ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.8(2012/06/30〜07/01) B

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(Update:2012/07/05)

 

【今シーズン最後の乗鞍岳春山バス】

こちらは乗鞍岳春山バスの終点、大雪渓・肩の小屋口バス停。

 

富士見沢、復旧工事のため、この先の県境まで進入禁止

今年は4月28日(土)より運行が開始され、5月26日(土)から大雪渓・肩の小屋口バス停まで延長運行されました。運行開始直後の4月後半は路面凍結で運休に見舞われるときもあり、また、例年よりも一週間早く、大雪渓・肩の小屋口まで延長運行が始まったものの、はじめの一週間は早朝の大雪渓付近では路面凍結が激しく、始発便が延長運行されたのは、6月1日(金)になってからでした。

先週、富士見沢での落石があり、落石防護ネット工事のため、大雪渓・肩の小屋口バス停より先の県境までは、現在、進入が禁止されています。

 

そして、今シーズン最後の乗鞍岳春山バス始発便が到着します。

 

今日もたくさんのスキーヤーが − 始発便は2台運行

トランクからのスキー板の搬出など、いつもの光景が見られます。

 

厳冬期の常連 − 今シーズンは今日が最後

こちらの方々は厳冬期がメインの冬のノリクラの常連の方々。

 

「こちらの方、今日はトーンが低いんですよ〜」 稜線上には、もう自分のフィールドがない...

「こちらの方、今日はトーンが低いんですよ〜」と他のメンバーからチェックが入る右の常連。確かに普段と異なり、明らかに元気のない様子...今日で春スキーが終わってしまうという感傷とともに、見上げる稜線上には、もう自分のフィールドがなくなっていることに落胆の色が濃く滲んでいます。

 

夏の常連 − 今シーズン初めて...

そんな真冬の常連とは裏腹に、今日からノリクラシーズン開幕というこちらの方々。久しぶりの雪渓の登行に、体力がついて行けるか心配されているようです。

 

春山バスと共にやってきて、春山バスと共に今シーズンが終わる

こちらの方々は、4月下旬の春山バス運行開始と共にノリクラ入りされて、今日が春スキー最終日とのこと。春山バスと共に現れて春山バスと共にシーズンが終わります。

 

最後の春山スキーを楽しむ

乗鞍岳春山バス最終日は、真冬のバックカントリーを主体とした常連の方や春スキーの方々にとってはノリクラ最終日。そして、夏スキーの方にとっては、シャトルバス運行前のフライング気味のシーズンイン。スキーの中にはアルペンスキーとかテレマークといった道具の違いがあるように、厳冬期のバックカントリースキーと夏スキーでは、同じ道具を使っていても、その嗜好には大きな違いがあります。

そんな多様なニーズにもこたえることができるのがノリクラなんでしょう。

 

【雪渓下部 T】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

雪渓下端が徐々に後退

雪渓下端部分は、雪解けが進むと共に車道から離れ始めてきました。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) B

今週の大雪渓入口
2007年以降で最も積雪量

入口付近の雪渓下端部分は先週よりも1.5メートルほど移動しています。昨年よりも一週間ほど遅い雪解けで、2007年以降で最も積雪量の多い状態が見られます。

 

昨年の大雪渓入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) B

今週の大雪渓入口

こちらは大雪渓入口隣の車道と接する部分。右上の先週の画像と比べるとお分かりの通り、この一週間は雪解けがかなり遅い状態が見られます。

 

2010年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) D
2009年の大雪渓入口
2009ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2009/07/04〜05) A
2008年の大雪渓入口
2008ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2008/07/05〜06) B
2007年の大雪渓入口
2007ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2007/06/30〜07/01) H
=今週は過去5年間でも最も積雪量が多い状態=

2010年〜2007年の様子を見ても、今週の積雪量の多さがよくわかります。先週は雪解けが激しかったこともあって、一時的に2007年・2008年よりも少ない様子がありました。しかし、今週は過去5年間でも最も積雪量が多い状態に復帰しています。

ただ、例年よりも圧倒的に積雪量が多いわけではありませんので、先週のように大幅に雪解けがあれば、再び例年よりも少ない様子が見られることは十分考えられます。

 

昨年の登山道入口
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) B

今週の登山道入口 − 例年よりもかなり多い積雪量

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。先週からの雪解けは高さ50センチほど。雪解けスピードとしては、ほぼ平均的な速度です。2007年以降、どの年も登山道を示す標識柱の根元まで雪解けが進み、2010年は昨年よりもさらに雪解けが進んでいる状態が見られました。従って、この付近に関しては、例年よりもかなり多い積雪が残っていることになります。

 

昨年の登山道入口 − 隙間は2メートル
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
今週の登山道入口 − 車道側にせり出している

そのため、2007年以降の過去5年間は、いずれも同時期前後から雪渓下端部分と車道との間に隙間ができ、例年1メートルほどの幅になっています。しかし、今週は雪渓下端部分は車道寄りにせり出している状態です。

 

スキーヤー専用道

こちらは大雪渓入口から雪渓上部につながるスキーヤー専用道。ルートを示す誘導ロープの支柱がようやく見え始めました。

 

ウラジロナナカマド − ようやく芽吹き、例年よりやや遅い

そして、沿道のウラジロナナカマドは、ようやく芽吹きを見せ始めました。例年よりもやや遅い状態で、2009年ではすでに花のつぼみも見られたほどでした。

 

昨年のモーグルコースの岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) B

今週のモーグルコースの岩
この一週間の雪解けは1メートル

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

この一週間の雪解けは1メートル程度で、他のエリアよりもやや雪解けの多い様子が見られます。

 

2010年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) E
2009年のモーグルコースの岩
2009ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2009/07/04〜05) B
2008年のモーグルコースの岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2008/07/05〜06) C
2007年のモーグルコースの岩
2007ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2007/06/30〜07/01) J

=今週は2007年よりも若干少なく、例年以上の積雪(雪渓下端も上部も例年以上)=

2010年〜2007年と比べると、積雪量の多かった2007年よりも若干少ない状況ですが、それ以降では今週のほうが積雪量が多い様子が見られます。先週は例年並みという推移を見せ、今週は雪解けが遅かったことが影響して、例年以上の積雪を見せています。

今週は車道沿いの雪渓下端部分も、モーグルコースの岩のある上部付近も、いずれも例年以上の積雪量を示しています。(先週は下端では例年以上、モーグルコースの岩付近は例年並みという状況でした。)

 

雪渓下端まで135m − 例年以上の距離

雪解けと共にモーグルコースの岩は上下にわたって岩がおおきくなり、今後、モーグルコース付近の積雪を圧迫するようになってきます。現時点でのモーグルコースの岩の下端から雪渓下端までの距離は135メートル。2010年と同じ距離で、そのほかの年は130メートル前後でした。

 

昨年の石碑の岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2011/07/01〜02) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) B

今週の石碑の岩
今週の雪解けは50センチ − 過去5年間で最も多い積雪

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。先週からの雪解けは50センチほどで、2007年以降の過去5年間で最も積雪量の多い状態を維持していて、例年と比べて高さ1メートル以上の積雪量の違いがあります。

 

チングルマ
芽吹きはまだない − 例年より遅い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。例年ならそろそろ新芽が出始めるところですが、前述のとおり積雪量が多く雪解けが遅れていることから、新芽は一つも見られない状況です。

このチングルマは、例年7月下旬には開花しますが、今年は少し遅れるかもしれません。 Next

 

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