ノリクラ 雪渓カレンダー
 
プレリリース版 Vol.2(2013/03/30) B

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4

(Update:2013/04/05)

 

【ツアーコース U − 1〜6番標識付近】

入口急斜面を登りきった先のツアーコースは、比較的なだらかなルートが続きます。

 

バーン表面は歩きやすい緩み方を見せる

10時のツアーコースの気温は5℃。前のページの入口急斜面でもお伝えしたとおり、バーン表面は適度に緩んできました。これからの時期は早朝は冷え込んで硬くても、日差しの強いときはバーンは緩んできます。このあたりが、厳冬期とは異なるところでしょうか?

ただ、ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面を抜けて森林限界を超えた位ヶ原より上部は、しっかりと日差しが差し込んでいても、稜線付近などを中心に硬くしまった箇所が残っている場合があり、シールでの登行が困難な場合もありますから、アイゼン携行は必須です。

 

1番標識付近 高天ヶ原(左)、剣ヶ峰(右)

こちらは1番標識付近。ご覧のようにノリクラの峰々が真正面に聳え立つビューポイントに差し掛かります。左のピークが高天ヶ原(たかまがはら、標高2829メートル)で右のピークが乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(けんがみね、標高3026メートル)です。

 

高天ヶ原の尾根筋 − 雪解けが進む

高天ヶ原のピークから左に降りる尾根筋のハイマツ帯や岩肌がはっきりと確認できるようになってきました。先週の画像でも若干みられましたが、今週はさらに雪解けが進んで顕著になって来ました。

 

【参考】 昨年の高天ヶ原の尾根筋 − 今年よりも3週間遅い雪解け
2012ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2012/04/21) C

こちらは昨年の高天ヶ原の画像。今週と同じように尾根筋のハイマツ帯が出現し始めた状態の模様です。撮影は4月3週目ですから、今年の雪解けは昨年よりも3週間も早いことを示しています。ただ、昨年は3月末〜4月上旬にまとまった降雪があり、その影響が残っていたと推測されます。

今年は厳冬期の積雪量が多かったものの、3月中旬以降は急速に雪解けが進んでいて、今後、春スキーで最もにぎわう5〜6月の残雪状況が気になるところです。

 

足を止めて記念撮影

今日も1番標識のビューポイントでは、足を止めるスキーヤーの方々の姿があります。

 

地図とスマートフォンを確認 スマホ画面にはノリクラガイドマップが...

紙の地図と一緒に確認しているのはスマートフォンの画面。そのスマホの画面を指でスワイプ(スクロール)させている地図を覗き込んでみると、そこには ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 のツアーコースの地図が表示されていました。

 

絶景をバックに記念撮影

ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 の地図をパソコンでキャプチャーして、座標をあわせてスマホに送り込むんですよ。あとは、スマホのGPS機能と電子コンパスを組み合わせれば、キャプチャーした地図の上で現在地を表示してくれるし、軌跡を記録することもできます。ですから、専用GPSとほとんど同じように使えますよ。」

ノリクラガイドマップを印刷して持参される方は、これまでにもたくさんいらっしゃいましたが、このような使用方法で意外でした。今後もいろいろな活用方法を見出していただけたら幸いです。

 

「??」 − これは間違い探しのコーナー(笑)

新聞や雑誌で良く見られる間違い探しのイラストコーナーではありませんが、この画像を見た瞬間,、脳裏に「??」という記号が走った方は、ある意味「玄人」かもしれません...(笑)

 

娘さんのボードを背負って...

通常、ボードを背負ってツアーコースを登って行くボーダーの足元はスノーシューであることが一般的です。しかし、こちらの方はシールを装着したスキーです...

「いや〜、私はスキーヤーですが、コレ(背中のボード)は後ろの娘のものなんですよ〜。初めてのノリクラですからね...」
今日はご家族3名でお越しになったとのことです。「余分にボードを背負うことなんて大した負担ではありませんよ。こうやって、娘と一緒に行動できる場面なんて日常ではありませんからねぇ...」と、苦笑しながらも足取り軽く先を進みます。

でも、「父の後姿を追いながら...」なんて、ステキではありませんか!

 

昨年の3番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2012/03/31) B
先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) B

今週の3番標識
昨年・先週とほぼ同じ積雪量

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。今回は3枚ともほぼ同じ積雪量です。これまでは、昨年よりも積雪量の多い状態が続いていました。しかし、昨年は3月下旬からまとまった降雪があり、また、今年は3月中旬から急激な雪解けが進んでいて、今週になって昨年と今年の積雪量の差がなくなりました。

 

そよ風が吹きぬける − 火照ったカラダをクールダウン

時折、そよ風が吹き抜けます。火照ったカラダをクールダウンさせてくれるのに心地よい吹き抜け方です。

 

昨年の5番標識
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2012/03/31) B
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) B

今週の5番標識
先週より15センチ減少
昨年より20センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より15センチ減少して、昨年より20センチ多い状況です。

昨年は3月下旬から4月上旬にまとまった降雪があって、急激に積雪量が増加しました。しかし、今年は3月上旬に標識が40センチも埋まり、近年まれに見る積雪量を示したものの、その後は急速に積雪量が減少し、一時は昨年よりも2メートルも積雪量が多かった状況が、その差があまりなくなってきました。

 

昨年の6番標識手前の谷
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2012/03/31) B
今週の6番標識手前の谷

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左の昨年同時期よりもフラットになっていることがわかります。ただ、ウェーブが小さくなってきたことで勢い良く下山滑走することよよって、ウェーブに足をとられて転倒負傷することが懸念されます。過去には転倒負傷して救助要請した事案も発生していますので、細心の注意が必要です。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

 

【ツアーコース U − 位ヶ原急斜面】

ツアーコース − 位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなってきます。

 

昨年の位ヶ原急斜面
先週の位ヶ原急斜面
今週の位ヶ原急斜面
先週より20センチ減少、昨年より2メートル以上多い

位ヶ原急斜面の積雪は先週より20センチ減少して、昨年と比べて2メートル以上多い状況です。これまで増加の一途をたどってきましたが、今週になって減少に転じています。

 

日差しで緩まず、締まったコンディション

3番標識付近などツアーコース下部では、バーン表面は日差しで緩んだ状況が見られたものの、ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面では、硬くしまった状態が続いています。

 

背後に遠景の山並みが一望

ツアーコース内では、目の前に聳えるノリクラの峰々を仰ぎ見ながら登ってきました。しかし、位ヶ原急斜面では、背後に遠景の山並みが一望できる状態となります。

厳冬期と異なり、遠景は若干霞んでいて、遠くに南アルプスや中央アルプスが確認できるものの、やはり見慣れていないとすぐに見つけることができないかもしれません。(赤枠・青枠)

 

南アルプス(赤枠) 中央アルプス(青枠)

霞の中にうっすらと輪郭が見えるのが南アルプス(赤枠部分)で、その隣の青枠部分が中央アルプスです。

 

バーン表面が硬く、シールが滑る

ツアーコース下部と異なってバーン表面が硬いため、シールで登るスキーヤーの中には滑って足がとられる様子もありました。

 

そんなときはスキーを脱いでツボ足になるか、さらにはブーツにアイゼンを履いて登って行くことになります。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  Next>>