ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.3(2014/04/05) B

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(Update:2014/04/10)

  

【ツアーコースT(入口急斜面)】

ツアーコース入口急斜面

ツアーコースは標高2000メートルの入口から、標高2500メートルの位ヶ原までの約2kmの樹林帯を切りとおして作られたバックカントリーコースです。ツアーコースの全容については、ノリクラガイドマップ冬〜春スキー版 をご覧ください。

 

 

ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版(別ウインドウ)

この先、ツアーコースの各所についてお伝えいたしますが、ツアーコースの全容が把握できていないと理解できないと思いますので、山麓のスキー場と上部の位ヶ原、大雪渓、山頂方面などの位置的関係をノリクラガイドマップで確認して下さい。

 

新雪10センチ − トレース跡はリセット

昨晩の降雪は10センチほど。昨日までのトレースはほぼ完全にリセットされています。

 

昨年のツアーコース入口急斜面
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) B
先週のツアーコース入口急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B
今週のツアーコース入口急斜面

こちらは入口急斜面の全景です。左上は昨年の様子、右上は先週の様子、下段が今週の様子です。積雪量は先週より若干減少しています。また、昨年と比べた場合も、やや少ない様子が見られます。

 

新雪に覆われシールのグリップは問題ない

うっすらと新雪が表面を覆っていますので、シールのグリップもそれほど悪くはない状態です。

 

シールを断念してツボ足で

しかし、シールに慣れていない状況では、スリップしやすい状況だったようです...「シールで3歩しか歩いたことがない」と、おっしゃっていたこちらの方は、シールで歩くことを断念してツボ足です。

 

急斜面上端部分 − 下山滑走で表面が常に削られている

また、急斜面の上端部分は雪着きがよくないため、下地の硬い部分があって、ツボ足の場合はしっかりとキックを入れて、一歩一歩確実に蹴飛ばしながら登ります。さらに上端付近は登行だけでなく、下山滑走もほぼ同じ場所を通過するため、滑走時にエッジでバーン表面の柔らかい部分が削り取られてしまいます。そのため、気温の低い日や朝一番は凍った硬い状況となり、シールのグリップが効きにくい状況になってしまいます。

 

ツアーコース下山滑走は5月中旬頃まで

ツアーコースの下山滑走可能な時期は、例年、ゴールデンウィーク過ぎの5月中旬ごろまでです。

ツアーコースの中で、最も雪解けが早いのが入口急斜面です。雪解けが進んだ入口急斜面は人の背丈以上のブッシュが起き上がるため、歩いて下山することも困難な状況です。この時期になると、春山バスが位ヶ原山荘まで運行されていますので、ツアーコースでの下山滑走ができなくなれば、春山バスを利用して下山することになります。当WebSiteでは、ツアーコースの雪解け状況も随時提供しておりますので、入山前にはチェックして頂き、ツアーコースで下山するか春山バスで下山するかを判断してください。

 

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

入口急斜面を登りきった先のツアーコースは、比較的なだらかなルートが続きます。急斜面を登りきったら一旦休憩です。

 

ツボ足で登り、ようやく到着 でも、疲れ切ってしまいました

先ほどのツボ足の方もようやく到着...と思ったら疲労困憊で倒れこんでしまいました(笑)。

 

「シールってこんなに登りにくいもの?」 再び出発

「こんなにシールが登りにくいものとは思いませんでした。アイゼンの方が歩き易いかなぁ〜?」と、苦労の様子がうかがえます。そこへメンバーの方が「シールが一番ラクなはず...慣れてしまったら絶対にシールだよ」と、おっしゃっています。

スキーで滑走するときは、重心は前寄り加重で、エッジで利かせようと角を立てます。しかし、シールでの登りは後ろ加重を意識し、エッジに不用意に加重すると滑りやすいことと認識しなければなりません。そのため、前寄り加重となっていてシールへの加重がうまく伝わらない状態の中、さらにエッジを利かせようと力を加えた瞬間、一気にスリップして転倒の危険性があり、スキーへの力の加え方が滑走時とは逆の部分があります。

 

1番標識付近

こちらは1番標識付近。この先、6番まで標識があります。標識の番号の意味はなく、単に位置を表しているだけです。標識の位置は、ノリクラガイドマップ冬〜春スキー版 をご覧ください。

 

昨晩の降雪は10センチ程度 山頂方面は全く見えません(高天ヶ原、剣ヶ峰)

1番標識付近の新雪は、入口急斜面と同じく10センチ程度。煙ったような雲が流れて、雲間に青空がのぞく状況。先ほどまでの小雪もほとんど見られなくなってきました。天候が回復する様子が感じられるものの、雲の流れ方を見るとあまり期待できる状況ではありません。晴れていれば、高天ヶ原と剣ヶ峰がはっきりと見られるはずですが、今日は無理なようです。

 

昨年の3番標識
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) B

先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B

今週の3番標識
先週より5センチ減少
昨年より20センチ少ない

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週よりも5センチ減少して、昨年よりも20センチ少ない状況です。今後、大幅に積雪量が増加することはないと考えられます。また、昨年との差が徐々に少なくなってきました。

 

時折青空が − ちょっと気分が晴れやかに

今日は終日を通して見た場合、午前中は薄日が差し込む薄曇で午後は曇りといった天候でした。それでも、一時的にご覧のようにしっかりとした青空がのぞくタイミングもあって、そんな青空が見られると、長いツアーコースも少しだけ短く感じさせてくれるもの...

 

昨年の高天ヶ原
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) B
今週の高天ヶ原
山頂や尾根はまだ雪解けしていない

その雲間に一瞬見られた高天ヶ原の様子を昨年と比較します。昨年は山頂や尾根部分の雪解けがかなり進んでいました。今年はまだ積雪に覆われています。ツアーコース内は昨年より積雪が少ない状況ですが、山頂方面は昨年より積雪量が多い様子が見られます。

 

ツアーコース周辺や遠景の山並みも冬景色

周囲の木々にも雪が降り積もり、ツアーコース内だけでなく、周辺の状況を見ても4月とは思えない様子。例年、4月に入っても降雪はまだ続きますが、ご覧のような真冬に近い雪化粧は見納めになるかもしれません。

 

昨年の5番標識
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) B

先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B

今週の5番標識
先週より5センチ減少
昨年より20センチ少ない

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より5センチ減少して、昨年より20センチ少ない状況です。3月上旬には昨年より1.8メートルも積雪量の少ない状況でしたが、この差が徐々に少なくなっています。前述の3番標識でも同じような傾向が見られています。

 

ツアーコース上部は先週よりも積雪量が増加

3番標識や5番標識では先週よりも積雪量は減少しているものの、ツアーコースを見回すと、ぱっと見た感覚では先週よりも積雪量が増加している箇所もあります。

 

昨年6番標識手前の谷
2013ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.3(2013/04/06) B

先週6番標識手前の谷
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.2(2014/03/29) B

今週の6番標識手前の谷

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。先週よりも若干積雪量が増えています。この数週間でウェーブはかなりなくなってきました。さらに今週は、ウエーブが存在していることすら感じさせないほど積雪が増えています。しかし、積雪がまだ少ない1月までは、往来するのに苦労するほどの谷になっていて、この谷が埋まるのは2月以降です。そのため、春スキーにしかお越しになったことのない方が、初めて厳冬期のツアーコースにやってくると、必ず閉口する場所で、特に年末年始ごろはここを通過するだけでかなりの時間を必要とするほどです。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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