ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.4(2013/06/01〜02) C

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(Update:2013/06/06)

 

【畳平に到着、畳平周辺】

畳平 − 気温5℃、天候曇

シャトルバスが到着した8時頃の畳平の気温は5℃。

 

夏になっても長袖が必要

ご覧のとおり、ほとんどの方が長袖です。6月に入って衣替えの時期ですが、ノリクラでは衣替えの時期が存在しないか、あったとしたら梅雨明けからお盆までがわずかな期間だけが真夏といえるでしょう。

 

鶴ヶ池雪渓へ

この便でお越しになった大半が岐阜県側滑走指定地の鶴ヶ池雪渓へと向かいました。畳平から歩いてすぐの場所ですから、スキー板などをザックに固定せずに、そのまま歩いて行かれる様子が見られました。

不動岳 −昨年より2週間早い雪解け 鶴ヶ池 −昨年より2週間早い雪解け

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は、畳平の東にある鶴ヶ池。不動岳・鶴ヶ池ともに昨年より2週間早い雪解けで、例年と比べても1〜2週間早い雪解けです。

 

お花畑 −昨年より1〜2週間早い

こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。二つの山肌の谷底がお花畑で、谷底部分にはすでに岩の頭が見えていて、昨年より2〜3週間早い雪解けを見せています。

 

2012年のお花畑
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
2011年のお花畑
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2011/06/04〜05) A
2010年のお花畑
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) A
2009年のお花畑
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) A

2012年から2009年までの同一時期のお花畑の状況を見ても、今年の雪解けの早さがわかるかと思います。例年と比べても、今週は1〜2週間早い雪解け状況です。

 

不消ヶ池 − 昨年より2〜3週間ほど早い雪解け

摩利支天岳の北斜面にある不消ヶ池(きえずがいけ)も、昨年より2〜3週間ほど早い雪解けです。

 

富士見岳 − 昨年より1週間ほど早い雪解け

富士見岳は昨年より2週間ほど早い雪解けで、例年と比べても1週間以上早い雪解けを見せています。

 

【肩の小屋へ】

肩の小屋・コロナ観測所 分岐点
昨年より2週間早い雪解け

畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。

先週とあまり変化がなく、昨年より2週間早い雪解けで、例年と比べても2週間ほど早い雪解けを見せています。

 

大雪渓−昨年より2〜3週間早い雪解け 位ヶ原−昨年より2週間早い雪解け

分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。分岐点付近から望む大雪渓・稜線方面(画像左)は昨年より2〜3週間早い雪解け、位ヶ原方面(画像右)は昨年より2週間早い雪解けです。

 

2012年の大雪渓
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) A
2011年の大雪渓
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2011/06/04〜05) A
2010年の大雪渓
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2010/06/05〜06) A
2009年の大雪渓
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2009/06/06〜07) A
=過去4年間で、今年は2011年とほぼ同じで、1週間早い雪解け=

過去4年間(2009〜2012年)の大雪渓方面の様子と比べると、2011年とほぼ同じで、各年より1週間早い雪解けです。

 

分岐点から肩の小屋方面− 雪に閉ざされアイゼン必要

分岐点から肩の小屋方面は、大半が雪に閉ざされています。急斜面をトラバースする必要がありますので、この先はアイゼンが必要です。ただし、今後、肩の小屋方面へは除雪が実施されるはずですから、そうなればアイゼンがなくても歩くことが可能です。ただし、除雪が進むと路面が夜間凍結する時がありますので、足元に注意しなければならないことは、今後も変わらないと考えられます。

 

先週の肩の小屋への専用道(フェンス)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) C
今週の肩の小屋への専用道(フェンス)

専用道にある落石防止のフェンスの場所は先週よりもかなり雪解けが進んでいます。昨年の画像と比較したいところですが、昨年は除雪が行われて完全に雪がなくなりましたので比較できません。

 

この先にもトラバース箇所蟻

トラバースする箇所はこのフェンスを越えてももう一箇所あります。この状況は先週までと変わりありません。

 

ちょっと一休み 「ノリクラから富士山って見えますか?」

朝一番で山頂方面から滑り降りて、次は摩利支天からの急斜面にトライします。その前にちょっと一休み...「これくらいの天気のほうが涼しくて過ごしやすい。先週は天気が良過ぎて、日焼けがひどくなってしまいましたよ〜」

 

雪渓下部へ続く急斜面 −落石多発地帯(立ち入り注意) 南アルプス方面
=国内1位の富士山は国内2位の北岳に阻まれる=

ここから大雪渓駐車場方面へは、フォールラインがストレートな急斜面が広がっています。スキーヤー・ボーダーの方々には楽しいバーンであると考えられます。ご覧のように雪解けとともに岩場が広がり始め、この付近からの落石は雪解けが落ち着く6月下旬頃まで毎年多発しています。

そのため、この付近への立ち入りは注意が必要で、不必要に岩場に進入することは避けなければなりません。

【ところで富士山ってノリクラから見えるんですか?...】

早朝は綺麗な青空が広がっていたものの、お昼近くになると完全に曇り空。それでも遠景の山並みははっきりと眺めることができます。先ほど休憩されているスキーヤーの方から、「ところで富士山って見えるんですか?」

残念ながら、ノリクラからはほとんど富士山は見えないといってもよい状態です。ただし、富士見岳からは何とか確認できますが、南アルプスの北岳の左側に隠れるように一部が見えるに過ぎません。皮肉なことに国内で一番高い山(富士山)が、2番目の山(北岳)に阻止された形です。

 

仙丈ヶ岳と北岳の間に少し白いものが見える  写真拡大(仙丈ヶ岳〜北岳) − 富士山が頭を見せている
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2007/06/23〜24) A

富士山は何とか見えると申し上げたものの、肉眼ではとても無理で、実際は写真判定の世界といってもよいでしょう。こちらが富士見岳からの撮影画像。左の画像は南アルプス方面の画像です。富士山などまったく確認できない状態ですが、同じ画像の仙丈ケ岳から北岳の部分を拡大したものが右の画像です。その間に隠れるように見えているのが富士山です。

ですから、とても肉眼では確認できません。日本各地に「富士見」という地名は数多くありますが、現代のノリクラでこの山を「富士見岳」と命名するのはかなり難しいところがあると思います。しかし、この山を命名した古い時代は、現代よりも空気が澄んでいて富士山まで見通しが効いたのか、現代人よりよほど視力が良かったのかいずれかでしょう。

 

【肩の小屋】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋周辺
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B
今週の肩の小屋周辺
昨年より2週間早い雪解け
昨年の肩の小屋東側
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B
今週の肩の小屋周辺
昨年より1週間早い雪解け

上段も下段もでは昨年より2週間ほど早い雪解けで、例年と比べて上段は1週間ほど早く、下段はほぼ同じ雪解けです。

 

昨年の肩の小屋西側
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B
今週の肩の小屋西側
昨年より2週間以上早い雪解け

西側の屋根周辺の積雪は、昨年より2週間以上早い雪解けで、例年とほぼ同じかやや早い状況です。

 

肩の小屋から西へ50メートル先 公衆トイレ − 先週から利用可能に

肩の小屋は例年6月下旬頃から営業を開始します。そのため、現在は冬季閉鎖中で営業は行っていません。しかし、肩の小屋から宇宙線観測所方面に歩いて50メートルほどのところに公衆トイレがあります。先週から開放されて一般利用が可能になっています。ただし、100円の協力金をお願いしています。

 

キバナシャクナゲの開花はまだ...

先週お伝えしたキバナシャクナゲ。つぼみは大きくなってきていますが、まだまだ開花の様子はありません。もうしばらくかかりそうです。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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