ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2012/09/29〜30) F
【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】
★見頃を迎えました(ピークに近い) (例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
冷泉 − ピークに近い色付き |
中腹の冷泉小屋から摩利支天付近はダケカンバ、ウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。
こちらは冷泉周辺、先週はまだ色付き始めたばかりの状態でしたが、ご覧のようにピークに近い色付きとなり見頃を迎えました。
冷泉小屋周辺 − 青いダケカンバがあって見頃は続く |
色付いているものはかなりよい発色を見せるものの、ご覧のようにまだ青い状態のダケカンバも残っていて、見頃の時期はしばらく続きそうです。
取材一日目(9月29日)の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) | |
取材二日目(9月30日)の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) |
こちらは冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。上段は取材一日目の9月29日(土)、下段は取材二日目の9月30日(日)です。上部エリアと同様に、中腹エリアでも紅葉が本格的に始まりだすと、色付きが一気に進む様子がわかります。特に左側の画像は顕著です。
上部から中腹まで広範囲で見頃 |
そのため、大雪渓・位ヶ原の上部エリアから冷泉小屋・摩利支天の中腹エリアまで、広範囲にわたって紅葉を楽しむことができるようになって来ました。
葉の状態がよいものが多く、しばらく楽しめそう |
上部エリアはその時期の天候状況などによって、色付き・色合いが大きく左右されます。しかし、こちらの中腹エリアはあまり影響を受けず、毎年よい色合いを見せることが多い状況ですが、今年は例年にも増して綺麗な発色を見せています。
また、右下のミネカエデのように、これから色付くものもありますから、まだしばらくは紅葉を楽しむことができると思います。
昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2011/09/29〜10/01) F |
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2009年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2009/09/26〜27) G |
上段は昨年同時期のもの。ピークを過ぎて枯れ始めているものが見られます。おそらく次週末にはピークを過ぎて枯れ始めたものも見られるのではないかと思います。ただ、先ほど申し上げたようにまだこれから色付くものもありますから、それほど心配はないと考えられます。
下段は2009年のピークを迎えたときの様子。今週の状態よりも一段と色付きが濃い様子が見られます。そのため、今年はもしかすると、あと1〜2日後が本当のピークとなるかもしれません。
摩利支天上 29号カーブ先直線 − まだ青い |
こちらは摩利支天上の29号カーブ先の直線箇所。取材時点の紅葉前線はどうやらこの付近まで、ご覧のようにダケカンバはまだ青い状態です。
まだ、ダケカンバの落葉も少なく、これからが楽しみな状況です。
【次週末(10月三連休)の予測】
冷泉小屋・28号カーブ付近は週半ば(10月頭)にピークを迎えると思います。次週末の10月三連休は、若干落葉が見られると思いますが、まだ見頃が続くと考えられます。
また、摩利支天付近のダケカンバはこれから紅葉を迎え、9月30日に上陸した台風の影響が、葉にどの程度影響を与えたかにもよりますが、次週末(10月三連休)頃には、見頃を迎えることと思います。
【紅葉情報
− 摩利支天〜三本滝(標高2000〜1800m付近)】
★見頃を迎えました(7分の色づき)
(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
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昨年の摩利支天付近 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2011/09/29〜10/01) F |
今週の摩利支天付近 今年は紅葉が遅れている |
標高約2000メートルの摩利支天付近。昨年の画像と比べると色付きが遅れていることがわかります。
綺麗に色づく箇所も増えてきた |
それでも、綺麗に見られるところもあり、ピークまであと少しといったところです。
三本滝ゲート上 | 三本滝上部 |
標高1900メートル前後の かもしかゲレンデと三本滝上部。こちらでも色付き始めた様子がはっきりと確認できます。
かもしかゲレンデ |
かもしかゲレンデから乗鞍高原・休暇村方面にはカラマツ林が広がります。少し黄色味を帯びてきた感じもありますが、カラマツの紅葉の見頃は10月末で、カラマツの紅葉が始まると今シーズンの紅葉シーズンも終盤を迎えます。10月末までの1ヶ月間は、ノリクラのどこかで紅葉の見頃が続いて行くことと思います。
【昨年の今ごろは?】
9月29日(木)は、朝から快晴の空に包まれます。気温は2℃と冷え込んだ朝です。しかし、力強い日差しに恵まれ、日中は寒さどころか、そよ吹く風に「涼しい」と思うほどの状況で、高い空とさわやかな風には秋らしさが感じられても、太陽の力強さだけは夏と変わらない様子で、散策には少し暑いと感じる状況でした。それでも、雲ひとつない快晴が終日続き、またとない一日であったことには間違いありません。
9月30日(金)は、夜半から降り始めた雨が、早朝からまとまった降り方となって朝を迎えます。6時の気温は12℃と昨日よりも10℃も高い状況で、上空は足早に雲が流れる不安定な天候を見せています。終日に渡って、降ったり止んだりを繰り返し、上部エリアは強風と濃霧に包まれ、大雪渓付近では視界が30メートルにも満たない状況。この天候から、乗鞍スカイラインでは自転車の通行が見合わせられ、風速も通行規制値である20メートルを一時的に超えることもありました。この天候ですから、紅葉散策に訪れる方は皆無の状態。しかし、この雨に濡れて、中腹エリアの冷泉小屋から摩利支天付近の紅葉は、昨日よりもさらに色合いが増して、そんな状況が誰の目にも触れることのない様子は、いささかもったいないようにも感じたものです。
10月1日(土)は、再び青空が戻ってきました。早朝の気温は8℃で寒さはありませんでした。しかし、9時ごろから空気に冷たさを感じるようになり、ウインドブレーカーを着てヒルクライムしても、一向に汗をかかない状態。また、一晩で紅葉はさらに進み、冷泉小屋から摩利支天までの中腹エリアはピークを迎え、位ヶ原のダケカンバの黄色がはっきりとしてきました。
紅葉は前述のとおり、大雪渓・位ヶ原の上部エリアのウラジロナナカマドは、ほぼ終了してしまいましたが、ダケカンバの黄色がはっきりしてきました。また、冷泉小屋から摩利支天までの中腹エリアはピークの色合いに。さらに乗鞍高原の山麓エリアも少しずつ色づき始めました。
<編集後記>
「例年の初雪・初冠雪は...」
2009年の初冠雪 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2009/10/17〜18) @ |
「初雪は大体いつ位ですか?」と、お聞きになる方が多くなってくる季節になってきました。10月ともなると冷え込みもグーッと増してきて、晩秋の雰囲気が一気に高まり、10月後半ともなると、凍結通行止めとなることも多くなってきます。
【過去の初雪・初冠雪(乗鞍)】 |
初雪 | 初冠雪 | |
2011年 | 10月7日 | 10月7日 |
2010年 | 10月27日 | 11月1日 |
2009年 | 10月8日 | 10月17日 |
2008年 | 9月28日 | 9月29日 |
2007年 | 10月19日 | 10月20日 |
2006年 | 10月7日 | 10月9日 |
過去6年間を見ると、10月7日付近に初雪が観測されたシーズンは3回もあり、初冠雪は2回もあります。ちょうど次週末は10月6日(土)〜10月8日(月・祝)ですから、そのあたりに今年の初雪が見られてもおかしくはないということになります。
また、昨年の乗鞍スカイラインの凍結通行止め状況を見ると、9月は1回しかなかったものの、10月に入ると9回も通行止めが実施され、そのうち終日通行止めとなる日が2日あり、一気に冬へと季節が進んで行きました。
さて、ノリクラのグリーンシーズンも残すところあと1ヶ月足らずとなりました。9月30日の晩に台風17号が上陸しましたが、9月中は日本列島に台風が近寄る気配もなく、気温の高い日ばかりでした。そして、10月の声を聞いたと同時に台風が日本列島に接近・上陸する状況となり、秋らしくない気候が続いた9月の反動が、10月に一気に降りかかってくるような雰囲気さえ感じます。さて、今年の初雪・初冠雪はいつ頃訪れるでしょうか...
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