ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

番外編<真冬のノリクラサミット>
(2013/12/21〜22) C

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(Update:2013/12/26)

 

【ツアーコース − 位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなってきます。

 

急激に気温が低下 − フェイスマスクに厚手のグローブ

この時点での位ヶ原急斜面の気温はマイナス6℃。ご覧のとおり、日差しは完全になくなり、冷たい風が吹き抜けるようになって来ました。入口急斜面付近では気温はマイナス2℃で、無風の中、燦々と日差しが降り注ぎ、アウターを着ていられないほどの暑さを覚えました。

気温差はたったの4℃ですが、天候の差が体感温度に大きく影響を与えます。ここでフェイスマスクをかぶり、厚手のグローブに交換します。

 

幸福の黄色い手袋!

耐寒用の作業手袋ですが、ゴム製にもかかわらず寒くなっても硬化せず結構使えます。もちろんインナーには厚手のニットグローブが必要です。大変重宝しているようで、あちこちで黄色の手袋したスキーヤーを見かけますよ。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2013ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 番外編
(2012/12/22〜23) B
今週の位ヶ原急斜面
ほぼ昨年並みの積雪量
昨年の位ヶ原急斜面
2013ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 番外編
(2012/12/22〜23) B
今週の位ヶ原急斜面
ほぼ昨年並みの積雪量

昨年同時期と比較しても、ほぼ同じ程度の積雪量になっています。先週までは昨年より少ない状況がつづいていましたが、この1週間で1メートルほど積雪量が増加しました。

 

位ヶ原山荘に向かう案内看板 赤布に沿って右方面へ

位ヶ原急斜面には位ヶ原山荘に向かう案内看板が設置されています。右矢印方面を見ると赤布が設置されて、天候の悪いときもそれに沿って向かうと位ヶ原山荘に進むことができます。

位ヶ原山荘はツアーコースから少し離れた場所にあり、ここから位ヶ原山荘には樹林帯の中を右に進むと車道に出ますから、その先は車道に沿って滑り降ります。ツアーコース位ヶ原急斜面から位ヶ原山荘までの所要時間は30〜45分程度です。

 

完全なオープンバーン − 雪崩に注意

12月上旬まではブッシュが林立していて、とても滑走できる状態ではありませんでした。しかし、完全なオープンバーンとなり、藪漕ぎの心配はなくなったと同時に、これからは雪崩の心配が懸念されます。

位ヶ原急斜面の上部では、毎年、何回か雪崩が発生しています。規模としてはそれほど大きなものはありませんが多発地帯ですので、これからのシーズンは十分な注意が必要です。

 

今日は位ヶ原のピットチェックに

「この上はとてもじゃないけど、天候がひどくて長く居られませんよ!」
上部の位ヶ原から滑り降りてきたこちらの方。乗鞍高原でバックカントリーのガイドをされていて、今日は下見に兼ねて位ヶ原でのピットチェックにお越しになったとのこと。

上部の位ヶ原とツアーコース内の位ヶ原急斜面では、雲泥の差といっても良いほど天候が激変します。天候の悪い日は、ツアーコースの位ヶ原急斜面で断念するケースがほとんどといってよいでしょう。

 

位ヶ原急斜面上端(車道) ここから車道に沿って位ヶ原山荘へ(下山滑走)

さて、本来なら位ヶ原山荘へは、先ほどの赤布を目印に樹林帯の中を進みますが、今回は位ヶ原急斜面上部の車道(県道乗鞍岳線)まで登り、そこから車道沿いを滑り降りることにしました。ここでシールを剥がして滑走する準備をします。

 

深雪のため全く滑りません ほとんど登りと同じ状態(ラッセル)

滑るといっても、深雪のため全く滑りません...登りのときと同じく足を前後に動かして歩いて行きます。

 

新人の方にもラッセルを体験していただきました

新雪はかなり深く、ツアーコース位ヶ原急斜面から位ヶ原山荘までの車道は全区間ラッセルでした。先輩スキーヤーが順番に先頭を交代しながら進みますが、途中からは新人のこちらの方にもラッセルを体験してもらいました。

 

ラッセル交代 「こんなにキツイとは思いませんでした」

100〜200メートルほどで交代しましたが、ラッセルを終えて「先頭がこんなにキツイものとを思いませんでした...」と、かなり辛そうな様子でした。

 

位ヶ原山荘に到着

時刻は14時30分、位ヶ原山荘に到着した頃にはひどい吹雪になってきました。この時期は日没が早いため、できるだけ早めに山荘に到着できるように計画して下さい。

 

【位ヶ原山荘に到着 − ノリクラサミット開始】

居間にはストーブとコタツ 早速、乾杯!

位ヶ原山荘は各部屋には暖房はありませんが、ご覧の居間にはストーブと炬燵(こたつ)が用意されています。21時の消灯時間までは自由に利用できます。

山荘に到着すれば、いの一番で始まるのが乾杯...
今日はコレのために何時間も歩いて来たようなものです。山荘の外はすでに吹雪になっていて、風を切る音がしきりに窓をたたいています。そんな中でも、キンキンに冷えたビールは格別なんです。

ただし、位ヶ原山荘は標高2350メートルと高所にあり、アルコールのまわり方も早いため、飲み過ぎには十分ご注意下さい。

 

新人の方
「ラッセルはきつかったけど、ツアーコースは大丈夫!」
(常連の方からは「ラッセル要員任命」の声が...)

さて、冬のノリクラデビューとなった新人の方に今日の感想をお聞きしたところ。「ラッセルはかなりきつかったけど、ツアーコースは大丈夫!」と、余裕綽々の様子を見せてくれました。

ノリクラ常連の方の中には、「次回からは正式にラッセル要員に任命する!」と、かなりの高評価だったようですよ!

 

ボード組のお二人も加わって宴たけなわ

ボード組のお二人もようやく到着。屋根板にキッカーを作っていたとのことですが、きれいに乾いた雪質のため、雪が全く固まらなかったとのこと。おそらく、10月末の初冠雪以降は雨は全く降っていないため(降ったものはすべて雪)、雪の結晶がきれいなまま積もっているものだと思います。

 

余裕を見せていた新人の方もギブアップ...

先ほどまで余裕を見せていた新人の方も、暖かな炬燵とストーブに囲まれて睡魔に負けてしまいました。これだけの長い距離を歩けば、どんな人だって疲れ果てますよね...

 

 

いよいよ夕食タイム

そして、ゆっくりとした時間が流れる中、長い夜はこの夕食タイムから始まります。

 

まずは乾杯 いつ飲んでも旨い

どんなに飲んでもやっぱりさらに乾杯!

 

このひとときが最高

特別な会話があるわけでもなく、普段と変わらないんですが、みんなで一緒になって時間を過ごすことが一番うれしいひととき...こんなことができるときは、その幸せをあまり感じないものですが、振り返れば、非常に貴重な時間の流れだったことに気付くはずです。

 

SNSやブログに掲載するお鍋の写真を

最近は、SNSやブログに山行記録などを掲載される方が多くなってきました。おそらく、この画像もどこかにアップされていることでしょう。色々な方がノリクラを独自の目線で紹介して下さることで、お越しになる方がさらに増えれば幸いです。

 

「あぁ〜しあわせ...」

「あぁ〜しあわせ...」テレビもラジオもない、温泉があるわけでもない。あるのは白い雪ばかり。そんなところだからこそ、満足感が普段以上に感じられるのでしょう。

 

今夜も「位ヶ原時間」がゆっくりと流れる

すべてをベンリにしてしまうと、満足感がどんどん遠のいて行くのかもしれません。また、普段とは違った非日常があるからこそ、冬の位ヶ原山荘は魅力の一つといえるでしょう。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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