ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.8(2012/06/30〜07/01) @

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(Update:2012/07/05)

 

6月最終日と7月初日の二日間にまたがったこの週末は、ノリクラが春山シーズンから夏山シーズンへと入れ替わる二日間でもありました。

取材一日目の6月30日(土)は、梅雨の中休みに恵まれ、まるで秋を思わせるような綺麗な筋状の雲や鰯雲の浮かぶ青空に一日でした。ゴールデンウィークから運行が始まった乗鞍岳春山バスも今日が最終日。始発便は二台が運行されました。ただ、いつもと異なって、シールやスノーシュー・アイゼンを持参するスキーヤーは皆無といっても良いほど。今日お越しになったスキーヤーは夏スキーの方々で、大雪渓エリアをスキーブーツで繰り返し登って滑るため、そのような装備が必要ないといったところのようです。それでも、今日最後の春スキーにお越しになった冬の常連の方々は、「なにかいつもと雰囲気が違うなぁ〜」と、行った顔色で、最後のノリクラを楽しんでいらっしゃいました。天候は終日に渡って安定していて、強い日差しはなかったものの、まるで梅雨明け後の本格的な夏が訪れたかのような様子が終日続きました。

取材二日目の7月1日(日)は、梅雨の中休みが終わってしまい、早朝から小雨が降り始めます。今日から県道乗鞍岳線の三本滝ゲート以降の冬季閉鎖が解除され、乗鞍岳線は全線開通しますが、すでに お知らせ − 7月からの県道乗鞍岳線(エコーライン)の部分開通について(第2報)<三本滝〜大雪渓のみ開通、シャトルバス特別ダイヤ>(2012/06/28) でご案内しているように、大雪渓〜県境間が通行止めで、全線開通は先延ばしとなりました。さらに今日の雨も加わり、例年なら、まずまずの人出が見られるはずですが、今日の観光センター前駐車場には10台ほどの車しかお越しになっていません。雨は次第に強くなりますが、例年通り、のりくら観光協会によるシャトルバス出発式が執り行われました。午後になっても雨は一向に収まらず、夏山シーズン初日ではあるものの、生憎の一日となってしまいました。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月30日(土)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【畳平】       【畳平周辺】       【肩の小屋へ】
Page-3 : 【今シーズン最後の乗鞍岳春山バス】       【雪渓下部 T】
Page-4 : 【雪渓下部 U − モーグルコース】       【雪渓中段】       【肩の小屋付近】
Page-5 : 【肩の小屋、今シーズンの営業開始】       【雪渓上段】
Page-6 : 【7月1日(日)は雨の一日、シャトルバス出発式】
Page-7 : 【大雪渓までの沿道の風景、雨の中のスキーヤー】
Page-8 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>
参考情報 : 【山頂付近の登山道の積雪状況】(Page-2)
 
●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)
(乗鞍スカイラインシャトルバス) − 2012シーズン版 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(乗鞍岳春山バス) − お知らせ−2012年GW期間から6月末までの位ヶ原山荘(大雪渓)行きのバス(春山バス)の運行について(2012/03/29)

 

【6月30日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは早朝6時30分のほおのき平駐車場。

 

綺麗な青空 − 梅雨の中休み

気温は12℃。ご覧のとおり、雲が若干たなびくものの綺麗な青空の朝を迎えています。梅雨の中休みの一日が始まりました。

 

猫岳山腹を走る乗鞍スカイラインもはっきりと

ほおのき平駐車場から望む猫岳。山腹を横断する乗鞍スカイラインの様子が今日もはっきりと確認できます。

 

バスターミナルには始発便を待つ方々が

バスターミナルには始発便に乗車しようとされる方々が集まり始めます。いつもは始発便には乗車することのない夏スキーヤーの方も、今日は早めの出動。この時期はまだ鶴ヶ池雪渓での滑走をされていますが、そろそろ、長野県側の大雪渓へフィールドを移動されるようで、畳平から大雪渓までの徒歩移動の時間を考慮しています。標高2702メートルの畳平から標高2600メートルの大雪渓駐車場までの約1.5kmの道程は下りですから、歩いて30〜45分程度です。

 

畳平の天候 今日はAダイヤ
明日からはご来光便も加わります

今日の畳平は5℃で晴。ほおのき平と同じく、なんら問題のない天候のようです。昨日の段階での本日6〜12時の降水確率が0%でしたので、シャトルバスの運行ダイヤは通常時のAダイヤです。始発便が6時55分となっていますが、明日の7月からは始発便が一時間繰り上げられ、さらにご来光バスの3時45分便の運行も始まります。

 

始発便を待つ方々の列ができはじめる

シャトルバス始発便の発車時刻が近づくにつれて、駐車場にも訪れる車が多くなり、バス停付近には列ができるようになって来ました。

 

そして、シャトルバス始発便が到着。

 

今日はほおのき平駐車場より23名の乗客を乗せて、いつものように畳平に向けて出発です。

 

【乗鞍スカイライン】

平湯峠 − この先マイカー規制

ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。

平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場か、平湯温泉にあるアカンダナ駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場は、2012シーズン版乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 をご覧ください。

 

先週の平湯峠付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の平湯峠付近
広葉樹の緑が深くなり、針葉樹との違いが少なくなる

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進みます。先週までは針葉樹の深い緑と広葉樹の明るい緑の違いが明瞭でした。しかし、今週は広葉樹の緑が深くなってきて、針葉樹との違いが少なくなってきました。夏の緑へと変化しています。

 

ヒルクライム 遠景の山並みもばっちり

第8回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが来週(7月8日)に控えていることもあって、今日は早朝から何台ものヒルクライマーの姿を見かけることができます。

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムのエントリーも、年を追うごと応募者数が増加し、ついに今年は予定人数を越える状況になりました。昨年の大会の様子は、第7回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム をご覧ください。また、今年の大会についても、特集の掲載を予定しております。

この天候ですから、遠景の山並みをばっちり眺められることは言うまでもありません。

 

先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ、標高は2050メートルの4kmポスト付近の様子。周辺の残雪は先週の段階で完全になくなりました。今週は新緑の色合いの変化を比較するくらいしかありません。

 

4kmポスト手前の展望台

こちらはこれまでにも何度かご紹介している4kmポスト手前にある展望台。シャトルバスに乗車した場合は、ここに降り立つことができませんが、タクシーや自転車でお越しになれば、ここからの眺めを楽しむことができます。

 

笠ヶ岳 空の広さを感じられる

笠ヶ岳の残雪も週を追うごとに少なくなってきている様子がわかります。また、乗鞍スカイラインは森林限界以下でも髄所で空の広さを感じられ、スカイラインの名に恥じないロケーションがここにはあります。

 

二週間前の展望台付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) @
今週の展望台付近
傘ヶ岳の残雪が少なくなり、ダケカンバの緑が濃くなる

こちらは、展望台付近の様子。前述のとおり、笠ヶ岳の積雪が少なくなっている様子が、遠景の小さな画像でもお分かりですが、手前のダケカンバの芽吹きも、二週間もの隔たりがあれば、誰の眼にもはっきりとその違いがわかります。

ですから、注意深く見るようになると一週間という時間の流れは大きなものがあり、自然の移り変わりは、本当に刻々と進んでいることを実感します。

 

先週の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の猫の小屋跡地

さらに進んで、標高2200メートル、7kmポスト付近の猫の小屋跡地。3kmポスト付近と同様にこちらも先週の段階で積雪が完全になくなりました。この時期になっても、まだ芽吹いていないダケカンバもありますが、よく見るとまっすぐに伸びる立ち枯れの針葉樹もあり、マイカー規制前は、排気ガスを多く排出するヘアピンカーブでの立ち枯れが多いといわれたこともあります。

 

森林限界を超えて

標高2300メートルの8kmポスト付近に到達すると森林限界に近づいてきます。遠方に見える山肌は猫岳。

 

二週間前の猫岳の山肌
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2012/06/16〜17) @
今週の猫岳の山肌
残雪はもうありません

二週間前までは、山肌に残雪が見られましたが、今週はもう完全にありません。この先、四ッ岳カーブ付近以外は、乗鞍スカイライン沿道に残雪を見ることはできなくなってきました。

 

西側の眺望が開ける

そして、森林限界を超えると、西側の眺望が開けるようになってきます。

 

遥か彼方に白山 眼下にほおのき平駐車場

よく見ると遥か彼方に白山の様子があります。重厚な雲海の中に浮かぶ白山は見事なものです。今日も雲の上に浮かんでいるものの、雲海と呼べるほどの重厚さはありません。そして、眼下にはシャトルバスが発車したほおのき平駐車場が見られます。早朝のほおのき平駐車場から望んだ猫岳の山腹はちょうど撮影している地点となります。

 

先週の烏帽子岳
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の烏帽子岳
例年より一週間程度雪解け
先週の四ッ岳カーブ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の四ッ岳カーブ
例年並みの積雪量

上段は森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。これまでは2008年以降最も積雪量の多い状態が続き、先週はかなり雪解けが進んで例年並みの状況を示しました。今週の雪解けはあまり進んでいない様子で、例年よりも一週間程度雪解けが遅い様子が見られます。

下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。こちらも2008年以降最も多い積雪量を示していました。こちらは雪解けが進んで、例年並みの状況となっています。

 

片側交互通行

さて、四ッ岳カーブではご覧の通り信号機による片側交互通行が実施されています。現在、乗鞍スカイラインでは、このような片側交互通行の箇所が合計三箇所あります。

バス・タクシーなどの自動車は問題ありませんが、自転車の場合は信号機の時間内に通行することが困難かと思いますので、対向する自動車には注意が必要です。また、こちらの四ッ岳カーブの赤信号での待ち時間は約8分ほどもあります。来週には乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催されますが、レースに伴う乗鞍スカイラインの通行規制は実施されないため、三箇所ある片側交互通行も行われたままでのレースとなるはずです。

昨年大会では、信号待ちの時間を選手ごとに計測して、自動計測のタイムから控除して、大会記録にする措置がとられたようです。

 

土俵ヶ原

標高2550メートル付近の土俵ヶ原の残雪もほとんどなくなりました。

 

雪解け直後からハクサンイチゲが開花

残雪にかわって咲く花はハクサンイチゲ。無雪期のこの付近では、谷底以外は比較的乾燥していますが、雪解け直後ということもあって、湿り気の多い場所を好むハクサンイチゲもこのように花をつけています。最もハクサンイチゲは雪解け直後のこの時期を代表する高山植物でもあります。

 

桔梗ヶ原

さらに進んで桔梗ヶ原に達すると、空ばかりのロケーションとなってきます。

 

先週の鶴ヶ池雪渓
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) @
今週の鶴ヶ池雪渓
今シーズンは7月1日(日)まで滑走可能

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。鶴ヶ池雪渓の詳細については、ノリクラガイドマップ春〜夏スキー鶴ヶ池雪渓版 をご覧ください。

今年は積雪量が多かったこともあって、7月1日(日)まで滑走可能となりました。滑走可能時期が7月まで達することはこれまで例がありません。

 

畳平

平湯峠から14.4km、国内の自動車道でもっとも高いところに位置する標高2702メートルの畳平に到着です。 Next

 

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