ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.9(2013/07/05〜06) D

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(Update:2013/07/11)

 

【畳平、お花畑】

畳平お花畑の高山植物開花状況をお伝えします。

 

入口付近

お花畑は全域にわたって雪解けが完了しています。
雪解けはお花畑の奥から入口のある手前付近へと順番に進みます。そのため、高山植物も奥のほうが生育が早い状態です。画像では入口から奥へと順で説明しますので、生育が遅いところから生育が進んでエリアへと進んで行きます。

 

入口付近のハクサンイチゲ まだつぼみ −でも昨年より1週間早い

こちらは入口付近のハクサンイチゲ。先週はまだ新芽が出始めたところでしたが、ご覧のようにつぼみが見られるようになって来ました。昨年より1週間ほど早い状態です。

 

ショウジョウバカマ

現在、お花畑の大半を占めているのがハクサンイチゲで、開花している高山植物の種類は少ない状況が続きます。こちらはショウジョウバカマ。まだ開花したばかりのもので、これからさらに時期が過ぎると、茎がどんどん伸びて行きます。茎の伸張は花が終わった後も続き、実ができるころになると30センチ以上もの長さまで伸びてしまいます。

 

遊歩道は右へ 直進は通行不可(不消道)

お花畑の遊歩道は左の画像を右へと進みます。まっすぐ行くと、肩の小屋専用道に向かう道で「不消道」と呼ばれています。しかし、こちらは完全に雪に閉ざされていて、通行止めとなっています。

 

周回コース分岐点

入口からさらに周回コースを進んで行き、分岐点を右に向かいます。右回り・左回りなどの取り決めはありません。

 

周回コース分岐点付近 ハクサンイチゲが開花 − 昨年より1〜2週間早い

周回コースに入ると、先週つぼみだったハクサンイチゲが開花しています。昨年より1〜2週間早い状況です。

 

周回コースの中央付近

さらに進んで周回コースの中央付近。

 

ハクサンイチゲはほぼ満開 ミヤマキンバイが咲き始める

ハクサンイチゲはほぼ満開。まだ、開花したばかりのようで、花茎がまだ短い状態です。そして、その隣にはミヤマキンバイが咲き始めました。どちらかという、まだ、つぼみに近い状態ですから、これから楽しめる高山植物です。

 

ハナゴケ 菌類と藻類が共生している地衣植物

やや青白っぽいコケが無数に分布しています。
こちらのハナゴケは菌類と藻類が共生している地衣植物。菌類が植物としての構造体を形成し、そこに共生する藻類が光合成によりエネルギーを生産することで両者の関係が成り立っています。

 

周回コースの奥 − 最も雪解けの早いエリア

周回コースの奥。畳平お花畑の中で雪解けが早く、高山植物の生育がもっとも早いエリアです。

 

ハクサンイチゲが満開 でもまだつぼみもある

先週はハクサンイチゲが満開に近い状態でしたので、今週は見頃が過ぎてしまったかと思いましたが、まだまだ、花期が続いています。大半のものが開花しているものの、まだ、つぼみのハクサンイチゲもちらほら見られ、見頃の時期がしばらく続きそうです。

 

北側から南側へ

周回コースの左奥から右へと進んで行きます。(北から南へ)

 

南側でハクサンイチゲがピークを過ぎる それに変わってミヤマクロユリが
昨年より1〜2週間早い

周回コースは南側のほうが若干ですが生育が早い傾向が見られます。そのため、左の画像のようにハクサンイチゲは見頃のピークを過ぎています。しかし、そんなハクサンイチゲからミヤマクロユリへとバトンタッチを受けようとしています。

見頃の時期はもう少し先ですが、ミヤマクロユリも昨年より1〜2週間早い推移です。

 

高山植物の季節はこれからが本番

7月6日に関東甲信地方が、そして、7月8日に東海地方が梅雨明けして、これからますます高山植物が勢いづいて行きます。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2012/07/06〜07)

取材一日目の7月6日(金)は、まだ雨の降っていない曇り空の朝を迎えます。観光センターから望む乗鞍の峰々もはっきりとしていて、天候の崩れを予感させるような雰囲気ではありません。しかし、7時を回ると稜線の向こう側からモクモクと雲が流れ込んできて、剣ヶ峰などの主要な峰々が一気に雲に押しつぶれて行く様子を眺めていると、ポツリポツリと雨が降り始め、8時ごろには本格的な降り方。9時の大雪渓の気温は8℃。視界は50〜100メートルほどしかなく、西または北からの強い風に横殴りの雨に見舞われています。それでも、この雨の中でスキーキャンプに取り組む方々の様子もあり、正午前に一時的に位ヶ原方面まで視界が抜けると、新緑の色彩に「緑が美しい!」と、感動される様子もありました。しかし、それもつかの間で、午後にはさらに激しい降り方に見舞われ、畳平では突風ともいえるほどの状況。お花畑に咲き始めたハクサンイチゲが否応なく暴風雨に翻弄されていました。

取材二日目の7月7日(土)は、昨晩の激しい雨が収まって小雨の朝を迎えます。週末を迎えているにもかかわらず、観光センター前駐車場には数台の車しかなく、シャトルバスに乗車する方も一便にに2〜3名という平日以下の状況です。そして、時間と共に小雨は収まり、大雪渓付近は濃霧に覆われているものの、レインウェアがなくてもよい状態でした。今日の大雪渓はシャトルバスでお越しになる方よりも、マイクロバスでやってくるグループが多く、ポールをセットしたり、基礎キャンプをされる方々などでにぎわいました。
午後からは、明日開催される乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会会場である、岐阜県高山市丹生川町の殿下平総合交流ターミナルに向かいます。午後の乗鞍高原では晴れ間が見られるものの、安房トンネルを越えて平湯温泉街に入った途端に土砂降りの天候。選手の方々は傘を片手に自転車を車検場に持ち込む様子がありました。また、昨晩の雨で乗鞍スカイラインは終日通行止め。明日の大会も乗鞍スカイラインの通行止めが解除されない限りは開催できず、選手も大会関係者も空ばかりを見上げる状況でした。

そして、7月8日(日)は、明け方まで降り続いた小雨が収まり、乗鞍スカイラインの通行止めも解除されたことから、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムは予定通り開催されました。濃霧の続いたスタート地点からは想像できないほどよい天候となったゴールの畳平には、選手が次々にフィニッシュを決め、無事に大会を終えることができました。なお、第9回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの特集は、7月20日頃掲載を予定しています。

 

<編集後記>

「梅雨明け十日だけがノリクラの本当の夏...」

7月最初の週末は生憎の天候となってしまいました。しかし、取材二日目の7月6日(土)は関東甲信地方で、そして、7月8日(月)には東海地方で梅雨明けが宣言され、これで乗鞍全域が梅雨明けしたことになります。また、その梅雨明けと同時に、各地で猛暑日を記録するほどの暑さとなっています。

梅雨が明けるとノリクラの本格的な夏スキーのシーズンが始まります。
青空に入道雲がモクモクとわきあがる光景と、スプーンカットの広がる雪渓の雪景色は、なんともミスマッチな夏の光景といえますが、ノリクラに通い続けている夏スキーヤーは、これがないと夏が来た感じがしないと思うものです。

少し陽が傾いた昼下がりに斜光が照らしつけるスプーンカットの雪渓は、まるで砂漠を見ているような情景です。

夏の短いノリクラでは、あっという間に秋が来てしまいます。お盆の頃になると秋風を感じるほどで、本当に夏を感じるのは梅雨明け直後のわずかな時期だけです。

「梅雨明け十日」は、本来、梅雨明け直後は天候が安定していることを指していますが、ノリクラにおいてはごく短い真夏の時期を指しているといってもよいでしょう。
今年は平年よりも15日〜13日も早く梅雨が明けましたので、ノリクラの真夏は例年よりも長いかもしれませんが、ぜひとも早めに乗鞍大雪渓にお越し下さい...夏が終わらぬうちに...

 

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