ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.7(2013/06/21〜22) B

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(Update:2013/06/27)

  

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

肩の小屋より稜線方面の概要・滑走箇所は、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。

 

登山道脇にはキバナシャクナゲが

肩の小屋から稜線直前までは全く雪はありません。登山道のすぐ隣を見ると、ハイマツ帯のたもとにキバナシャクナゲが開花を始めています。

 

誘導ロープで道幅を規制 − 土壌浸食防止のため

肩の小屋から剣ヶ峰方面に向かう登山道は、夏のハイシーズンを迎えるとたくさんの方がお越しになります。そのため、登山道の道幅が次第に広がり、周辺のハイマツ帯が侵食されつつあります。そうなると先ほどのキバナシャクナゲが咲く環境もなくなってしまいます。そのため、高山植物保護を訴える看板設置と共に、誘導ロープを道幅よりも狭くして設置して、登山者がハイマツ帯に近づかないようにして、土壌の侵食を防ごうとしています。

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳方面への登山道の積雪状況(6月21日)】

6月21日稜線付近登山道の様子

拡大

全体画像
赤点線部分の積雪は7月上旬まで(現在の距離100m)
登山道(積雪が始まる − 黄色矢印先端部分)

登山道をしばらく進むと、朝日岳直下から積雪が見られるようになって来ます。左の全体画像ではちょうど黄色の矢印先端部分が右の画像になります。

赤点線の部分は完全に雪の中を歩くことになりますのでアイゼンが必要です。この箇所の積雪がなくなるのは7月上旬以降になってからのことです。赤点線箇所は現在100メートルにも満たない距離ですが注意が必要です。

画像の赤枠部分は滑走者への注意点です。この後の「稜線」のコーナーでお伝えします。

 

摩利支天岳−昨年より1週間早い雪解け

稜線に向けてしばらく登ると眼下には摩利支天岳を望むことができます。昨年・例年より1週間ほど早い状況です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。

ご覧のように岩の頭がかなり広範囲に見られ、蚕玉岳方面の左側は積雪が完全になくなりました。昨年・例年より1〜2週間程度早い状況となっています

【剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳稜線付近の滑走バーン状況(6月21日)】

6月21日稜線付近の積雪状況(B部分)

「B」拡大

全体画像 大雪渓進入箇所でバーンが途切れる(赤枠部分)
登山道の積雪は7月上旬まであります。(赤点線部分)

蚕玉岳〜朝日岳稜線は、全体画像の「B」に相当する部分です。すでに稜線直下積雪はなくなり、隣の朝日岳直下からの滑走となります。また、右の画像の赤枠部分のように、大雪渓に進入する箇所では一部でバーンが途切れ始めました。

赤点線の登山道上の積雪は例年7月上旬前残っています。現在の積雪部分の距離は100メートルにも満たない状況ですが、下山はアイゼンが必要です。

 

大雪渓方面への滑走エリア 一部バーンが途切れる(上部画像の赤枠部分)

右の画像が赤枠部分を上から見たところです。一度スキー板をはずして歩いて渡る必要があります。おそらく、あと数日で広範囲にわたってバーンが分断されると考えられますので、朝日岳から大雪渓への滑走はこの週末が最後となります。

この次のコーナー「剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線」は、すでに滑走できない状態となりましたので、山頂方面の各稜線からの滑走はこれで終了となります。

 

積雪箇所、例年7月上旬まで積雪が残る − 下山時にはアイゼンが必要

こちらは先ほどの小学校の先生方。剣ヶ峰山頂まで足を伸ばしたが、こちらの雪渓での下山時に滑って転倒される様子も見られました。「7月には行ってもこれだけたくさんの積雪があると、学校登山はなかなか難しいかもしれません。」と、おっしゃっていました。

先ほども申し上げましたが、この箇所の積雪は例年7月上旬まで残っていることが多く見られ、雪面にしっかりとした踏み跡をつけるか、登りもアイゼンを装着する必要があると考えられます。

 

夏山登山に備えてトレーニング

今日は空気の薄い3000メートル級の山に登って、夏山登山に備えたか体力づくりにお越しになったこちらの方。「この先が辛いんだよなぁ〜」、とゆっくりと進んで行きます。

 

朝日岳直下のバーン 途中で登山道が横切るため滑走注意

こちらは朝日岳直下の様子。滑走には全く問題のないコンディションです。ただ、赤点線のように一般登山者が、雪渓の中間付近を横切って行きますので、滑走時に一般登山者が接触しないよう十分ご注意ください。

 

稜線へ

全体画像の赤点線の積雪部分を渡るとご覧のように登山道が姿をあらわしていますから、あとは登山道にしたがって稜線へと登って行きます。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) C
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) E
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年より1週間以上早い雪解け

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。先週よりもさらに雪解けが進んで、稜線部分にはほとんど雪が見られません。おそらく、昨年より1週間以上早い雪解けと見られます。

 

昨年の権現ヶ池
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) C
今週の権現ヶ池
昨年とほぼ同じ雪解け
昨年の朝日岳
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) C
今週の朝日岳
昨年とほぼ同じ雪解け

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)は、先週からの雪解けがあまり進んでいない状況で、先週は昨年・例年より1週間早い状態でしたが、今週は昨年とほぼ同じで、例年よりもやや早い雪解けが見られます。
朝日岳は昨年・例年とほぼ同じかやや早い雪解けで、こちらも雪解けスピードが遅くなっています。

なお、「稜線」のコーナーは、雪解けが激しいことから、今シーズンは今回が最後となります。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

6月21日稜線付近の積雪状況(A部分)

「A」拡大

全体画像 雪渓上端と稜線との間に砂礫地帯(×印)
中間で滑走バーンが分断(黄色枠部分)

全体画像の「A」に当たります。左の拡大画像をご覧いただくと、雪渓上端が稜線からかなり離れている様子がわかります(×印箇所)。また、一部でバーンが途切れています(黄色枠部分)。

この状況のため、今週は実際に滑走して各所の撮影は実施できませんでした。

 

稜線から
雪渓上端部分まで70メートル(×印部分)
中間でバーンが途切れる
(黄色枠部分)

左の画像は、稜線から雪渓のある下方を見たところで黄色の×印の箇所です。稜線から雪渓上端までは70メートルもあって、登山道から大きく外れるため、歩いて降りることはできません。

右の画像は、中間でバーンが途切れていたところで黄色枠部分です。

 

昨年の位ヶ原
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) D
今週の位ヶ原
ほぼ昨年並み

稜線から見る位ヶ原。他のエリアでも今週は雪解けの少ない状況が見られましたが、位ヶ原もこの1週間はあまり雪解けが進んでいない模様です。そのため、先週は昨年よりも1週間早い雪解け状況でしたが、今週はほぼ昨年並みになっています。

 

切り通しは1.2メートル − 昨年の半分程度、過去最低 

稜線から1km滑り降りると県道乗鞍岳線に到達します。この箇所の積雪量は先週から60センチ雪解けして1.2メートル。昨年の2.6メートルの半分以下です。2010年は1.6メートル、2009年は1.3メートル、2008年は1.5メートルで、過去5年間で最も少ない積雪量となりました。

なお、「剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線」のコーナーは、雪解けが激しいことから、今シーズンは今回が最後となります。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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