ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.20(2013/09/21〜22) G

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6  7  8

(Update:2013/09/26)

  

【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】

★色付きが始まりました(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★

冷泉

標高2230メートルの冷泉小屋から標高2000メートルの摩利支天付近にかけては、ダケカンバやウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。

こちらは冷泉付近の様子ですが、先週よりも色合いが少しはっきりとしてきました。昨年よりも若干遅れ気味です。

 

冷泉小屋付近

冷泉小屋周辺ではまだ緑が多い状態で、見頃を迎えるまでには1週間以上は必要な雰囲気です。

 

今週の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)
昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)
=今週の状況は昨年よりやや早く、例年並み=
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) F

冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。先週よりも発色がしっかりとしてきました。下段は昨年同時期の様子ですが、昨年よりも幾分早めの推移で、例年とほぼ同じか若干遅めと言ったところです。

 

ウラジロナナカマド − 葉の状態は悪くない

葉の状態は、比較的早めに発色し始めた箇所では、枯れ始めたものも散見されますが、ご覧のように色付いたものも、これから色付く青いものも、枯れ始めたり縮れたりするものは少なく、今後が期待できます。

 

早めに紅葉した部分は枯れ始める
(左:速報2013/09/15 右:今回2013/09/21)

こちらは早めに紅葉し始めた箇所。左の画像は先週のもので、かなりよい発色を見せてくれましたが、今週はすっかり枯れてしまいました。

 

ボリュームが多く、長く楽しめる

このエリアは、紅葉する木の種類とボリュームが多いため、多少枯れたものが散見される状態になっても、見頃は比較的長く続く様子は例年見られます。

 

山麓方面はまだこれから

さらに下って、28号カーブの山麓側から29号カーブの間にある直線部分。この付近まで下ってくると、まだまだこれからといった状態です。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23)

9月も半ばを過ぎて、朝晩の冷え込みといい、照りつけるような日中の日差しなど、しっかりと秋らしい状況になってきました。

取材一日目の9月22日(土)は秋分の日。昼間と夜とがちょうど半分ずつなんですが、日の出がまたさらに遅くなり、6時を過ぎて観光センター前駐車場はようやく明るくなって来ました。早朝の気温は10℃とこの時期としては高めなんですが、残暑続きだったことを考えると結構冷え込んだ朝と言えるでしょう。鰯雲に青空が広がり、時間とともにしっかりとした天候となります。今日は終日ひんやりとした空気に包まれます。そして、時折差し込む日差しは、これまでのような強さはまったくなく柔らかなもので、空の高い秋というよりも、全体的に落ち着いた穏やかな天候でした。

取材二日目の9月23日(日)は、生憎の雨。それでもシャトルバスは長野県側・岐阜県側ともに通常通りのAダイヤ。観光センター前駐車場には人の気配がほとんどなくひっそりとして、シャトルバスも各便共に数名程度しか乗車しません。早朝の乗鞍高原では10℃と昨日と変わらない気温でしたが、畳平では1.5℃まで下がりました。しかし、上部エリアでも雨で紅葉直前の木々も霜枯れなどの影響を免れました。午後になって上部エリアの濃霧が抜けて大雪渓を見上げると、この天候でも滑走を続けるスキーヤーがいました。その後、天候はさらに回復し、夕方にはしっかりとした西日が綺麗に差し込んで、今日一日が終わって行きます。

今回も 紅葉情報(5ページ目) をお伝えします。先週と同様に、冷え込みがなかったことから、目立った進捗はありません。それでも、大雪渓・位ヶ原などの上部エリアでは色付いた木々が増えてきました。例年よりも1週間ほど遅い状況です。

 

<編集後記>

「ウラジロナナカマドの紅葉は赤?それとも黄色?」

ウラジロナナカマドの紅葉は、一般的には赤とされていて、紅葉のポスターなどでもほとんどが赤のウラジロナナカマドばかりです。

しかし、実際には赤と黄色(橙色)が半々で、場所によっては黄色のものが多いところもあります。よく見ていると、黄色のものは最初から黄色で、赤いものは最初から赤で、黄色から赤へと変化するものは、あまり見かけません。

紅葉は光合成を行う緑色のクロロフィルが分解され、元々存在していた黄色のカロチノイドが目立ってくると黄色の紅葉に、また、葉の中に含まれている糖分からアントシアニンが作られると赤い紅葉になるとされています。アントシアニンが生成される過程と落葉するメカニズムとは関連性があり、葉柄の付け根に離層ができることで、それまで茎側へ移動していた糖分が葉内に蓄積されてアントシアニンが生成されます。このように冬を迎える準備と紅葉には多少なりとも関係がありそうですが、紅葉そのものの存在意義は何であるのかという点は解明されていません。

 

@ 紅葉ピーク1週間前
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2012/09/15〜16) G
A 紅葉ピーク2週間前
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) F
B 紅葉ピーク1週間前
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) F
C 紅葉ピーク
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) G

こちらは昨年(2012年)の荒田沢橋と摩利支天の間にある28号カーブ付近で、紅葉がピークに至るまでの1ヶ月間を1週間単位で定点撮影したものです。画角が一致していませんので、同一箇所を青枠で示しています。これを見てもやはり赤いものは初めから赤く発色が進み、黄色いところは初めから黄色く発色しています。

 

@ 2012年の紅葉
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) G
A 2011年の紅葉
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2011/09/29〜01) F
B 2010年の紅葉
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2010/10/09〜10) F
C 2009年の紅葉
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2009/09/26〜27) G

こちらはほぼピークを迎えたときの様子を過去4年間見たところ。完全に画角が一致していませんので、同一箇所を青枠で比較すると、やはりこちらでも、赤いところは毎年赤く、黄色いところは毎年黄色という状況がわかります。

 

拡大

真夏のウラジロナナカマドの紅葉はすべて真紅の赤
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) A

そして、不思議なことに、夏場に見られる部分的な紅葉はすべて赤です。それも本格的な紅葉シーズンの赤よりも鮮明な真紅です。これらのメカニズムまではわかりませんが、こんな発見があると、紅葉散策も楽しいものですね。

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  7  8  -  Next-Page (Vol.21) >>