ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.12(2012/07/28〜29) B

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(Update:2012/08/02)

 

【雪渓下部 U】

登山道沿いの高山植物

それでは登山道沿いの高山植物の様子をご覧ください。

 

シナノキンバイが満開 −昨年より一週間遅い

先週は開花し始めたばかりのシナノキンバイが、今週は満開になりました。こちらも昨年より一週間遅れの状態です。目立つ黄色に大輪の花は、登山者の人気の的。立ち止まって写真を撮る様子も多く見られます。また、周辺にはコバイケイソウがありますが、こちらは花芽をつけている株がなく、今年は「不作」の年なのかもしれません。

 

ベニバナイチゴ

位ヶ原エリアなどでは、実ができ始めているものもありますが、大雪渓エリアのベニバナイチゴは今が見頃。真紅の花は目立つ色合いですが、葉に隠れるように咲くため、登山道のすぐ近くで咲いているにもかかわらず、通り過ぎて行く登山者が多いようです。

 

大雪渓〜肩の小屋 登山道
雪解けは入口から88メートル
この先雪渓を歩く −約21メートル
昨年より一種間遅い雪解け

登山道入口から続く肩の小屋への登山道は、かなり雪解けが進んできました。左の画像の入口から雪渓が始まるまでの距離は88メートルで先週よりも18メートル増えています。また、右の画像の雪渓部分は21メートルで、先週の50メートルから激減しています。

 

例年ならほぼ雪解けが終わっている時期 − 2010年・2007年並みの積雪の多さ

2007年までの各年を見ると、この箇所に積雪が残っていたのは2010年の25メートルと2007年の20メートルで、今週はそれに匹敵する状況と言えます。

 

「うわ〜、スキーやってる!気持ちよさそう〜」

「うわ〜、スキーやってる!気持ちよさそう〜」と、思わず声を上げる登山の方。

 

積雪はここまで

行きは大雪渓の登山道入口から肩の小屋を経由して剣ヶ峰を目指し、帰りは肩の小屋から畳平に行く予定とのこと。「畳平からだと混雑しそうだから...」と、おっしゃっていました。

後ほど、4ページ目の【肩の小屋】のコーナーで登山道の状況をお伝えしますが、天候に恵まれたこともあって、剣ヶ峰への登山道は今シーズン一番の賑わいを見せました。

右の画像のとおり、この雪渓部分を通過すると、この先は、積雪部分はほぼありません。

 

昨年のモーグルコースの岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2011/07/28〜29) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2012/07/21〜22) B
今週のモーグルコースの岩
この一週間の雪解けは1メートル

大雪渓の中で最初に出現する岩があります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

この一週間の雪解けは1メートルほどで、先週の1.5メートルよりも雪解けスピードが落ち着いてきました。しかし、昨年同時期は50センチしか雪解けしていませんでした。それでも、積雪状況からみると、先週と同様、昨年よりも一週間遅い雪解けとなっています。

 

2010年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2010/07/31〜01) B
2009年のモーグルコースの岩
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2009/08/01〜02) B
2008年のモーグルコースの岩
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2008/08/02〜03) B
2007年のモーグルコースの岩
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2007/07/28〜29) C
=2007年よりもやや少なく、それ以外の各年より1メートル多い積雪量=

2010年〜2007年と比べると、積雪量の多かった2007年よりもやや少なく、それ以外の各年よりも1メートル以上積雪量の多い状況で、先週とほぼ同じ推移を続けています。

過去5年間と比べて今週の状況は、下部の雪渓下端部分では、これまで例年よりも積雪量が多い状況を示していましたがほぼ例年並みになりました。しかし、上部付近(モーグルコースの岩付近)では、例年よりも1メートル多く、2007年よりやや少ない状況が継続されています。

 

雪渓下端まで105m − 例年以上の距離

雪解けと共にモーグルコースの岩は上下にわたって岩が大きくなり、今後、モーグルコース付近の圧迫するようになってきます。現時点でのモーグルコースの岩の下端から雪渓下端までの距離は105メートルで、最も長かった2010年の95メートルよりも長く、例年、80メートル台まで減少していますから、かなり多い状態と言えます。

 

昨年の石碑の岩
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2011/07/28〜29) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2012/07/21〜22) B
今週の石碑の岩 − 周辺の積雪がなくなる
積雪の多かった2010年2007年と同傾向

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。周辺の積雪が完全になくなりました。2007年までの各年で、同一週に周辺の周辺の積雪が完全になくなったのは、2010年と2007年で、それ以外の各年は1〜2週間早く積雪がなくなっています。

 

チングルマ − ようやく開花、例年より1週間遅い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。ようやく開花を迎えました。例年よりも一週間遅い状態で、2007年と同じ推移です。おそらく、来週には花は終わってチングルマ特有の風車状の綿毛が見られることでしょう。

 

先週の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2012/07/21〜22) B
今週の石碑の岩の下部のバーン
昨年より二週間遅く、例年より一週間遅い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、昨年より二週間遅い雪解けで、例年と比べても一週間遅い状況です。

 

石碑の岩 東側 −大雪渓入口方面への下山滑走は、おそらく今週まで

雪渓上部から雪渓下部へ滑り降りるエリアの雪解けも進んできました。おそらく、雪渓上部から大雪渓入口へ下山滑走できるのは今週までで、次週末は歩いて下山する必要があると思います。

 

昨年同時期より二週間早い石碑の岩 東側
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2011/07/14〜15) C
先週の石碑の岩 東側
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2012/07/21〜22) B
今週の石碑の岩 東側
昨年より二週間遅い雪解け

この一週間の雪解けは、高さ1メートルほど。左上の画像は昨年同時期より二週間早い画像。大雪渓を全体的みると、昨年よりも一週間遅い雪解け状況が見られますが、エリアによっては、このように二週間も遅いことがこの画像からよくわかります。 Next

 

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