ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2013/06/01〜02) B
【6月2日(日)、ほおのき平駐車場】
ほおのき平駐車場 =岐阜県側 乗鞍スカイライン乗り換え駐車場= |
取材二日目の6月2日(日)。こちらは岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場のほおのき平駐車場。
気温12℃、曇り空の朝 | 猫岳方面を確認できる |
6時の気温は12℃。ご覧のような曇り空の朝を迎えます。それでも上空の雲はさほど厚くなく、乗鞍23峰の一つである猫岳方面もはっきりと確認することができます。この猫岳の中腹にはこれから向かう乗鞍スカイラインが横切っています。
ほおのき平バスターミナル正面 |
ほおのき平や乗鞍スカイラインがある東海地方は、5月28日(火)に梅雨入りしました。平年より11日も早い梅雨入りです。そのため、訪れる方もやや少なめ...シャトルバス始発便の30分前ですが、バスターミナルにはほとんど人影がありません。
畳平は気温2℃、天候曇 | 本日はAダイヤ |
今朝の畳平はほおのき平と同じく曇り、6時時点の気温は2℃でほおのき平とは10℃もの温度差があります。この温度差は特別珍しいことではありません。したがって、ほおのき平を出発する時点では寒さを感じなくても、防寒着を持参する必要があることは、この掲示を見て判断しなければいけません。
梅雨入りから数日は雨に見舞われたものの、この週末は雨マークがなくなりました。
乗鞍スカイラインは前日午後の段階での翌日の降水確率が40%以下の場合は晴天時(降雨時以外)のAダイヤで運行され、それより降水確率が高い場合は降雨時のBダイヤで運行されます。昨日午後の段階での今日の降水確率は40%。そのため、今日は晴天時のAダイヤでの運行です。
乗車位置に外来植物種子除去マット |
先週もお伝えしましたが、乗車位置に外来植物種子除去マットが設置されています。靴底に付着する種子を除去して、高山植物などの自然環境保全を目的としています。
そして、平湯温泉を出発した始発便が定刻どおり到着します。
畳平に向けて出発 |
ほおのき平からは10名の乗客が乗り込み、終点の畳平へと出発します。
【乗鞍スカイライン】
平湯峠 − この先マイカー規制 =シャトルバス乗車はほおのき平駐車場へ= |
ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。
平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。
これまでは平湯温泉のあかんだな駐車場も乗り換え駐車場としてしてされていましたが、シャトルバスが平湯温泉発着となり、あかんだな駐車場からシャトルバスに乗車することができません。乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場は、2012シーズン版乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 をご覧ください。(2013シーズン版は作成中です。)
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昨年の平湯峠付近 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ |
今週の平湯峠付近 残雪はなくなり、新緑が明るくなる |
標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進みます。先週見られた残雪はほとんどなくなり、その代わり、新緑が一段と美しくなってきました。昨年と比べても新緑の明るさが今年のほうが鮮やかに感じるほどです。
新緑の美しさだけでも十分楽しめる =静かなノリクラはこの時期が狙い目= |
1ページ目の観光センター前駐車場のコーナーでもお伝えしたとおり、緑の輝きは日に日にまぶしさが力強くなってきます。この新緑の時期は梅雨に入る頃のため、観光シーズンとしては閑散期ですが、この新緑の美しさだけでも十分にノリクラの楽しさが味わえるのではないかと思います。
静かなノリクラを楽しみたい方は、この時期が狙い目かもしれません。
昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B ↓ |
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 昨年より1週間以上遅い雪解け |
マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。昨年よりも1週間以上遅い雪解けで、例年と比べても1週間近く遅い状況となっています。
乗鞍スカイライン上の目印はキロポスト表示のみ (5キロポスト) |
乗鞍スカイライン上り線で唯一の下り坂−脚が休まるポイント (5キロポスト) |
長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)は、途中にシャトルバスの停留所がいくつかあり、また、主要なカーブには番号が付与されていて、各所をバス停やカーブ番号で指し示すことが可能です。さらには位ヶ原山荘・冷泉小屋などの山小屋などの山小屋や荒田沢・フリコ沢などの地名があり、それらも大きな目印になります。
しかし、乗鞍スカイラインはシャトルバスの停留所がなく、途中に山小屋などもないことから、場所を指し示すものがあまりありません。しかし、唯一場所を特定できるものは、平湯ゲートを基点としたキロポスト表示です。
左の画像は5kmポスト地点の様子。このように1kmおきに14km地点まで黄色のキロポスト標識があります。
さて、この5kmポスト。乗鞍スカイラインでヒルクライムをされたことのある方なら、ピンと来るかと思いますが、乗鞍スカイラインの中で唯一の下り坂です。平湯ゲートから3kmポストの夫婦松駐車場付近までの激坂を制覇して、脚を緩めることのできる唯一のポイントいえるでしょう。
今年は沿道の残雪が多い | 雪解けが遅くても芽吹きは始まる |
今年の乗鞍スカイラインは残雪が多く、平湯峠を越えてから間もなくするとご覧のように道路周辺はかなり多くの積雪があります。それでも、所々で新緑が芽生え始めて、雪解けが遅くても季節は次へと急いでいます。
昨年の猫の小屋跡地 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ ↓ |
先週の猫の小屋跡地 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B ↓ |
今週の猫の小屋跡地 昨年より1週間遅い雪解け |
さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。昨年と比べて1週間ほど遅い雪解け。積雪量はやや多く、例年と比べても1週間以上雪解けが遅い状況です。
森林限界を超えて |
乗鞍スカイラインは猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を抜けてロケーションが広がります。
躍動感あふれるダケカンバの枝振り | 芽吹き前のこの時期だからこそ楽しめる |
ロケーションが開けても、ご覧のようにダケカンバがまだ自生していますので、本当の森林限界はもう少し上部かと思います。それにしても、躍動感あふれるダケカンバの枝振りは見事なもの。今日は天候が芳しくないため、遠景の眺望は期待できませんが、このダケカンバは必見です。芽吹き前まで丸裸のダケカンバの枝振りは、人工的には作ることのでき造形で、自然の厳しさ・力強さを感じさせてくれます。
こんなグロテスクなダケカンバも、新緑が冴え渡るようになると、その枝振りに着目することもなくなってしまうものです。
乗鞍の峰々を縫うように進む |
遠景の山並みが見られない状態ではあるものの、乗鞍スカイライン沿線にある乗鞍岳を構成する峰々の様子を確認するには問題ない視界です。
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昨年の烏帽子岳 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ |
今週の烏帽子岳 昨年とほぼ同じ積雪量 |
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昨年の四ッ岳カーブ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ |
今週の四ッ岳カーブ 昨年よりやや多い積雪量 |
上段は森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。積雪量はほぼ同じで、例年よりやや多い状況です。
下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。こちらも昨年よりもやや多い状況で、例年と比べてもやや多い状況です。
森林限界以下の乗鞍スカイラインは昨年よりも積雪量が多い傾向が見られ、それより上部では少ない傾向となってきます。
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先週の四ッ岳カーブ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B |
今週の四ッ岳カーブ 一週間の雪解けはあまり目立たない |
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先週の四ッ岳カーブ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) B |
今週の四ッ岳カーブ 一週間の雪解けはあまり目立たない |
先週と同様に、1週間の雪解けはあまり目立ったところがありません。
大丹生岳 | 土俵ヶ原 − 平湯スキー場への登山道が続く |
四ッ岳カーブから大丹生岳の横を通過すると、右の画像の土俵ヶ原が広がる箇所があります。乗鞍スカイライン周辺には登山道がほとんどありませんが、ここから平湯スキー場へ降りる登山道が整備されています。また、右側に見える硫黄岳から十石峠へと登山道はつながっていますが、金山岩以降は廃道に近い状態で、ブッシュが生い茂ってルートがほとんどわからない状態です。
桔梗ヶ原 |
終点の畳平まで2km弱の地点。桔梗ヶ原からは比較的平坦な道程が続きます。広々とした光景は長野県側の位ヶ原に近いものがありますが、それとはまた違った趣があります。
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昨年の鶴ヶ池雪渓 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) @ |
今週の鶴ヶ池雪渓 −例年6月下旬まで滑走可能 例年よりやや少ない積雪量 |
畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。
積雪量は明らかに昨年より少ない状況が見られます。実際の滑走部分については、例年との大きな違いはありませんが、画像左のハイマツ帯の大きさは、ここ近年で積雪量が少なかった2011年と同等の状態まで大きく広がっていて、全体的に見ても例年よりもやや積雪量が少ない状況です。
畳平 |
鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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