ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.22(2012/10/06〜07) D

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(Update:2012/10/11)

 

【10月7日(日)は初雪・初冠雪】

早朝6時、観光センター前駐車場 初雪・初冠雪 − 昨年も10月7日でした

取材二日目の10月7日(日)。早朝6時の観光センター前駐車場の様子です。夜明け直前まで曇り空でしたが、その雲間にノリクラの峰々が見え隠れするようになって来ました。

昨晩は21時ごろから雨が降り始め、日付が変わる頃までには雨は収まりました。6時現在の乗鞍高原の気温は4℃と、この時期らしい冷え込みを見せました。そして、早朝から山頂方面に三脚を並べるカメラマンが集まっています。

夜間に降った雨は、山頂付近では雪だったようで、ご覧のとおり、初雪・初冠雪を観測しました。前回の ノリクラ雪渓カレンダーVol.21(2012/09/29〜30)<編集後記「例年の初雪・初冠雪は...」>  でお伝えしておりますが、昨年も初雪・初冠雪は10月7日でした。

また、この10月7日前後に初雪を観測するケースは過去に多々あり、10月7日の初雪は2011年と2006年に、10月8日の初雪は2009年に観測されています。

もし、今後も同じような傾向が続けば、10月7日は、ノリクラにとって初雪の特異日になるかもしれませんね。

 

シャトルバスは通常運行 − 長い列は機能異常

初雪・初冠雪が観測されましたが、長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)、岐阜県側の乗鞍スカイライン共に、積雪や路面凍結など通行に支障となる状況ではなく、シャトルバスは両県共に通常通りのAダイヤでの運行が行われました。

こちらは観光センター前で7時のシャトルバス始発便を待つ行列。定刻まで1時間も前で、乗車券発売所の窓口すらオープンしてないにもかかわらず、ご覧の状態で列は二重になってしまうほどの状態です。

今日は三連休中日とあって、昨日以上の混雑となりそうです。

 

2003年の運行開始以来、最も混雑

観光センターの乗車券発売所からテントのあるシャトルバス乗り場まで約50メートルほどありますが、列の最後尾はそれを越えてさらに伸びて行きます。

乗鞍岳シャトルバスは、2003年のマイカー規制開始を契機に運行が始まりましたが、これほどの長蛇の列ができたことは過去に経験したことはありません。

この三連休は天候に心配がないことが週間予報で発表され、また、例年ならすでに終わってしまう上部エリアの紅葉がピークを迎え、さらに例年以上の色付きという好条件が重なったことが要因と考えられます。

 

タクシーはすべて出払う − 三連休はご予約をオススメします

こちらはタクシー乗り場。ご覧のとおり、空車は1台もなくすべて出払っています。また、1ページ目の【10月6日(土)、観光センター前】のコーナーでも申し上げたように、この時期は予約が入っている車両も多く、いつものように「飛び込み」でタクシーに乗車することは難しい状況です。

 

そして、定刻10分前にシャトルバスが入場します。

定刻を過ぎてもまだ乗り切れない

いつもなら列のできないところに長い列ができてしまうなど、通常とは異なる混雑状況となっています。もちろん、乗車にもかなりの長時間がかかり、すでに定刻がきていますが、まだ、半数以上の方が乗車できない状況が続きます。

 

観光センター前駐車場は6時30分で満車
かつてない異例の状況

昨日は7時過ぎに掲示された観光センター前駐車場の満車の看板。今日は6時30分には掲示され、車道をはさんだ反対側の未舗装の駐車場も同様に満車となりました。

この満車状況も過去には例のないことで、今日の混雑がこれからどこまで増大するか心配されるところです。

 

やむなく次の便へのアナウンス

結局、用意した車両8台をすべて配車しても列はどんどん伸びるばかり...やむを得ず、1時間後の次便への乗車のアナウンスを開始します。

 

今日は予想以上の混雑が続く

画像奥に写るバスは始発便の最終車両(8台目)で、定刻をかなりすぎて出発するところです。そして、始発便に乗車できなかった方はご覧の通り、100名以上にも及ぶ長い列となっています。

予想以上の混雑で、このあとの便も運行ダイヤに乱れが生じ、9時便以降は何時の便なのかわからないほどになってしまいました。

 

急峻狭小な山岳路線 13時下り便 −9台連行

いわゆるシャトルバスは、目的地までをピストン運行して連続運行するものというイメージがありますが、ノリクラのシャトルバスの場合、ご覧のような急峻狭小な山岳路線で運行のため、大型車両がすれ違うための対向可能場所は限られています。そのため、増発された車両も先頭と一緒になって走行し、上り便・下り便の対向箇所を無線などで確認しながら運行されています。

 

位ヶ原山荘前 下り便も列が絶えない

午前中の上り便が混雑すれば、午後の下り便も混雑が発生することは容易に想像されます。上り便は観光センター前からの乗車が大多数ですが、紅葉シーズンの下り便は、始点の畳平からの乗車だけでなく、途中の各バス停からの乗車人数も考慮に入れなければならないところが、運行を複雑にしています。

 

昨日以上の色付き − 上部エリアの紅葉は三連休まで

昨晩の冷え込みで昨日以上に綺麗に色付く状況が見られ、先週から一週間も続いた上部エリアの大雪渓・位ヶ原の紅葉は、おそらくこの三連休で最後になるかと思います。

 

紅葉と新雪とヒルクライム − ノリクラならでは楽しみ方

日が高くなるにつれて早朝の冷え込みは緩み、昨晩降雪に見舞われた割にはさほどの寒さはなく、紅葉と新雪を楽しみながらのヒルクライムは、おそらく、ノリクラ以外では味わうことのできないことと考えられます。

 

三段紅葉

山麓の乗鞍高原では早朝に一瞬だけ確認できた山頂付近の初冠雪も、その後は雲がかかり、雲海の下に飲み込まれています。そのためごらんのような綺麗な青空での初冠雪は森林限界を超えた位ヶ原まで到達しないと見ることができませんでした。

 

タクシーで 綺麗に晴れ上がった瞬間に

ただ、この青空も10分程度前から広がり始めたところで、そのタイミングにあわせるかのようにタクシーでやってこられた観光客の方にとっては、これ以上ないノリクラの思い出になったことと思います。

 

登山道も例年以上の賑わいに

そして、登山道を歩く方々の姿も例年以上に多く、「山ガールブーム」にも象徴されるように、かつての中高年登山というイメージはなく、ご覧のような見事な錦絵に負けないほどカラフルなウエアに身を包んで歩く様子はスタイリッシュで新鮮ささえ感じるものです。

 

【今シーズン最後の肩の小屋、山頂付近の新雪】

肩の小屋 − 今シーズンの営業は10月8日(月)まで

こちらは標高2780メートルの肩の小屋。今日もたくさんの肩がお越しになっています。肩の小屋の今シーズンの営業はこの三連休まで(10月8日(月)まで)です。

 

例年以上に登山客が多い

肩の小屋周辺から山頂にかけては高山帯となり、ハイマツ以外の木々はほとんどない状態で、紅葉する木々もありません。そのため、紅葉シーズンが始まると紅葉散策に出向く人が多くなって、剣ヶ峰への登山客が少なくなる傾向が例年見られますが、今年はお盆並みに山頂登山に向かう方が多く、館内もお昼休みを取られる方でかなりの賑わいを見せています。

 

ですから、軽食コーナーも、調理に洗い物など大忙し...

 

渇水時期には飲料水の確保が大変!

たくさんのお客様がお越しになれば、水の使用量もそれなりに多くなります。ただ、ここで問題なのは、この時期になると水源地の水位が低下してくるため、飲料水の確保が難しいところ。夏場に使用している水源地が使用できず、今日もトラックで山麓から何度も運ぶ作業が続きました。

水・ガス・電気をすべて自前で整える必要のある山小屋では、このような苦労が付きまといます。

 

山頂目指す

さて、肩の小屋を後にして、登山道を山頂方面へと登ります。

 

登山道は数珠つなぎ状態

途中まで道幅の広いと登山道も稜線直下の九十九折れに差し掛かると、すれ違うことの困難なほど狭く、登山道にも渋滞が発生しています。

 

蚕玉岳山頂

そして、蚕玉岳山頂に差し掛かると...

稜線 − 午後になっても新雪が残る

稜線付近には、お昼になってもご覧のような積雪の残る状況が見られました。翌日の10月8日(月)はよく晴れた朝を迎え、畳平ではマイナス5℃まで低下し、乗鞍スカイラインは9時まで凍結で閉鎖されました。

暖かかった9月の反動が10月に訪れる予感が的中する様相が感じられます。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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