第8回 乗鞍天空マラソン
(2013/06/22〜23) A
【6月23日(日)、大会当日】
早朝6時、観光センター前 − 気温10℃、やや肌寒い |
一夜明けて、二日目の6月23日(日)はレース当日。大会会場である観光センターの6時の天候は少しばかり雲間に青空がのぞきますが、全体的に曇り空に覆われています。気温は10℃と、長袖でもやや肌寒さを覚える状況です。
【6月22日(土)〜6月23日(日)の大会日程】 |
時刻 | 実施項目 | |
6月22日(土) | 12:00〜13:00 | トレールラン(プレイベント、事前に申し込んだ300名) <グレートマウントノリクラ TRAIL TRAIL 12k> |
13:30 | トレールランスタート | |
14:00〜17:00 | 選手受付(乗鞍観光センター) | |
6月23日(日) | ||
7:45 | 開会式(乗鞍観光センター) | |
8:00 | スタート | |
ゴール(三本滝 13:00まで) | ||
14:00 | 閉会式・表彰式(乗鞍観光センター) |
1ページ目の大会受付のコーナーと同じものですが、昨日・本日の大会日程を再掲いたします。この後、今日は7時45分から開会式が行われ、8時にレーススタート。そして、13時に三本滝ゴールが制限時間です。なお、各エイドステーションでの制限タイムも別途設けられています。
朝早くから準備が始まる | エイドステーションで提供される山菜の煮物 |
選手の方々がやってくるより先に活動を開始されているのは、大会をサポートする地元の方々。こちらは大雪渓の折り返しエイドステーションで提供する山菜の煮物。「こんな大雑把な料理でいいんだかねぇ〜...」なんて言いながら、てきぱきと作業を続けられています。
今日はどこの旅館・民宿も満室状態。もちろん、天空マラソンに出場される選手やそのご家族ばかりですから、朝食も朝4時とか5時といった状態です。ここにお越しに地元の方々の大半が民宿や旅館の女将さんで、ご自身の宿の朝食を出し終えてから、天空マラソンのサポートに駆けつけています。
山菜の大鍋 − 早速、エイドステーションへ |
この山菜の大鍋は早速、大雪渓のエイドステーションに運ばれて行きました。大雪渓のエイドステーションは5ページ目でお伝えいたしますが、取材に訪れたときは、バナナとかチョコレートなどの栄養補給食に先んじて、完売状態になるほどの人気振りでした。(来年はもう少したくさん作ってね!)
なお、天空マラソンでお越しになる方々の多くは、お一人で宿のご予約を申し込みされるとのこと。しかし、乗鞍高原の多くの宿は二人以上の部屋になっていますので、相部屋でもOKという方は、宿泊を申し込まれる際に「相部屋でもOK」と、おっしゃっていただけると助かるとのことでした。
選手を乗せた巡回バスが到着 | 今日は朝4時起き − ちょっと眠そう... |
時刻は6時30分前。乗鞍高原内を巡回して選手の方々を乗せてきたバスが観光センターに到着です。続々と選手が訪れて、少しずつ活気が見られるようになってきました。会場の片隅で、ストレッチを繰り返しながらあくびをするこちらの選手。かなり眠そうですが、今日は4時起きとのこと。
「レースの4時間前には起きて朝食を取っておかないと、ダメなんですよ...」
8月下旬(今年から9月第1週に変更)に開催される、自転車ヒルクライムレース「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」に出場される選手も、同様のことをおっしゃって記憶があります。
黄色のゼッケン − 天空ウォーク参加者 | ご家族でお父さんの応援に |
レースに出場される選手の方々のゼッケンは白地ですが、黄色地の絶景を装着されている方々がいらっしゃいます。これは「天空ウォーク」に参加される方々。天空マラソンは、冬季閉鎖中で交通規制が行われている県道乗鞍岳線を舞台に行われるレースですから、山岳道路の沿道では応援に駆けつけるご家族や一般の方が出向くことが事実上不可能です。
そこで、レース開始前にバスで折り返し地点の大雪渓まで行き、そこから、歩いて下山しながら、選手の方々を応援しようという取り組みが今年から開催されました。
天空マラソンはいつも一人だけと今日は応援があるから... |
レースに出場するのは左のお父さん...そして、ご家族は天空ウォークで参加されます。「天空マラソンではいつも一人なので、家族が応援に来てくれるとうれしいですね!でも、大雪渓まで絶対に走らなくっちゃいけないプレッシャーがありますが...(笑)。」
ご家族・友人で一緒に参加できれば、ご家族・友人を誘ってご一緒に天空マラソンにお越しになるという方も、今後は増えてくるのではないかと思います。
天空ウォーク − 7時に観光センターを出発 |
時刻は7時前、天空ウォークに参加の方々が、観光センター前よりバスに乗車して、折り返し地点の大雪渓に向かいます。天空ウォークも事前申込制になっていて、今大会は料金2000円、定員70名でした。
完走めざして「無事にカエル!」 | 天空マラソンが上京した仲間に会える唯一の場 |
開会式は7時45分、1時間足らずしか時間がありませんが、お越しになった選手の方々にお話をお聞きします。
蛙の帽子をかぶった左の画像の方、上から下まで蛙色(緑色)が際立ちますね。
「大体、どの大会もコレをかぶって出場します。『無事にカエル(帰る)』に引っ掛けて、ちゃんと完走することを目標にしています。普通のマラソン大会は沿道の応援が多いでしょう。子供たちがガンバレガンバレって応援してくれるから、歩かないでもう少し走ろうかなぁ〜って気分になるんですよ。この大会は沿道の応援はほとんどありませんが、一般のマラソンだと、コレをかぶっていると、沿道の子供たちの反応が違いますからね。」
右の画像の方は、実は昨年もお話をお聞きした記憶があります。大会当日にゼッケンを装着されているところだったと思います。
「いや〜、昨年は本当に辛かった!でも、いい思い出になったので今年も参加しました。3人とも出身は一緒なんですが今は上京してしまい、この大会に来ないと会うことができないんですよ。ですから、この大会を一つのイベントととして捕らえています。」
ノリクラは関西圏・中京圏・首都圏それぞれのほぼ中間に位置していて、今回の乗鞍天空マラソンに限らず、シーズンを通して各方面からお越しになる方が多い状況です。特に夏スキーの時期になると、乗鞍大雪渓は国内唯一の夏スキー場となり、様々な地域からたくさんの方がお越しになります。
7時過ぎ − きれいな青空が広がる | 手荷物は場内のマイクロバスへ |
時計が7時を回ると同時に、ご覧のようなきれいな青空が全面に広がります。そして、ゴール地点の三本滝ゲートで受け取るための手荷物を会場内に駐車されているマイクロバスに預けます。
この手荷物は折り返し地点の大雪渓ではなく、ゴールの三本滝ゲートで受け取るという点に注意して下さい。
天候が悪い場合は、下りではかなり寒さを覚えることがあります。もし、手袋・ウインドブレーカーやカッパなどが下りで必要とお考えの方は、ザックやウエストポーチなどで持参されるようお願いいたします。
私は救護係ではありません! − 他の大会ではダウンしてこのまま運ばれそうになりました |
救護車両のバス...ではなく、手荷物のマイクロバスから出てこられたのは、首に聴診器をかけたピンクのナーススタイルの看護師さん...いや、選手の方。
「こんな格好していますが、救護することなんてできませんので、(怪我人が出ても)呼ばないでくださいね...他の大会に出場したとき、他人を救護するどころか自分がダウンしちゃって、この格好のまま救護所に運び込まれそうになったこともあったんですよ〜(笑)」
ゼッケンをつけてなければ、絶対に間違えますよね...
以前はマウンテンサイクリング大会にも出場してました |
「乗鞍大雪渓WebSite...あぁ〜自転車のときにもよくお会いしましたね!」
以前は、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍にも出場していましたが、抽選になかなか当選しなくなって、最近はヒルクライムからマラソンのほうに軸足がうつっていらっしゃるとのこと。
今年の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の募集人数は4500名で、毎年、抽選形式で出場者が決まります。実際の応募人数はわかりませんが、落選したという話をよく耳にしますので、相当数の応募があるようです。
最近の乗鞍天空マラソンは、毎年200名ずつエントリー数が増加して、今年は2000名の大台に乗りました。まだまだ、増え続ける気配があり、人気度は高まる一方です。
仮装といえばこちらの方 (マリオ、ルイージ) |
全国のマラソン大会では、仮装をメインとした大会もあるほど...もちろん、乗鞍天空マラソンでも、仮装選手はたくさん参加されています。
本大会で仮装といえば、マリオとルイージの仮装でおなじみのこちらの方々...
「昨年はバテちゃって、制限時間ギリギリでした...でも今年は気温が低くて走りやすいから、多分、もう少しがんばれると思います。」
1枚余分に着ているだけでも、体が動かしにくく負担になるのに、この急坂ですから、制限時間ギリギリになって致し方ないこと。
フェースブックで一緒に参加 | 仲間の目印はアフロじゃなく赤いリボン |
皆さん同じような格好をされて、どこかのクラブチームかと思いましたが、フェイスブックでのつながりで集まった方々。
「フェイスブック上で、『○○の大会で集合しましょう』って、投げかけて集まる形式ですから、今回初めて会う人もいるんです。」とのこと...良く目立つアフロヘアーは、大会会場内でフェイスブック仲間を見つけるための目印かと思いましたが、実は目印は頭の赤いリボンだそうです。
今日のフェイスブックは、もちろん乗鞍天空マラソン一色で埋め尽くされるはずです。
山頂方面がくっきりと確認できるようになってきた |
開会式の時刻が近づくにつれて、ノリクラの峰々もくっきりと確認できるようになって来ました。
初夏らしいノリクラの風景 |
これから目指すノリクラにカメラを向ける選手の姿があちこちで見られます。初夏らしいくっきりととしたノリクラの光景です。
涼しげな浴衣で − 夏を先取りしたスタイル |
こちらは浴衣で装いをそろえていかにも涼しげ...夏を先取りした雰囲気です。
「去年はチャイナドレスで出場したんですよ。それで仮装にハマっちゃって...この大会は厳しいから「アゲアゲ」で持っていかないと走れないですからね。だから、こんな衣装で盛り上げているんですよ。夏らしくさわやかに...」
そのままお祭りにでも出かけたくなるような雰囲気は、この大会を盛り上げるにはぴったりですね。
場内トイレは長蛇の列 |
時刻は7時30分を回ったところですが、観光センターの会場内のトイレはどこも長蛇の列。ご覧のように仮設トイレも用意されていますが、それでも間に合わない状況。
宿泊先を出発する前には必ずトイレを済ませてから、会場にお越しし頂いたほうがよいかと思います。また、コース上の各エイドステーションでも、一部を除いてトイレがありますので、ご安心下さい。
間もなく開会式が始まります |
会場内では、スタート地点に集まるように場内アナウンスが流れ始めました。遥か彼方に望む大雪渓。完走できるか不安がよぎる中、もう、スタートを切るしか判断は残されていません。
【開会式】
スタート地点(観光センター前) |
7時45分。観光センター前の路上のスタート地点に選手が集まります。
コース内には各所で制限タイムが設けられています。
第一関門は三本滝(第2エイドステーション)で9時30分。第二関門は大雪渓(折返し地点)で11時40分に、第三関門は荒田沢橋(第7エイドステーション)で12時20分。最終的にゴールの三本滝の通過時刻は13時00となっています。関門時間内に通過できなかった場合は、棄権者収容車両にて対応します。エイドステーションの概要は次の3ページ目に掲載しております。
アルプホルンの演奏(乗鞍アルプホルン愛好会) | 大会宣言(大会長) |
開会式は、地元有志の乗鞍アルプホルン愛好会の皆様による演奏から始まります。青い空と残雪の美しい峰々に高らかにアルプホルンの響きがこだまします。
そして、大会長であるのりくら観光協会会長の奥原 満登氏から、「無事故で楽しい大会になることを祈り、鮮やかな緑の風に乗って、高原から天空を駆け抜ける第8回乗鞍天空マラソンの開催を宣言いたします。」というメッセージで大会宣言が行われます。
エントリー数2183名 |
今年のエントリー数は昨年より205名多い、2183名。スタートラインに一斉に並びます。
杉浦 美由紀 選手 − この大会でペース配分なんて考える余裕はありません.. 30kmでもう十分! |
今回で3回目の出場の杉浦 美由紀選手。初回の2年前は女子3位、2回目の昨年は女子2位でした...(今回のレースシーンは、4ページ目 に掲載)
「緊張はしてませんが、朝ちょっと食べ過ぎちゃったので走れるかどうかちょっと心配...この大会はノリクラの山がなかなか見えてこない感じです。走っても走っても全然たどり着かない...普通の大会ならペース配分とかを考えますけど、ここはペース配分なんて考えている余裕なんてありませんよ。だから30kmでもう十分って感じです。それ以上はムリ...」
2009年の第4回大会からスタート地点が三本滝から現在の観光センターに引き下げられて、コースが7km長くなったときも、選手の皆さんはかなり大変だったようです。また、現在の30kmのコースをさらに延ばして42kmのフルコースに変更しようという話も出ていたようですが、現実的にそれに対応できる選手がどれだけいるかも微妙なところのようです。
大会運営に当たって、選手の皆さんへのお願い・注意点 |
そして、レースプロデューサーの三浦 誠司氏から、大会運営に当たって、選手の皆さんへのお願い・注意点などの説明がなされ、また、昨日のトレイルランを振り返ってのメッセージなども述べられました。
8時00分、一斉にスタート |
気温14℃で、若干肌寒い感覚が残る中、強い日差しもなく、選手にとっては走りやすい環境のはず。そして、時刻は8時ちょうど...大会長がスターターピストルの放つと約2000名の選手が一斉にスタートです。(→ Next)
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