ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

番外編<真冬のノリクラサミット>
(2012/12/22〜23) D

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(Update:2012/12/26)

  

【富士見沢 − パウダー目指して】

屋根板下部 表面のパックもほとんど感じられない

位ヶ原山荘周辺ではややパックされた雪質でしたが、屋根板下部あたりから表面のパックもほとんど感じられなくなってきました。

 

屋根板 − 青と白だけの世界

屋根板に到達するとそこにはオープンバーンが広がります。完全に青と白のコントラストの冴え渡る世界。この景色にめぐり合えただけでも最高といえるでしょう。

 

風がなければ汗ばむほど、風が吹き抜けると急激な冷たさ

さらに進むと、バーンは風の影響を受けて表面がやや締まった感触へとなってきました。日差しはかなり強く、風がなければ汗ばむほどの陽気ですが、時折吹き抜ける冷たい空気がそんな穏やかさを一気に冷却させるほどで、天候・気流をダイレクトに感じるところはやはり空に近い世界だからでしょうか?

 

霧氷の輝きと銀幕のグラデーション −足を踏み入れるのも躊躇われる

おそらく、これほど太陽の存在をはっきりと感じられるシーンはないでしょう。ダケカンバの枝先は昨晩の冷え込みで霧氷が張り付き、そんな霧氷が逆光に光り始めると同時に、ダケカンバの一本一本の陰影を細かく捉えた銀幕が広がる光景は、足を踏み入れることさえためらわせるほどの美しさです。

 

風景を楽しみながら登ることが本当は重要

そんな周囲の風景を楽しみながら登ることが本当は重要なことと思います。目的地(ピーク)を我先にと目指すだけでは、山登りがつまらないものと感じる日がいつか来るかもしれません。

 

大岩に登って、いつもと違う風景を...

ちょっと角度を変えて、大岩に登るといつもの風景とはちょっとだけ違って見えるもの...

 

多少の遊び心もないと...

「いや〜、単に登るだけでは面白くありませんからね〜。多少の遊び心もないと...」 強さがあって優しさもある...これを兼ね備えることはなかなか難しいところです。

 

コロナ観測所・肩の小屋分岐点 想像もできないほどの暴風 − 旋風が雪煙を巻き上げる

稜線上に到達した瞬間、想像もできないほどの暴風が吹き荒れています。周辺には激しく幾つもの旋風が雪煙を巻き上げ、立っていることもままならないほどです。

気温はマイナス10℃。力強い太陽が燦々と差し込んでいるものの、その暖かさよりも冷たい強風の勢力が圧倒的に強く、指先や鼻先には痛みが走り、口も思うように回らない状態です。

そして、稜線の北側は完全にアイスバーン。シールやツボ足では全く歯が立ちません。(アイゼン携行が必須です。)

 

あっという間に雲が流れ込む − 天候はダイレクトに変化

先ほどまでは雲ひとつない快晴だったにもかかわらず、あっという間に雲が流れ込みます。上空と直接つながっている高山では、天候がダイレクトに変化します。

 

富士見沢 大滑走を楽しむ

それでも、まだ、時折日差しが戻ってくる瞬間もあって、富士見沢での大滑走を楽しむ猶予は残されています。

 

この醍醐味があるから、やめられない!

一気にスピード感を楽しんだり、ターンのたびに大きな雪煙を撒き散らしたり、自由にラインを刻んで行きます。

 

今回のノリクラサミットも無事終了

滑り降りて全員が揃う頃には、富士見沢の稜線部分がもう霞んで見えなくなってきました。的確な判断と決断で今シーズンも冬のノリクラを楽しんで行きたいと思うところです。

 

<編集後記>

今回も常連のメンバーの方がノリクラサミットにお集まり下さり、本当にありがとうございました。

掲載記事の中でも申し上げたとおり、何か特別なフォーラムや企画が行われるわけではなく、単に集まって語り合うだけで、イベント性は全くありません。フィールドで顔見知りだけの常連の一人ひとりが、サミットを通して少しばかりの絆を形成することで、ネットワークが広がって行けたらと思っている次第です。今後もできる限り開催したいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

さて、話が変わりますが、2012年12月9日(日)に乗鞍自動車利用適正化協議会が主催する「乗鞍フォーラム〜ともに考える乗鞍の明日〜」が高山市で開催されました。

平成15年(2003年)よりマイカー規制が実施され10年が経過し、環境面での改善の見られるものの、観光客の減少から地域振興に与える影響が大きく、乗鞍を活用した地域振興と自然環境の保全を考えるに当たり、今後の乗鞍の方向性を考える機会としたいという目的で、今回が2回目の開催です。

フォーラムでは現状報告のほか、2012年8〜9月に実施された乗鞍スカイラインEV(電気自動車)乗り入れ実験・研究事業に関する報告や、旅館組合関係者・高山市自環境審議委員などによるパネルディスカッションがありました。

しかし、EV乗り入れ実験・研究事業に関する報告では、参加人数やその構成及びEVを利用した方の感想を報告したにとどまり、この実験・研究が何を目的としていて、どういう結果を推察して研究自体を構成しているかという研究そのものの意義があまり明確でなかったように感じます。さらに次年度も継続実験されるようですが、今年度の結果を踏まえての来年の実験をどのように進めるのかといった着眼点も明確ではありませんでした。
また、パネルディスカッションでは、旅館組合関係者からの乗鞍スカイラインのマイカー規制解除を切望する雰囲気が強く感じられる側面がありました。仮にマイカー規制を解除して、一時的に観光客が増加してもそれが継続される保障はなく、現状のマイカー規制のもとで、観光誘致にもう少し知恵を働かせる努力を続けなければ、規制解除後に「ネタ切れ」がすぐに訪れることは、容易に想像できます。

世界遺産となっている白川郷でもマイカー規制の動きがあり、乗鞍でEV乗り入れ実験やマイカー規制解除を声高にアピールするのは、よほどの特別な理由がない限り、乗鞍のイメージダウンにつながるのではないかと懸念しております。

 

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