ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.24(2012/10/20〜21) @

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(Update:2012/10/25)

 

10月も後半に差し掛かると、冬がすぐ足元にまで迫る状況となります。そんな冬への入口をくぐってしまう前に、晩秋最後のきれいな青空を味わうには最高な二日間となりました。

取材一日目の10月20日(土)は、冷え込みの厳しい快晴の朝を迎えます。観光センター前駐車場ではひどく霜が降り、車のフロントガラスをかきとる様子が見られるほど。このため、乗鞍スカイラインは凍結通行止めとなり、シャトルバスは始発便から大雪渓・肩の小屋口バス停での折り返し運行となりました。それでも、きれいな青空に誘われるようにマイカーが続々と観光センターにお越しになり、始発便は2台運行される状況となりました。日が高くなってもきれいな青空はいつまでも続き、紅葉が見頃を迎えた乗鞍高原一帯の中でも最も人気の高いスポットは、一の瀬園地の大カエデ。朝一番からたくさんのカメラマンが大カエデを取り囲む様子があり、終日にわたって高い青空を楽しむことができました。

取材二日目の10月21日(日)も、6時の気温は2℃と昨日とまったく変わらず冷え込んだ朝を迎え、きれいな快晴の空が広がります。昨日は霜が降りましたが、今日や夜露にとどまり、乗鞍スカイラインも通常通りの通行が可能で、シャトルバスは両県ともにAダイヤでの運行が行われました。今日も乗鞍高原一帯は紅葉散策に出向く人がたくさんお越しになり、その中でも一の瀬園地の大カエデは昨日以上に多くのカメラマンに取り囲まれていました。今日も雲ひとつない快晴がいつまでも続き、上部エリアは強風に見舞われていた時間帯もあったものの、午後からは穏やかな状況となり、超快晴の一日を十二分に楽しませてくれた一日となりました。

今回も 紅葉情報(4ページ目〜)をお伝えします。上部・中腹エリアの紅葉は完全に終了し、見頃は標高1800メートル付近のかもしかゲレンデより山麓側です。標高1500メートルの乗鞍高原が一番よいエリアですがピークの色合いには達していない部分もあり、やや色付きが遅れているように見られます。一の瀬園地の大カエデは昨年よりも1週間遅れで、ほぼピークの色合いを今週迎えました。


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【10月20日(土)、観光センター前駐車場】       【大雪渓までの沿道の風景 T】
Page-2 : 【大雪渓までの沿道の風景 U】
Page-3 : 【雪渓下部】       【雪渓上部】
Page-4 : 【紅葉情報 − 位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】       【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】
Page-5 : 【紅葉情報− 摩利支天〜三本滝(標高2000〜1800m付近)】        【紅葉情報− 乗鞍高原、一の瀬園地(標高1500m付近) T】
Page-6 : 【紅葉情報− 乗鞍高原、一の瀬園地(標高1500m付近) U】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記「今年の紅葉状況のまとめ...」>
 
●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)      ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版)
(シャトルバス) − 2012シーズン版 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(紅葉の概要) − 乗鞍紅葉情報(紅葉の歩き方)
(紅葉ビューポイント・地図) − ノリクラガイドマップ 紅葉 上部エリア版(大雪渓〜摩利支天)   ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版(三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア)

 

【10月20日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは早朝6時の観光センター前駐車場。

 

気温2℃、冷え込んだ朝 霜に一面覆われる

気温は2℃。今日も冷え込んだ朝を迎えます。観光センター前駐車場にお越しのマイカーは30台で、通常の週末としてはやや少なめの状況です。そして、周辺は霜に覆われていて、今朝の冷え込みを物語っています。

 

朝日が差し始める 雲ひとつない快晴

今朝の日の出時刻は5時59分。観光センター前駐車場に朝日が昇り始めたのは、その30分も経過してからのこと。雲ひとつない晴天の空を明るく照らし始めました。

 

こちらはシャトルバス乗車券発売所。

 

乗鞍スカイライン凍結通行止め − シャトルバスは大雪渓・肩の小屋口折り返し運行

そのカウンターに掲示されたホワイトボードには、「今朝の畳平は晴、気温マイナス5℃、風速5メートル」と表示され、バスの運行状況は「肩の小屋口折り返し」とされています。この冷え込みにより、岐阜県側の乗鞍スカイラインが凍結通行止めのため、平湯温泉・ほおのき駐車場から出発する岐阜県側のシャトルバスは運休です。

長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)は、通常通り通行できるため、観光センターから出発する長野県側のシャトルバスは運行可能ですが、乗鞍スカイライン通行止めのため畳平が閉鎖されているため、一つ手前の大雪渓・肩の小屋口バス停での折り返し運行とせざるを得ないわけです。

 

こちらはタクシー乗り場。

 

中腹まで一気に紅葉が終わる − 「ちょっと気候がおかしいと感じます。」

今朝はこちらの運転手さんだけ...乗鞍は10月7日に初雪・初冠雪を迎えましたが、「やっぱり、(北海道の)大雪山から順番に初雪を迎えないとねぇ...ほら、今年は先に富士山に降っちゃったでしょ。ちょっと気候がおかしいと感じますよ。きれいな紅葉になりましたが、あっという間に中腹まで終わっちゃったし...」

上部エリアは若干長く楽しめたものの、その後、中腹まで一気に落葉してしまいました。ノリクラで長年運転手さんをされているだけあって、いろいろな視点でノリクラの現象を関連付けて検証しようとする点は、「なるほど...」と考えさせられるものがあります。

 

いつもの面々がそろい始める ノリクラシーズンも残すところあと10日...

一台だけしかお越しになっていない状況も、いつものように、そして、いつもの面々がそろい始めました。ノリクラシーズンも終盤となり、皆さんとお会いできる時間も少しずつ短くなってきたことがちょっと寂しいところです。

 

シャトルバス専用乗り場

シャトルバス専用乗り場も始発便の定刻時刻が近づくにつれてあわただしくなってきます。6時の時点では30台しかマイカーがお越しになっていませんでしたが、その後、次々と到着される方が多くなり、結構な賑わいとなってきました。

 

シャトルバス始発便の到着 乗鞍スカイライン通行止めのときは畳平も営業してません!

そして、シャトルバス始発便が到着して、バスへの乗車が始まります。

「バスが畳平に行けないってことは、畳平まで歩いていかなきゃならないってことね。」 「どれくらいかかるかしら...」 「でも、畳平に到着したら売店に入って休めばいいから大丈夫よ!」と、そんな会話を交わしながら、始発便を待つ乗客の方がいらっしゃいました。

確かに通常時であればなんら問題ありませんが、畳平の売店などスタッフも乗鞍スカイラインでやってきます。つまり、乗鞍スカイラインが閉鎖されていると、売店などの施設も休業というわけです。

「じゃ〜、自販機ぐらいならあるかしら...」

確かに、売店の施設の中には自販機はあります。しかし、売店が休業しているため、自販機も使用できません。また、標高2700メートルの高山帯という気象条件で人の監視下にない屋外での自販機では、機器の耐久度や販売した商品の空き缶の処理などの問題があり、設置は困難であると考えられます。

 

大雪渓・肩の小屋口折り返し時は、登山と同じ装備が必要

「大雪渓・肩の小屋口バス停折り返し運行」ということは、途中のバス停のように何もない所に下車したことと同じことであるという認識が必要で、3000メートル級の高山と同じ気象条件に対応する装備などがないと、大雪渓・肩の小屋口バス停下車したとしても、折り返し運行される下り便ですぐに下山するようにしてください。

特にこの時期は、冬山に近い気象条件となることも十分考えられます。

 

乗鞍スカイラインは10時15分から通行可能に
シャトルバスも畳平への通常運行に切り替わる

今日のシャトルバス始発便は2台が運行され、大雪渓・肩の小屋口へと向かって行きました。その後、気温上昇と共に乗鞍スカイラインの凍結も解消され、10時15分に通行可能となり、シャトルバスも通常通り畳平までの運行となりました。

 

観光センター周辺も紅葉に囲まれる

シャトルバス始発便が出発した7時を過ぎるようになると、日差しの暖かさを幾分感じ始めるようになり、きれいに色づき始めた観光センター周辺の紅葉も光り始めてきます。

 

雲ひとつに快晴の空 自転車でやってくる

雲ひとつに快晴の空。いくら日差しの暖かさがあっても空気にはまだ冷たさが残っています。そんな中、自転車のお二人が観光センターに立ち寄ります。

 

トンネル続きの国道を避け、薮原(木曽)から峠越え 県道乗鞍岳線をさらに登る

お話をお聞きすると、今日は木曽の薮原から境峠を越して乗鞍高原にやってきたとのこと。「それまでは松本から国道158号でやってきましたが、薮原からだと、国道が少し回避できるので安全にやってくることができました。」とのこと...確かに国道158号線は自転車の方にとって、路面状況などかなり辛い状況だと思います。

今日は日差しがあって、おそらく、これから暖かくなって行くことと思います。しかし、登りは暖かくても、下りはかなりの寒さが待ち構えているのがこの時期のヒルクライム。上下のウインドブレーカーによる防風・防寒対策は必須で、忘れがちなのがグローブ。登りは指切り(指の先端がない夏向きのグローブ)で良くても、下りは厚手の冬用のグローブが必要です。

夏のノリクラしか体験していないヒルクライマーの方は、ぜひともご注意ください...(極寒です)

 

観光センター内食堂

こちらは観光センター内の喫茶・軽食の食堂。そこからは真正面にノリクラを展望でき、店主が高い空を感慨深げに眺めています。

 

「こんなに紅葉の綺麗な年ははなかったですね〜」 食堂・売店の影響は10月末まで

「いや、今シーズンもいよいよ終りになってきましたねぇ〜。この食堂も10月末で営業終了となります。今年の紅葉はホントにすばらしかった!私がノリクラにやってきて以来、こんなきれいな紅葉にめぐり合えたのは初めてのことですよ。」

グリーンシーズンが終了するとしばしのお別れとなりますが、次回お会いできるのはおそらくゲレンデ内の食堂かと思います。ですから、ウインターシーズンが始まれば、また、毎週のようにお会いできるようになりますね!

 

【大雪渓までの沿道の風景 T】

鈴蘭バス停前(カエデの紅葉) 善五郎の滝 駐車場

それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。

 

鈴蘭バス停のカエデ
ピークの色合い − 大カエデより綺麗

こちらは鈴蘭バス停のカエデ。ほぼピークの色合いを見せています。一の瀬園地の大カエデばかりに目が向いてしまいますが、こんな身近なところに見事なカエデがありますので、ぜひともご覧ください。

 

善五郎の滝 駐車場 クマの出没に注意

さらに進んでこちらは善五郎の滝にむかう遊歩道の駐車場。朝早くから多くの車がお越しになっています。善五郎の滝 遊歩道の紅葉はピーク目前の状態で、時間帯によっては駐車できない状況も見られるほどでした。

そして、クマの出没に注意する掲示が今週も見られます。前回のノリクラ雪渓カレンダーでも申し上げましたが、10月15日(月)に一の瀬園地でクマに襲われ重傷を負った事案が発生しております。突然の出没でおそわれるケースがありますので、人が多く立ち寄るような遊歩道でも、人間の存在を知らせるためのクマ鈴の携行は必須です。

 

乗鞍高原の紅葉 − 見所スポットが多い

乗鞍高原の紅葉が見頃を迎えると、見所スポットの多いこのエリアの散策だけで一日が終わってしまうほど...

 

ミズナラの紅葉 赤いものも見られる

通常、黄色が主体のミズナラの紅葉。でも、ご覧のように橙色から赤色に近い状態のミズナラの葉を見つけることができました。

 

ウリハダカエデ

そして、こちらはウリハダカエデ。この木の樹皮がマクワウリに似ているところから命名されています。残念ながら、この画像では樹皮の部分を撮影することができませんでした。特徴的は葉の形だけでも、すぐに判別できるカエデですね。

 

鈴蘭橋 山頂に雪が積もれば三段紅葉

さらに足を伸ばしてこちらは鈴蘭橋。今日もたくさんの方が入れ替わり立ち代り、橋の上で三脚を並べていました。これで山頂付近に新雪が降れば、三段紅葉となります。10月7日(日)の初雪・初冠雪の時は、山麓はすぐに曇ってしまい、また、乗鞍高原一帯は紅葉が始まっていなかったため、三段紅葉とはなりませんでした。

 

今日も自転車で紅葉の撮影に

今シーズンは何回ノリクラにお越しになったことでしょうか?いつも背中にカメラを背負って写真を撮りながらのヒルクライムを続けていらっしゃいました。「多分、天気さえ良ければ、来週も来る予定です...」

冬も自転車を続けていらっしゃるとのことで、純粋にヒルクライム・自転車を楽しむ様子は、長く続けて行く秘訣かもしれません。

 

カラマツも紅葉の準備が始まる

休暇村から先に続くカラマツ林。少しずつ黄色っぽくなってきて、ノリクラの紅葉を締めくくる準備が着々と進んでいるようです。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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