ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.8(2012/06/30〜07/01) F

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(Update:2012/07/05)

 

【大雪渓までの沿道の風景、雨の中のスキーヤー】

シャトルバス車掌さん − 今年も乗鞍岳線を担当

こんな雨の中ですが、大雪渓に向かうスキーヤーを送るシャトルバスは、ダイヤどおりの運行を行います。こちらの乗務員の方も乗鞍岳線の車掌さんとして毎年務められています。マイカー規制と同時にシャトルバスの運行が始まりましたが、その翌年から勤務されているとのこと。今年は新人の乗務員の姿も見られるようになり、「若い人に『石畳』っていって通用するんでしょうか?」と、お聞きすると苦笑しながら、「どうでしょうねぇ〜、時代と共に名称を変更していかないといけないでしょうねぇ〜」と、おっしゃっていました。

県道乗鞍岳線(エコーライン)の中で、荒田沢橋を過ぎた27号カーブから冷泉小屋手前の22号カーブまでの区間が最も急勾配で、かつてはカーブ部分だけスリップ防止のため、コンクリート舗装されていました。そのコンクリートの表面は円形の凹凸が付けられていて、まるで石畳を走行しているようなひどい振動があったため、3箇所程度あったコンクリート舗装のことを「石畳」と呼称したものです。

現在は、コンクリート舗装の上からアスファルト舗装が施され、かつてのようなガタガタはなくなりました。しかし、バス車掌・運転手さんやタクシー運転手さんの中には現在でも石畳と呼ばれる方もいらっしゃり、今でもアスファルト舗装の隅にコンクリート舗装の一部が見えているところがあります。

県道乗鞍岳線のカーブ番号については、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。

 

今日のスキーはあきらめました

雨脚がひどくなる一方で、大雪渓に向かうのを躊躇されているこちらのスキーヤー。今日のスキーは断念されるとのこと。これから温泉にでも向かうとのことですが、普段はなかなかできない乗鞍高原内の散策を提案させていただきました。少し、満開を過ぎていますが、一の瀬のレンゲツツジはまだ見頃が続いています。

会話のやり取りの中で、「バスに乗っていると本当に気が付かないことが多いですよ。特にこの時期にしか見られない滝とかあって、知らないことって結構あるんですよね〜(※)」と、おっしゃっていました。大雪渓ばかりがノリクラではありませんので、今日のようなチャンスを生かして、自分自身のノリクラを広げていっても良いでしょう。(※ 下記の「幻の滝」参照)

 

県道乗鞍岳線 − 雨にしっとりと輝く新緑

それでは、ここからは大雪渓に向かう県道乗鞍岳線の沿道の様子をお伝えします。今日は雨に濡れて一層綺麗に輝く新緑が見事です。

 

ムラサキヤシオツツジ 雄しべは長短のニ段構え

すでに何度もご紹介しているムラサキヤシオツツジ(紫八染躑躅、ツツジ科ツツジ属)。滋賀県以北の山地帯から亜高山帯に自生する落葉低木。乗鞍高原内ではもう少し早い5月頃によく見かける高山植物です。

ヤシオ(八染)という名のとおり、何度もしっかりと染め上げたようなショッキングピンクが特徴の花で、中心に見られる雌しべの周りには10本の雄しべがありますが、その雄しべは長短の長さに違いがあり、二段構えになっている様子が分かります。

 

白い花 − ムシカリ(オオカメノキ) クロウスゴはすでに実をつける

そして、現在見られる白い花はムシカリ(オオカメノキ)、さらにはすでに花を終えてしまったクロウスゴが、ご覧のような実をつけ始めています。標高2600メートルの大雪渓でクロウスゴが実をつけるのは8月になってからですから、標高2100メートル付近のこちらとは時期が一ヶ月以上異なることが分かります。

 

通称:幻の滝 − 残雪期と増水期のみ現れる

さて、先ほどのスキーヤーの方がおっしゃっていたこちらの滝。雪解けや降雨で増水したときしか見ることができません。最も、渇水期でも少量の流れはありますが、それも目を凝らしてよく見ないと分からない程度です。また、これだけの水量が流れていても、左の画像ではほとんど確認することができないほどですから、足早に流れるバスの車窓からだと、その存在を知っていない限りは、見過ごしてしまうものです。

場所は冷泉小屋下の22号カーブです。県道乗鞍岳線のカーブ番号については、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。

 

タカネザクラ(別名:ミネザクラ)

沿道にはまだ桜が咲いています。こちらはタカネザクラ(ミネザクラ、バラ科サクラ属)、ムラサキヤシオツツジのようにはっきりとしたピンクではなく淡い色合いで、やや目立ちにくい存在です。しかし、左の画像のように、葉の色合いも他の広葉樹と異なって、紅色を帯びていますので、葉の色に注目して探すとすぐに分かるでしょう。

雪の壁(5号カーブ)

そして、森林限界を超えて位ヶ原に到達するとご覧のような雪景色です。

 

雪の大壁(4号カーブ) − 現在、6.8メートル

こちらは大雪渓駐車場手前の4号カーブの雪の大壁。現在の高さは6.8メートルです。先週の7.5メートルよりも低くなってきましたが、まだまだ、その高さには圧巻です。

 

大雪渓 − こんな雨でもがんばります

11時の大雪渓の気温は10℃。風雨がますます強くなってきます。こんな天気でも大雪渓には数名のスキーヤーがお越しになっています。

 

まだまだ滑ります − 昨日の分を取り返して

昨日は出遅れて、春山バス第二便でお越しになりました。ですから、昨日の分を取り戻しに今日は雨の中でも滑り続けます。

 

「WebSiteがあるから、一人でも安心して来られます」 バーンコンディションはまずまず

いつも一人だから、WebSiteの情報を頼りにされているとおっしゃるこちらの方。「せっかく来ましたから、今日は夕方まで滑りますよ!」と、何度も滑走を繰り返していました。バーンはさほど硬くなく、再氷結で生じるたけのこ状の氷柱も確認されず、夏の雪渓のコンディションとしてはまずまずの状態。ですから、こんな天気でも滑走そのものは快適といえるでしょう。 Next

 

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