ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.5(2012/06/09〜10) B

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(Update:2012/06/14)

 

【乗鞍岳春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓・肩の小屋口バス停 − 春山バス始発便は乗客がないため、位ヶ原山荘で折り返す

こちらは大雪渓駐車場にある大雪渓・肩の小屋口バス停。5月26日(土)からこのバス停まで春山バスが運行されるようになりました。しかし、5月中は路面凍結で、始発便が大雪渓・肩の小屋口バス停までやってくることができず、6月になってようやく始発便も延長運行できるようになりました。

今日は雨が降っていて、春山バス始発便がやってくる9時前の気温は6℃で、路面凍結は全くありませんが、春山バス始発便が来ません。今日は位ヶ原山荘までしか乗客がなかったため、乗客を降ろした後、引き換えして行ったようです。

 

春山バス始発便第2便は大雪渓まで運行 大雪渓を滑り降りてきたスキーヤー

そして、こちらは11時30分に到着した第2便。観光客の方が雨の中、周辺を散策します。でも、この雨の中では思うように行動することもできず、すぐにバス車内へと戻るしかありません...

前のページのとおり、乗鞍スカイラインシャトルバス始発便にもスキーヤーの姿はなく、春山バス始発便もやってこない状況で、午前中の大雪渓周辺には、人の姿が全くありませんでした。そんな中を滑り降りてきた二人のスキーヤーの姿があります。

 

濡れ雑巾のごとくグローブを絞る 作業用の防寒ゴム手袋にチェンジ

乗鞍スカイラインシャトルバスに乗って畳平から大雪渓にやってきてこちらの方。肩の小屋から一本滑っただけですがグローブは濡れ雑巾のごとく、絞ると水気が滴る状況。そのため、作業用の防寒ゴム手袋に取り替えます。

防水・防湿機能を有するスキー用のグローブは市販されていますが、実際、防水に関しても防湿もに関しても、あまり機能しないという実感があります。もちろん、製品によって性能に違いがあるとは思いますが、やはり、確実に防水機能を有し、ある程度の強度に耐えうるのは、ゴム手袋に勝るものはないようです。

 

登山用レインウェアとゴム手袋 − これで防水は完璧!

結局、この日、大雪渓に訪れたスキーヤーはこちらのお二人だけ...「雨にも負けず」にいられるのは、登山用のしっかりとしたレインウェアと作業用の防寒ゴム手袋のベストチョイスがあったからでしょうか...(笑)

 

翌日(6月10日(日))の春山バス始発便 − 5台運行、大賑わい

そして、こちらは翌日、取材二日目の6月10日(日)、午前9時前の大雪渓・肩の小屋口バス停の様子。昨日とは打って変わって、春山バス始発便は5台も運行され、ご覧のような賑わいぶり...

 

続々とスキーヤー・ボーダーの方々が... 久しぶりの再会

春山バスの到着と同時に、続々とスキーヤー・ボーダーの方々が降り立ちます。そして、こちらの親子の方々。毎年、春山バスが大雪渓まで延長運行されるとお越しになります。久しぶりの再会でうれしそうな笑顔を見せてくれました。

 

ごくわずかな滞在時間に...

春山バス第2便は大雪渓・肩の小屋口バス停に一時間ほど滞在しますが、始発便の滞在時間はごくわずか...トランクからスキー板などを搬出する時間も含めると、乗務員の方が周辺の風景をゆっくり眺める時間は本当に短いものです。

 

大雪渓にスマホをかざして... すごい景色!! − 春山バスの運転は初めてなんです

霧の中からごくわずかにのぞくことができる大雪渓にスマートホンをかざすのはバスの運転手さん。夏のシャトルバスの運転をしたことはあるものの、春山バスは初めてとのことで、この風景にちょっと興奮気味...「雪の壁には圧倒されましたが、運転しにくいということはなかったですね〜」

 

「春山バスの当番はなかなか回ってこないんだよね〜」

ほかの運転手さんとの会話の中にも、「春山バスの当番に当たりたくても、なかなかうまいこと順番が回ってこないんだよねぇ〜」と、おっしゃる様子もあり、やはり雪の回廊の中を運転してみたいと思う運転手さんも多いようですね。

 

出発準備風景

そして、春山バスが到着すれば、ご覧のように大雪渓を登って行くための準備風景が大雪渓入口で開始します。

 

今日もノリクラ通い 準備万端!

本当は昨日やってくるつもりだった常連の方々、しかし、ひどい雨に断念されましたが、懲りずに再びやってきました。厳冬期から始まったノリクラ通いのシーズンも残りわずか...槍は降らないと思いますが、雨が降ってもノリクラにはまだ通い続けます。

そして、先ほどの親子の方々も準備万端です。途中で断念することのないように、ゆっくり登って山頂目指します。

 

気温6℃、濃霧と霧雨 − 見えない山頂目指して出発

気温6℃。ほぼ無風で濃霧と霧雨が続きます。時折、霧が抜ける瞬間がありますが、それでも山頂の姿はなく、今日は見えない山頂目指してのスタートです。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B

今週の大雪渓入口
2007年以降もっとも多い積雪量

こちらは大雪渓入口付近。左上の画像が昨年の様子、右上の画像は先週の様子、下の画像は今週の様子です。先週からの雪解けは60センチほど。手前のスキーヤー専用道と登山道を示す標識では、支柱の根元がまだ見えず、先週と同様、2007年以降もっとも多い積雪量を示しています。

 

先週の大雪渓入口右側の看板
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B
今週の大雪渓入口右側の看板
この一週間で30〜40センチほどの雪解け − 2007年並み

大雪渓入口の右側に「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板があります。左の先週の画像と比較すると、この一週間で30〜40センチほどの雪解けで、過去5年間で最も積雪量の多かった2007年とほぼ同じ積雪量です。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B

昨年の大雪渓入口
まだ車道よりも雪面が高い − 2007以降最も多い積雪量

「例年、この時期は大雪渓の雪面と道路の路面の高さが、ほぼ同じ程度まで雪解けが進みます。」と、先週お伝えしました。しかし、今週も雪面のほうが車道よりもまだ高い状態です。2007年以降の過去5年間で、最も積雪量の多い状態です。

 

昨年のトイレ付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B
今週のトイレ付近 − 昨年よりも1.5メートル近く積雪が多い

そして、こちらはトイレ周辺。上段は昨年同時期のもの。すでに排水溝の下まで雪解けがすすんでいます。しかし、下段の今週の画像では排水溝のごく一部しか出ていません。排水溝の位置では、昨年よりも1.5メートル近く積雪が多いことがわかります。

 

位ヶ原山荘方面へ下山滑走 − 例年、6月下旬頃まで可能

そして、ここから位ヶ原山荘方面へ下山滑走することが可能ですが、屋根板付近からは雪面の縦溝が顕著になってきますので、滑走には十分注意してください。雪解けによるブッシュの影響は現段階では問題はありません。位ヶ原山荘方面へ下山滑走は、例年、6月下旬頃まで可能です。(位ヶ原山荘からの下山は、乗鞍岳春山バスに乗車します。 下り最終便の位ヶ原山荘出発時刻は14時56分です。)

 

モーグルコースの岩が現れる −この一週間の雪解けはごくわずか、例年並みの積雪量

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

この一週間の雪解けはごくわずかで、ほぼ昨年並みの積雪量。2010年より一週間ほど早く、2009年・2008年とほぼ同じで、2007年に次いで多い積雪量を示しています。

 

【肩の小屋】

肩の小屋

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。道路の除雪は先週の段階で終了したものの、路面はまだ凍結していました。しかし、ご覧のように凍結箇所は全くなくなりました。

 

昨年の肩の小屋周辺
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B
今週の肩の小屋周辺
2007年以降最も多い積雪量
昨年の肩の小屋東側
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B
今週の肩の小屋東側
2007年以降最も多い積雪量

肩の小屋周辺でも例年以上の積雪量を示しています。過去5年間の中では、2007年以降最も多い積雪量です。

 

昨年の肩の小屋西側
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2011/06/11〜12) B
今週の肩の小屋西側
2007年以降最も多い積雪量

前述の東側部分と同様、西側部分でも2007年以降最も多い積雪量を示しています。

 

肩の小屋の南側の草原地帯 − 例年並みの雪解け

肩の小屋の南側の草原地帯の雪解けは例年並み。今後、さらに雪解けが進むと、ハクサンイチゲ芽吹き、6月下旬には白い開花が見られることでしょう。

 

午後になるとさらに風雨が強くなる  グリーン・サポート・スタッフ −雨の中でもロープ点検作業

取材一日目の6月9日(土)は、午後になると風雨が強くなってきます。もちろん、この天候ですから訪れる登山の方もごくわずか...そんな中、木槌とバールを手に持ってお越しになったのはグリーン・サポート・スタッフの方々。

畳平からこの周辺一帯は、まだ雪に閉ざされたエリアのほうが多く、登山ルートを示す誘導ロープは雪に杭を打って敷設します。そのため、雪解けが進むたびに杭を打ち直してロープを張り直す必要があります。風雨が強くても、定期的に実施しなければならないわけです。

 

晴ればかりでなく、雨のノリクラも当然あります! 梅雨は入ったばかり − 7月中下旬の梅雨明けまで辛抱

「いや〜、WebSiteは我々も参考にさせてもらってますよ。過去との比較で今年の積雪量が例年より多いのか少ないのか一目瞭然ですから...特に我々が入山したときがどのようだったか、あとでチェックするのに非常に役立つんですよ...」と、雨が強く降り続く中でも、このようにおっしゃってくださいました。

さらに続けて、「ノリクラは晴れたときばかりではなく、このように風雨の強いときもある。WebSiteでは雨のときもしっかり掲載されてますから...」とも、おっしゃってくださいました。

ありのままを掲載すること。そして、それを継続させて行くこと。それが情報の有用性を確立して行くものと考えています。

 

宇宙線観測所前の公衆トイレ 6月2日(日)より利用可能になりました

6月2日(日)の速報でもお伝えしたように、宇宙線観測所前の公衆トイレが利用できるようになりました。これでノリクラ周辺のトイレはすべて利用できるようになりました。トイレ利用可能場所は、大雪渓駐車場、宇宙線観測所前、畳平駐車場、位ヶ原山荘の4箇所です。 Next

 

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