今日はもう終盤に近く、気分的にもそんな感じになります。でも、疲労がたまってくるタイミングでもありますので、気の緩みに注意したいところです。

 

1番標識付近 − 朝からの降雪でバーンはほぼリセット

明け方からの降雪はさほどの積雪量ではないものの、昨日までのトレースがほぼ完全にリセットされるほど。この時期の降雪は湿った重たいものですから、積雪量の増加にダイレクトに反映されます。

 

気温の低下はなく、濡れたシールが凍りつくことはない − この付近で10〜20センチの新雪(1〜2番標識間)

気温は4〜6℃を推移しています。それでも雨ではなく雪です。シールは休暇村を出発した段階から湿雪で完全に濡れています。しかし、標高が高くなっても気温が全く低下しないため、今回はシールが凍りつくことなく、スムーズに登って行くことができます。こちらは1〜2番標識間。朝からの降雪は10〜20センチにも達します。

 

昨年の3番標識
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2011/04/16) C

先週の3番標識
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プレリリース版 Vol.3(2012/04/07) B

今週の3番標識
先週より20センチ減少
昨年より70センチ多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週よりも20センチ減少して、昨年より70センチ多い状況です。

この一週間は週の半ばにまとまった降雨があって、積雪量の減少が懸念されましたが、思ったほど少なくなっていません。

 

午後になって薄日が差す − 単調な登行にも、天候のちょっとした変化で気が紛れる

午後になって、空が少しずつ明るくなってきます。一瞬ではありますが、太陽のぼんやりとした輪郭も見え隠れします。今日は本当に単調な登行が続きます。こんなちょっとした天候の変化さえも気を紛らわすのに一役立つものです。

 

昨年の5番標識
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2011/04/16) C

先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2012/04/07) C

今週の5番標識
先週より30センチ減少
昨年より50センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より30センチ減少して、昨年より50センチ多い状況です。

 

周囲の木々を観察

ツアーコース周辺の木々をよく観察すると気が付く点があります。

 

東に面した部分には着雪 西に面した部分は雪が少ない

東側が開けた左の画像では木々に一様に着雪している様子が見られますが、西側が開けた右の画像では着雪が少ない様子が確認できます。今朝からの降雪は東寄りの降り方が続いていることを示しています。通常、西寄り・北寄りの風雪が続くことが多いものの、今日はいつもと異なった天候であることがわかります。

今日の天気図を見ると、日本列島の南岸を低気圧が東に進んでいて、低気圧の北側にあたるこの付近では、東寄りの吹雪が続いたものと考えられます。

 

ツアーコースを下山滑走 「位ヶ原は濃霧で無理です」

ツアーコースを滑り降りてきたスキーヤーの方々にお会いします。位ヶ原急斜面の先の森林限界を超えたあたりまで向かったとのこと。風は大したことはないが、濃霧でそれ以上先は無理だったようです。

 

天候の悪い日は無理をしないことが肝要

今日のような悪天候の日は位ヶ原より先は無理をしないことが肝要。「WebSiteをいつも見てますよ!」と、おっしゃってくださいました。(ありがとうございます!)

寂しくなるような一日ですが、笑顔を交えたひとときの会話ができたことは、本当にうれしいものです。

 

明日もバックカントリースキーに出掛けます!

天候の回復が見込まれる明日もバックカントリースキー(山スキー)に出かけられるとのこと。重い荷物を背負って登り、しかも、一日に数本ほどしか滑走できないバックカントリースキーは、リフトを利用するゲレンデスキーとは別の楽しさがあります。

スキー場管理区域内のコース外を滑るのと、スキー場から大きく外れたバックカントリーを滑走するのは、未圧雪エリアを滑走する点では同じかもしれませんが、バックカントリーには「登る楽しさ」という点が、大きなポイントになっています。

 

6番標識手前のウェーブ

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。

 

昨年の6番標識手前の谷
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2011/04/16) C

先週の6番標識手前の谷
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プレリリース版 Vol.3(2012/04/07) C

今週の6番標識手前の谷
先週よりも窪みがさらに深くなる − 滑走注意

昨年同時期の画像と比較します。ウェーブの前後の積雪量は明らかに昨年よりも多い状態です。しかし、中央の窪んだ部分の積雪量は昨年よりもが少なく、先週よりも窪みがさらに深くなっていますので、下山滑走には注意が必要な状況が続いています。

 

ウェーブ箇所を滑走中(その1) − 窪みでバランスを崩す

このウェーブを滑り降りてきたこちらの方々...ウェーブでバランスを崩してしまいます。

 

ウェーブ箇所を滑走中(その2) − 転倒!!

こちらのテレマークの方も...案の定、ご覧のとおり転倒です...

 

最近は珍しく皮ブーツとステップソール ウェーブ箇所の滑走には十分注意

位ヶ原急斜面の先まで向かったものの、視界がないため下山されてきたとのことですが、上部エリアのほうがむしろ暑さを感じるほどの状況だったとのこと。最近は珍しく皮ブーツとステップソールのスキーです。

例年なら、この付近のウェーブも目立たなくなりますが、今年は窪み部分だけ積雪が増えない状況が続いています。今回の方々のように下山滑走でバランスを崩したり、転倒する危険性があります。

過去には、このウェーブを下山滑走中のスキーヤーが、転倒・負傷して救助要請した事案が発生しています。ウェーブを下山滑走するときは十分ご注意ください。

 

 

昨年の6番標識付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2011/04/16) C

先週の6番標識付近
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プレリリース版 Vol.3(2012/04/07) C

今週の6番標識付近

6番標識付近でも先週より積雪量が若干減少していますが、明らかに昨年よりも多い状態となっています。この先を進むとツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと続きます。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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