ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.21(2012/09/29〜30) @

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(Update:2012/10/04)

 

9月最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。

おそらく、多くの方がこの日の到来を待ちに待っていたのではないでしょうか?大雪渓・位ヶ原エリアではくすみのない鮮やかな紅葉がようやく訪れ、久々に良いコンディションの紅葉に巡り合えました。

取材一日目の9月29日(土)は、若干雲がかかるもののまずまずの青空の朝から始まります。朝の気温は8℃。気温の割には冷え込みがありません。観光センター前駐車場も若干あわただしい雰囲気が流れ、朝一番からカメラマンの方々が山頂方面へと急いで向かいます。台風17号の影響が懸念されましたが、曇〜晴の天候で日中は台風の気配をまったく感じさせませんでした。むしろ、遠景の山並みも穂高連峰や八ヶ岳までしっかりと確認できるほどよい天候だったといってもよいでしょう。
終日ひんやりとして空気に包まれ、午前中はまだはっきりとした色合いではなかった大雪渓・位ヶ原エリアの紅葉も、夕方までにはほぼピークの色合いになります。そして、沿道には三脚を並べるカメラマンの姿が見られ、毎年恒例の紅葉シーズンの様子が夕方まで繰り広げられました。

取材二日目の9月30日(日)は、曇空ですが今日も台風の影響をまったく感じさせない穏やかな朝を迎えます。早朝6時の乗鞍高原の気温は11℃でまったく寒さを感じさせません。寒さを感じさせない程度の適度な冷え込みにより紅葉はさらに色合いを増して、上部エリアから中腹まで全エリアで見頃を迎えました。また、9時ごろから1時間ほどは台風直前の晴れ間が広がり、錦色の紅葉を一段と輝かせ、思わぬ青空に恵まれたカメラマンの方も、忙しそうに右往左往される様子もありました。しかし、天候の変化は早く、あっという間に雲に包まれたかと思うと、午後の大雪渓付近は視界が30メートルを切るほどの濃霧になり、雨が降り始め、次第に台風到来の様相となってきました。

今回も 紅葉情報(5ページ目〜) をお伝えします。9月26日(水)に畳平で初霜が観測されましたがその影響もほとんどなく、大雪渓・位ヶ原エリアはピークを迎えました。かなりよい状態だった2009年に匹敵するほどの鮮やかな状態を見せています。また、中腹の冷泉小屋〜摩利支天にかけてもピークに近い状態となり、広範囲にわたって見頃を迎えました。


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【9月29日(土)、観光センター前駐車場】       【大雪渓までの沿道の風景 T】
Page-2 : 【大雪渓までの沿道の風景 U】
Page-3 : 【大雪渓に到着 − 様々な方との再会の場】
Page-4 : 【雪渓下部】       【雪渓上部 − モーグルコース】
Page-5 : 【紅葉情報−大雪渓付近(標高2600〜2700m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近(標高2500m付近) T】
Page-6 : 【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近(標高2500m付近) U】       【紅葉情報 − 位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】
Page-7 : 【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】        【紅葉情報 − 摩利支天〜三本滝(標高2000〜1800m付近)】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記「例年の初雪・初冠雪は...」>
 
●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)
(シャトルバス) − 2012シーズン版 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(紅葉の概要) − 乗鞍紅葉情報(紅葉の歩き方)
(紅葉ビューポイント・地図) − ノリクラガイドマップ 紅葉 上部エリア版(大雪渓〜摩利支天)   ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版(三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア)

 

【9月29日(土)、観光センター前駐車場】

夜の観光センター前駐車場

こちらは9月28日(金)の21時ごろの観光センター前駐車場の様子。

 

中秋の名月は9月30日(日) 当日は台風接近が懸念 − 今月の満月は今日が最後...

今年の中秋の名月は9月30日(日)ですが、台風17号が接近する予報があり、おそらく、このようなまん丸で綺麗な月を見ることができるのは、今月は今日が最後でしょう。

 

明るい月夜 − ノリクラの山肌すらはっきりと

真昼に近いほどの明るい月に照らされて、周辺の様子もはっきりと確認できるほど。ご覧のようにノリクラの峰々が見られるだけでなく、その山肌の様子すらわかるほどです。そして、気温は10℃ほどですが、まったく寒さはなく、満月と星空を同時に楽しむことのできる様子をずーっと眺めていられるだけの状況です。

 

翌朝の観光センター前駐車場

一夜明けた早朝5時45分の観光センター前駐車場。

 

5時40分 − ようやく日の出

今日の日の出時刻は5時40分。東の空がようやく明るくなってきました。日の出が刻々と遅くなり、周辺はまだ暗くまま...

 

駐車場は早朝から空きスペースの少ない状況 朝からあわただしく出発準備

明日は台風接近で天候が保障されないこともあって、今日のうちに紅葉見物を楽しもうという方も多く、今朝の観光センター前駐車場には122台ものマイカーがお越しになり、朝から出発の準備があわただしく始まっています。

 

シャトルバス乗車券発売所 畳平7℃ − 紅葉には最適な冷え込み

シャトルバス乗車券発売所のカウンターには畳平(乗鞍山頂)の気温がホワイトボードで掲示され、ご覧のように7℃となっています。今日の6時の乗鞍高原の気温は8時でしたから、山麓と山頂ではほとんど気温に違いがないことがわかります。

思ったほどの冷え込みになっていませんが、ここ数日間はご覧のような気温が続いています。紅葉の状況についてはこのあとお伝えしますが、今週はかなり良いコンディションを見せています。最低気温が8℃を下回ると紅葉が始まるといわれ、ご覧のような適度な冷え込みが続いたことで色付きが急速に進み、また、氷点下となるような強い冷え込みが見られなかったことで霜枯れを免れ、紅葉には最適なコンディションを迎えました。

 

シャトルバス専用停留所 「この2〜3日で一気に進んだよ!早く行かなくっちゃ!!」

こちらはシャトルバス始発便を待つシャトルバス専用停留所。バス会社の係の方は、「この2〜3日で一気に進んだよ。ホントに急激に進み始めて、(色合いは)朝と夕方では全然違うんだから! だから早く行かないと!!」と、早く現地に行くように急かすほど...

 

シャトルバス始発便を待つ 「今年の紅葉はどうですか?」

先ほどの係の方に急かされたわけではありませんが、シャトルバス始発便を待つ列の先頭にいらっしゃるこちらの方々。「今年の紅葉はどうですか?」と、お聞きになります。WebSiteでチェックされてきていることと思いますが、やはり気になるところですね。

 

シャトルバス始発便到着

そして、いつものようにシャトルバス始発便が到着し、改札が始まります。

 

今日の始発便は2台 「『森のクマさん』を歌っちゃいけないんですよねぇ〜(笑)」

今日の始発便は2台が運行されます。紅葉散策に向かう方、山頂登山に向かう方、そして、大きなカメラバックと三脚を携えて乗り込むカメラマンなどの様子が見られ、秋のハイシーズンが到来した様子が感じられるワンシーンです。

そして、バスに乗車する瞬間に...「『森のクマさん』を歌っちゃいけないんですよねぇ〜(笑)」と、おっしゃりながらシャトルバスに乗車します。ノリクラ雪渓カレンダーをご愛読されている方ならすぐにお分かりかと思いますが、その理由は先週掲載の ノリクラ雪渓カレンダーVol.20 をご覧ください。(→ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) A 【大雪渓までの沿道の風景 V】)

紅葉散策を楽しむこの時期は、ツキノワグマが乗鞍一帯で多く見られる時期でもあります。「クマ出没注意」という看板をよく見かけますが、実際にはクマが出没するというよりも、クマの生息地域に人間が侵入しているといったほうが正解かもしれません。

 

シャトルバス始発便 − 10月より7時00分に変更

6時10分に観光センター前を出発するシャトルバス始発便は、10月より7時00分に変更されます。実際には時刻変更ではなく、これまでの始発便(6時10分便)が廃止されるため、後続の7時00分が最初の便となります。

少し話が異なりますが、7月から10月まで運行されるシャトルバスでもっとも混雑する時期は、お盆と紅葉シーズン。特に10月の三連休はお越しになる方が集中して、お盆よりも乗客数が多いシーズンもあるほどです。

ただ、10月第1週目は、大雪渓・位ヶ原の上部エリアの紅葉は終わってしまう年もありますから、上部エリアの紅葉を狙ってお越しになる方は、10月三連休よりも前に(9月20日前後から9月末あたりに)計画されたほうが良いでしょう。

 

タクシー乗り場 三連休は予約がオススメ

上部エリアが終わったとしても、10月の三連休に多くの方がお越しになることは間違いなく、中腹から山麓の乗鞍高原にかけては紅葉が進む時期でもありますから、ノリクラのどこかで必ず紅葉が見られ時期でもあります。

そのため、事前にタクシーの予約を取られる方もいらっしゃって、「三連休あたりはねぇ〜、常連のお客様が毎年予約してくれるんだよ。うれしいよねぇ〜、そうやって指名してくれるって...」と、いつもの口調で語ってくださいました。

もちろん、紅葉は自然現象ですから、進捗状況が毎年異なり、三連休にどこで綺麗な見頃になっているかは、そのときにならないと実際にはわかりません。でも、ノリクラならどこであっても案内できるのが常連のタクシードライバーといえるでしょう...

 

【大雪渓までの沿道の風景 T】

鈴蘭バス停前(カエデの紅葉) 善五郎の滝 駐車場

それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。

 

善五郎の滝への遊歩道 ミズナラの森はまだ青々と

こちらは善五郎の滝への遊歩道入口。ミズナラの森はまだ青々としていて、紅葉はまだ先のことです。

 

遊歩道入口 ヤマウルシ − 接触注意

その遊歩道の入口にはご覧のように赤く色づき始めた木を見つけることができます。こちらはヤマウルシ、漆ですから触れるとかぶれます。まだ色づき始めた段階ですから、しっかりとした色合いになっていませんが、これから鮮やかな橙色(オレンジ色)に紅葉するため、漆とは知らずに手を差し出してしまう方もいらっしゃるようです。

ちょうど入口付近にあって、触れる方が多かったのかもしれませんが、同じ箇所にあったヤマウルシが数年前に除去されました。しかし、再び同じように大きな葉を広げていますので、触れないように注意する必要があります。

 

休暇村方面へ ミズナラ − 少し色付きが見られる

善五郎の滝 遊歩道入口から休暇村方面に進みます。右の画像のようにミズナラの木が少しずつ色づき始めている様子が見られます。

 

ミズナラの葉 − 紅葉の始まりに見られる模様 ミズナラの実 − 今年は一定の結実が認められる

良く観察してみると、左のような興味深い模様が見られます。紅葉が始まりだす時期のミズナラに良く見られる模様です。そして、ミズナラの実が右の画像のようにたくさん見られます。

9月25日に長野県が発表した情報では、コナラ、ミズナラなどの堅果類(ドングリの仲間)の豊凶調査の結果、どんぐり類の一定の結実が認められ、中信地域のミズナラ・コナラは「並作下〜並作」と発表し、平成18年(2006年)のようなツキノワグマの大量出没はないと推測致しました。

 

いち早く色付きを見せるのはヤマウルシ

さて、ヤマウルシは他の紅葉する木々に先駆けて色づきます。そのため、左の画像のように所々で赤色が点在していますが、こちらはすべてヤマウルシです。このヤマウルシの紅葉は例年よりもやや遅いように見受けられます。

 

鈴蘭橋 紅葉のビューポイント − 見頃は10月中旬

さらに進むと、休暇村の手前に鈴蘭橋があります。こちらも紅葉のビューポイントで、10月中旬ごろに迎える見頃の時期になると、多くのカメラマンがここを訪れるようになります。ご覧のように山麓から山頂までを一望できるポイントですから、山頂付近の初冠雪と山麓の紅葉のタイミングが合致すれば、三段紅葉をカメラのフレームに収めることも可能な場所です。

 

三本滝ゲート − 10月からの開門時間は7時

観光センターから約7kmほどのところにある三本滝ゲート。マイカー規制はここから実施されます。9月までは開門が6時からですが、10月からは開門時間が1時間遅くなり、7時からとなります。

開門が遅くなってゲートの係の方の負担も若干少なくなります。残すところ1ヶ月...でもこれからは積雪凍結など、早朝パトロールは「しばれる朝...」との戦いが始まるようになります。(ご苦労様です...) Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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