ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2012/09/29〜30) A
【大雪渓までの沿道の風景 U】
かもしかゲレンデ |
三本滝ゲートをさらに進むと、県道乗鞍岳線はかもしかゲレンデを縫うように横切ります。
明るい淡いピンクが目立つ | ヤナギランの綿毛 |
ゲレンデの中を見ると淡いピンク色の明るい部分が目立っています。ヤナギランの綿毛が今にも舞い上がりそうな状態になっています。
ヤマウド | こんなところにもヤナギランの綿毛がまとわり付く |
まるで葡萄の房を持ち上げたような感じにも見えるのはヤマウドの花。こちらもようやく実がで見てきました。その実にまとわりついているのは、先ほどのヤナギランの綿毛。
ハンゴンソウ | ハンゴンソウメタマフシ こんなところにも綿毛が... |
ヤナギランの周囲にあるものはすべてこの綿毛に包まれてしまいます。こちらは先週もお伝えしたハンゴンソウの虫こぶ。(ハンゴンソウメタマフシ)。まるで虫こぶ自身が綿毛を吐き出しているかのように大量にまとわり付いています。
アザミにはまだ花が残る | 花の少なくなった子の時期にハナアブが集まる |
先ほどのハンゴンソウはまだ花をつけているものの、周辺では開花している山野草は本当に数が少なくなってきました。そんな中で何とか花をつけているのはアザミ。
花の少なくなってきたこの時期にアザミに集中するのはハナアブ。1つの花に2匹ものハナアブが寄って来ていますね。
摩利支天付近 − これから先は紅葉ゾーンへ突入 |
摩利支天付近からはご覧のように富士見岳方面を一望できるポイントに差し掛かります。先週までは山肌の色合いに注視すべき様子は見られませんでした。
しかし、今週は明らかに黄色が多くなり、一目で紅葉が進んできたことを実感します。そして、沿道の紅葉も一段と色濃くなり、まさに紅葉のハイシーズンに突入した様子をうかがわせてくれます。
久々にヒルクライム | 「もうお尻が痛くて...」 |
台風17号が週末にかけて接近・上陸する可能性があると報じられていることもあって、今日はヒルクライムの方はかなり少ない状況でした。そんな中やってきたこちらの方。大雪渓での春スキーや夏スキー、そして、大雪渓までのランニングなど幅広くノリクラの楽しみ方を興じていらっしゃいますが、自転車でお越しになる様子は始めてお目にかかりました。
「久しぶりに自転車に乗りましたよ〜。もうお尻が痛くて...」
とは言うものの、辛そうな様子もまったくなく、颯爽と駆け上がって行きます。この時期にヒルクライムにお越しになる方の中には、夏よりも秋のほうがコンディションがよく、逆に夏場はヒルクライムをしないとおっしゃる方も見えます。特に今年は9月後半になっても冷え込みを感じさせる日がほとんどなく、本当にヒルクライム日和が続いているといってもよいかもしれません。
上部エリアから中腹まで紅葉が流れる − 年に一度の出会い |
沿道間際まで紅葉の回廊が迫り、そして、遠景の上部エリアにはダケカンバの黄色が針葉樹の深い緑の中に点在する様子は、この時期だけしか見られず、しかも長くて2週間程度しか出現しません。
上部エリアから中腹まで、まるで紅葉の川が流れているかような光景は、まさに天の川を渡って一年に一度しか出会うことができない神話のような出会いでしょう。
そして、こちらは標高2350メートルの位ヶ原山荘。
「山が燃えてます...」 |
「山が燃えてます...」 もうその一言に尽きる光景が位ヶ原山荘前に聳え立っています。
紅葉散策 − 大雪渓から位ヶ原山荘まで車道を歩く |
この時期、オススメの紅葉散策のスタイルは、大雪渓・肩の小屋口バス停でシャトルバスを下山した後、車道や登山道を下山しながら周辺の紅葉散策を楽しむのがよいのではないでしょうか。そして、位ヶ原山荘に到着したらシャトルバスで下山致しますが、バスの待ち時間にテラスで一休みされている方々の様子も多く見かけます。
シャトルバスの停留所は上から順番に、
1 畳平
(たたみだいら 毎時05分発)
2 大雪渓・肩の小屋口
(だいせっけい・かたのこやぐち
毎時09分発)
3 宝徳霊神 (ほうとくれいじん 毎時11分発)
4 位ヶ原山荘前 ( くらいがはらさんそうまえ
毎時15分発)
5 冷泉小屋前 (れいせんごやまえ 毎時 19分発)
6 摩利支天 (まりしてん 毎時28分発)
7 三本滝 (さんぼんだき 毎時39分発)
となっています。畳平から三本滝の間は、往復乗車券の場合は途中下車可能です。また、10月からは最終下り便が、畳平17時05分発から6時30分発へと時間が早まりますのでご注意ください。
これからの時期は紅葉がさらに山麓へと進んで行きます。各バス停の出発時刻をあらかじめ把握された上で沿道の散策を楽しまれることをオススメします。なお、シャトルバスの詳細情報は、乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 〜2012シーズン版〜 をご覧ください。
錦の屏風 |
どこをとっても申し分ない色合いに、「撮っても撮ってもキリがない」と言いながらも、なおも撮り続けるカメラマンの心理は、この錦の屏風の前にあってはしょうがないものであろうと思います。
位ヶ原 − 空がいっぱい! |
森林限界を超える位ヶ原では、空がロケーションの大部分を占める状況となってきます。
三脚を並べて... | レンズは真紅の紅葉に向けられる |
そして、カメラマンの方々が一斉にレンズを向けるのは、この付近から多くなってくるウラジロナナカマドの真紅の紅葉。レンズを真っ赤に染め上げる紅葉に興奮しながらシャッターを切り続けます。
ハイマツ帯にビビッドな紅葉が浮かぶ |
緑一辺倒だった夏場の山肌には、どこにウラジロナナカマドあるのかなど、はっきりとわかる状況ではありませんでした。ハイマツ帯の中でも比較的日当たりのよい沢筋部分にウラジロナナカマドが分布しますが、ハイマツ帯の内部には見事な色合いをウラジロナナカマドが存在している様子も見られます。
そんな紅葉を楽しみながら大雪渓に到着です。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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