ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.21(2012/09/29〜30) C

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(Update:2012/10/04)

 

【雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

雪渓下部 − もう積雪はありません

車道に面した雪渓下部の積雪はもうありません。高山植物も緑から小麦色へと変化している様子があります。

スキーヤー専用道 すべてのウラジロナナカマドが発色

こちらは大雪渓入口から雪渓上部につながるスキーヤー専用道。他のエリアのウラジロナナカマドと同様に、ほぼすべてのものが発色を始めています。

 

今年はどれも鮮やか − 枯れているものはほとんどありません

どれも鮮やかな色彩で、例年なら枯れている部分も少しはあっておかしくないのですが、今年は枯れているものはほとんどありません。

 

思わず見上げてしまうほどの真紅のウラジロナナカマド。

 

石碑の岩

雪渓下部では白一面だったバーンの中に一番最初にモーグルコースの岩が5月下旬頃に頭を出します。そのモーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で2番目に姿をあらわす岩があります。2ヶ月前の段階で周辺の積雪は完全になくなりました。

 

チングルマ 綺麗に色づく

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週までは変化が遅い状況でしたが、今週はようやく赤くなって来ました。各年でこれまで進捗に違いが見られたものの、紅葉はほぼ同じ時期にみられ、最後はつじつまの合うようにできているところが不思議に感じられるところです。

 

石碑の岩の下部

石碑の岩の下部から見られる大雪渓周辺・位ヶ原。

 

昨年の石碑の岩の下部
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2011/09/29〜10/01) A

先週の石碑の岩の下部
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) B
今週の石碑の岩の下部
見事な色付き

「今年はこの一週間で色付きがはっきりとしてきて、次週末が楽しみな状況です。」と、先週お伝えしたとおり、見事に綺麗に色付きました。

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。

 

雪渓上部左側 − 上級者のみ

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

 

2011年の雪渓上部左側
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2011/09/29〜10/01) B
2010年の雪渓上部左側
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2010/10/02〜03) B
2009年の雪渓上部左側
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2009/10/03〜04) C
2008年の雪渓上部左側
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2008/10/04〜05) C
2007年の雪渓上部左側
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2007/09/29〜30) D

2011年〜2007年までの各年の様子を見ると、2010年以降と2009年以前とは様子が若干異なっています。今年を含めた2010年以降は、右寄り部分での滑走が困難な状況となって左側で滑走していますが、2009年以前は積雪量が多く、まだ右寄り部分での滑走が可能な状態です。

この状況を見ると年々積雪量が減少しているように見えますが、過去にはもっと積雪量の少ないシーズンもあり、1999年には完全に積雪量がゼロになっています。

雪渓上部左側を「万年雪ですか?」という問い合わせがよくありますが、過去10年ほどは「越冬」しているものの、残念ながら万年雪ではありません。

 

昨年の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2011/09/29〜10/01) B

先週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.20(2012/09/22〜23) C
今週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)

雪渓上部左側の右寄りの下端部分の下に落書きの岩があります。雪渓の下端部分と落書きの岩の間の距離は65メートル。先週より12メートルも雪渓の下端部分が上昇しています。

昨年同時期の距離は61メートルでしたから、ほぼ昨年並みといえるでしょう。

 

モーグルコース

こちらは右寄りにあるモーグルコース。

 

今日は右側のピッチの長いコースのみ

モーグルコースは2本ありますが、常連のお二人が滑走されているのは、ピッチが長めの右側にあるコースです。ピッチが短い左側のコースも現存しているものの、滑走するメンバーが少なく、整備する環境が整っていないため、右側の一本に集中して滑り込んで整備しました。

 

今日は2名のみ − 「台風なんて全く感じられず、バーンも滑りやすい状態です。」

やはり台風17号の影響を懸念して、お越しになるのをためらった常連の方も多かったのかもしれません。それでも、滑走されているこちらの方々は「台風の影響なんて全く感じられません。バーンも朝から適度な柔らかさで滑りやすい状態です。」

天候悪化のため出発を中止を検討されたようですが、今日はお越しになって正解だったようですね。

 

絶景を間近に眺められるのは常連スキーヤーの特権! ハイマツ帯を赤く縁取るウラジロナナカマドの紅葉

大雪渓から望む位ヶ原方面の紅葉。手前の沢筋を赤く縁取っているのはウラジロナナカマド。そして、奥のほうに黄色く分布するのはダケカンバの紅葉です。

特にハイマツ帯の沢筋を赤く縁取る様子を間近に眺められるのは、大雪渓に訪れることのできる常連のスキーヤーの特権ともいえるでしょう。

 

ラインの長さ − 48メートル×11コブ(ピッチ4.36メートル)

今日のモーグルラインの長さは、48メートル×11コブ(ピッチ4.36メートル)。滑走するにはギリギリの距離と言えます。

 

天気さえよければ、飽きさせるものはない

今日の大雪渓駐車場付近には、紅葉散策に訪れた方がたくさんいらっしゃり、「あんなところでスキーやっているよ!」と、興味深く見上げる様子があります。

確かにこの時期は大雪渓から位ヶ原にかけての紅葉散策が最も旬な楽しみ方と言えます。しかし、ここから眺める紅葉もまたすばらしく、もう少しいうなれば、ここからの眺めはどの時期をとってもすばらしいものなのです。

そのため、天気さえよければ朝から夕方まで、ここで滑り続けていても飽きさせるものは全くありません。

 

紅葉に飛び込むように滑り続ける − まさに「秋スキー」

位ヶ原や大雪渓の紅葉に飛び込むように滑り続ける様子は、まさに「秋スキー」そのもの...「夏スキー」という言葉は存在しても、「秋スキーなんて言葉は辞書にない」と、言われてしまえばそれまでです。

しかし、実際にノリクラには「秋スキー」がご覧のとおり存在するのです。

 

昨年の雪渓上端付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダーVol.21
(2011/09/29〜10/01) B

先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) C
今週の雪渓上端付近

こちらは上端付近。まだまだ雪解けが続き、右上の先週と比べても岩の面積がかなり大きくなっています。しかし、昨年と比べて積雪量が多い状態が続いていて、左上の昨年同時期の画像とは比較ができないほどです。

 

昨年同時期より2週間早い雪渓上端付近
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2011/09/15〜16) C
今週の雪渓上端付近
昨年より2週間遅い雪解け

右側は昨年同時期より2週間早い上端部分の画像。ほぼ今週と同じ状態であることがわかります。したがって、今週の上端付近は昨年よりも2週間遅い雪解けであることがわかります。

 

先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) C
今週の雪渓上端付近
この一週間の雪解けは高さ1メートル以上

さらに上部の上端部分の画像。この一週間の雪解けは高さ1メートル以上に及んでいます。おそらくこの時期としてはかなりの雪解けと考えられます。

 

先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー 
Vol.20(2012/09/22〜23) C
今週の雪渓上端付近
先週の雪渓上端付近
ノリクラ 雪渓カレンダー 
Vol.20(2012/09/22〜23) C
今週の雪渓上端付近

雪渓上端部分は先週と比べて5メートルほど下がっています。積雪量がほとんどありませんので、今後は雪解けが多くなくとも、雪解け面積が急激に増える可能性があります。

 

下端部分まで53メートル、例年並み

雪渓上部左側下端までの距離は53メートル。2011年は35メートル、2010年も60メートル、2009年は82メートル、2008年は100メートル、2007年は72メートルでした。これまでは例年よりも短い状態でしたが、今年と比べて長かったシーズンは3回、短かったシーズンは2回となり、このことから、例年並みと考えてもよいでしょう... Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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