ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.13(2012/08/04〜05) G

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(Update:2012/08/09)

 

【畳平、お花畑】

畳平バスターミナル 畳平駐車場(鶴ヶ池駐車場)

こちらは畳平。岐阜県側の乗鞍スカイラインの終点にあり、長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)とも接続しています。どちらもマイカー規制が実施され、バス・タクシー・自転車、及び、許可車両以外の通行はできません。

 

大型バスで満車 − 今シーズン一番の賑わい

そのため、畳平駐車場(鶴ヶ池駐車場)の大半は、大型バスの駐車スペースになっています。今日は今シーズン一番の賑わいを見せ、畳平駐車場の大型バス駐車スペースは、ほぼ満車の状態です。

 

畳平お花畑

それでは、ここからはいつものようにお花畑の様子をお伝えします。

 

たくさんの人出であふれる

畳平駐車場が多くの観光バスでひしめいている状態ですから、お花畑もご覧のように歩くのもままならないほどの賑わい振りです。

 

入口付近のお花畑−ハクサンイチゲの見頃が続く ミヤマクロユリが咲く

畳平のお花畑は、奥(西側)から開花が始まり、手前の入口付近が最も開花が遅い推移を見せます。こちらは入口付近の様子。この付近は開花の遅いエリアですが、先週の段階でハクサンイチゲが満開を迎えました。

今週もまだまだ見頃が続き、その中にはミヤマクロユリの様子もあります。

 

入口付近のミヤマクロユリは見頃に モミジカラマツ

入口より先のお花畑の様子は、この後お伝えしますが、見頃を迎えているミヤマクロユリは入口付近だけで、それ以外の場所はすでに花期が終わっています。また、右の画像のように、モミジカラマツも台頭し始めました。

 

周回コース分岐点

入口からさらに周回コースを進んで行きます。

 

乗鞍環境パトロール − 気軽に記念撮影にも応じる

周回コースの分岐点には、乗鞍環境パトロールの方がいらっしゃいます。「パトロール」という名称ですが、訪れた方々にノリクラをよく知ってもらうための啓蒙活動も業務の一環であり、高山植物の説明や記念撮影にも気軽に応じてくださいます。

 

先週の分岐点付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2012/07/28〜29) F
今週の分岐点付近
手前の部分に注目

先週撮影した場所と、ほぼ同じところ見てみます。

 

ミヤマキンバイ − 花期が終わる ミヤマキンポウゲ − まだまだ見頃が続く

左は画像手前の部分。先週の画像ではミヤマキンバイが咲いている様子が見られますが、今週は花が終わっています。しかし、ミヤマキンバイの右側にあるミヤマキンポウゲは、まだ、花期が続いています。

ご覧のように同じ高山植物でも、種類によって、花期が若干異なっています。そのため、何種類もの高山植物が順次咲き、7月上旬から8月中旬までの長期間にわたって高山植物を楽しむことができます。

 

ヨツバシオガマ − ノリクラにも夏本番が訪れる

そして、よく目立つようになって来たのはヨツバシオガマ。この高山植物が咲き始めるとノリクラに夏本番が訪れた証拠です。

 

ハクサンボウフウ チングルマ

ハクサンイチゲの花期がそろそろ終わりになってきたころ、別の白い花(ハクサンボウフウ)にその役目をバトンタッチです。どちらも「ハクサン...」で始まりますが全く別の種類です。(ハクサンイチゲ:キンポウゲ科イチリンソウ属、ハクサンボウフウ:セリ科カワラボウフウ属)

そして、チングルマもあっという間に花が終わって、チングルマの由来となった「稚児車」の風車状の綿毛が広がろうとしています。

 

周遊コース − 奥へ進む ミヤマキンポウゲで

周遊コースをさらに奥のほうへと進んで行きます。先ほどお伝えしたようにミヤマキンバイの花期が終わりになってきていますので、現在見られる黄色の花はミヤマキンポウゲです。

 

周遊コース奥 −ハクサンイチゲの黒い実(左)、ミヤマクロユリ(右)も花期が終わる

最も雪解けの早かった周回コースの奥(西寄り部分)は高山植物の推移も早く、ハクサンイチゲは黒い実ができ、先週見頃だったミヤマクロユリもご覧のように枯れています。

 

ミヤマクロユリ − 実ができ始める

枯れたミヤマクロユリの中には、ご覧のようにすでに実ができ始めたものも見られます。

 

ハクサンイチゲの見頃はそろそろ終わりを迎え、一面お花に包まれる様子はなくなってしまいますが、ヨツバシオガマやウサギギク、そして、ネバリノギランなど、これから花期を迎える高山植物も目白押しです。

 

【昨年の今ごろは?】

2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2011/07/28〜29) @

8月4日(木)は、低く垂れ込めた曇り空から始まります。それでも時間とともに青空が広がり、今日はこのまま天候が回復して行くのかと思いました。日差しが差し込むようになった乗鞍高原とは裏腹に、大雪渓エリアは濃霧が立ち込める状況。それでも時間とともに、山頂付近まで視界が開けるようになって来ました。しかし、終日にわたって山麓から霧がわきあがり、その霧で周期的に視界が奪われる状況が続きます。日差しが差し込めば、蒸し暑さを感じさせる時もありましたが、午後からは、日差しが差し込む時間帯が長くなっても、ひんやりとした空気に入れ替わってきたこともあって、暑さを全く感じさせない状況が続きます。雲間に青空がのぞくようになりますが、夏の入道雲などどこにもなく、夏の雰囲気を全く感じさせなかった一日でした。

8月5日(金)は、昨日と比べると幾分夏らしさを取り戻しました。早朝の乗鞍高原は低く垂れ込める雲に覆われますが、それも時間とともに強い日差しとともに、虫たちの合唱が始まります。しかし、三本滝ゲートから冷泉小屋や位ヶ原山荘付近の中腹エリアは濃霧に包まれ、はっきりしない状況です。それでも、午後になると、濃霧に覆われていた中腹から上部エリアでも、しっかりとした青空が広がるようになり、それと同時にさわやかな空気に包まれるようになって、大雪渓エリアも青い空と白い雲の夏らしい雰囲気が戻ってきました。

 

<編集後記>

「カラス...」

ハシブトガラス

おそらく、乗鞍大雪渓にお越しのスキーヤー・ボーダーの方なら、何度もカラスの姿を確認していると思います。以前であれば、乗鞍でカラスといえば、ホシガラスのことを指すのが一般的ですが、今では、市街地にいるハシブトガラスが乗鞍でも普通に存在しています。

 

岩場に置く食べ物を狙う − かばんに入れて必ず密封すること

そのカラスが狙っているのは、スキーヤー・ボーダーが岩場に置いている食べ物。カラスは嗅覚がほとんど発達していませんので、匂いではなく、視覚による判別を行っています。鳥類の中でもカラスは頭脳が発達していますので、一度学習すれば、どのようなものに食べ物があるのかをしっかりと覚えています。そのため、レジ袋に入れたものは、第一目標物にされてしまいます。また、ザックにも食べ物があると認識しているようです。

カラス対策で特に注意していただきたいのは点は以下のとおりです。

● 食べ物は、かばん・ザックに収納し、チャックはしっかりと留める(少しでも開いていると、器用にあけてしまいます)
● レジ袋は格好のターゲットになりますので、中身が食べ物でなくてもかばんに入れる
● 残飯や食べ終わった弁当の空き箱なども、かばん・ザックに入れる(カラスを無用に近寄らせない)
● ザック類はデイバックのような簡易のものではなく、生地の厚い登山用のものを使用する(生地が薄いと簡単に破いてしまいます)

また、大雪渓周辺はゴミの散乱が目立つとの話も耳します。持ち込んだものは確実に持ち帰るように心がけてください。「残してよいのは足跡だけ」といいますが、高山植物への影響もありますので、不用意な立ち入りも厳禁です。本当に残してよいのは「ノリクラでのよい思い出」だけにしてください。

 

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