ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2014/05/15・17・18) C

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(Update:2014/05/22)

 

【位ヶ原山荘に到着、屋根板から位ヶ原へ】

位ヶ原山荘前 − 気温2℃、雲が激しく流れる

春山バス始発便が到着した8時過ぎの位ヶ原山荘の気温は2℃、アウターを着ていれば寒さは感じません。今日はバスを乗る際も暑さを感じる状態ではありませんでしたが、今後、6月に入ると、始発便の出発時刻頃の乗鞍高原では、すでに日差しの強さを感じるようになってくるはずで、アウターが不要な状態となります。しかし、5月下旬からは位ヶ原山荘よりさらに上部の大雪渓まで延長運行されますから、その温度差は今以上に大きくなります。そのため、乗鞍高原では不要なアウター(防寒着)も必ず持参して春山バスに乗車するよう願いいたします。

位ヶ原山荘が終点の現在は、寒けれ山荘内のストーブで温まればよいでしょう。しかし、大雪渓には避難小屋とトイレしかありません。防寒着のほかに飲料水や食料なども持参しなければならないことを忘れないようお願いいたします。

 

乗鞍春山入山計画書の記入 トイレ

春山バス始発便到着直後はかなり込み合います。乗鞍春山入山計画書は、アルピコ交通のHPなどで入手可能ですから、事前にプリントアウトして記入することも可能です。

 

入山口(屋根板下部) アイゼン装着を!

位ヶ原山荘から数百メートル先の入山口(屋根板下部)から登り始めます。昨日の降雪が数センチ程度積もり、ツボ足でも登ることが可能ではあるものの、冷え込んだ空気の中では、新雪が硬く締まってガチガチのバーンになることもあります。先週の5月10日(土)がまさにその状態で、途中からアイゼンを装着しなければなりませんでした。また、ツボ足よりもアイゼン装着時の方が、沈み込みも少ないため、アイゼン装着しなければならない状態があること考えれば、出発時にアイゼンを装着していてもよいと思います。

 

屋根板は6月中旬まで滑走可能(大雪渓→位ヶ原山荘へ)

今回のように新雪がうっすらと積もることがあっても、これからは大幅に積雪量が増加することはなく、雪解けが加速する一方です。先週と比べて屋根板もブッシュが大きくなっています。春山バスが大雪渓まで延長運行されても、下山は大雪渓からここを位ヶ原山荘まで滑り、位ヶ原山荘から春山バスに乗車される方も結構いらっしゃいます。6月以降になると、降雨と雪解けで表面に縦溝が走るようになります。そうなるとかなり滑りにくい状態となりますが、それでも6月中旬ごろまでは、大雪渓から位ヶ原山荘まで滑り降りることは可能です。

 

位ヶ原、流れる雲が近くなる − 青空の深味は厳冬期並み

屋根板から位ヶ原に上ると、流れる雲が間近に感じられるようになります。雲間の青空がいつもより深い様子はまるで厳冬期並みの透明感です。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) D
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
今週の大雪渓入口
先週より30センチ減少、昨年より1メートル少ない

こちらは大雪渓入口付近。積雪は先週より30センチ減少し、昨年よりも1メートルほど少ない状態です。先週よりも積雪量は減少するものの、後方にうつる山頂方面の積雪量は先週とそれほど変わらない様子です。山頂方面の積雪状況は、この後の【肩の小屋】【稜線へ】【稜線】などのコーナーでもお伝えします。

 

トイレ小屋と避難小屋方面 蝦の尻尾 − 普段は山頂稜線などでしか見られない

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。看板の後ろに注目すると、いわゆる「蝦の尻尾」が成長しています。普段は山頂付近でしか見られませんが、昨日はひどい荒天だったことがわかります。そして、看板後方に除雪用の重機があります。

 

大雪渓まで除雪が進む

つまり、大雪渓まで除雪がやってきたことがわかります。この先、3号カーブ手前まで進んでいます。例年より若干早めです。

 

トイレ前 − 例年と比べると積雪量が多い トイレ小屋(冬季閉鎖中) −利用可能は5月下旬以降

先週は降雪で再び埋まったカードロープが再び姿をあらわしています(左の画像)。この1週間は結構雪解けが進んで様子が見られます。昨年は完全に埋まっていましたが、シーズンによっては、下の路面が現れているケースが多いため、例年と比べると積雪量が多い状態といえます。

 

モーグルコースの岩(画像左上) −大雪渓で最初に現れる岩
=大雪渓の積雪量・雪解け状況のバロメーター=

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

 

先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
今週のモーグルコースの岩
積雪量は先週より40センチ減少

モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると40センチ程度減少しています。

 

先週のモーグルコースの岩のハイマツ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) A
今週のモーグルコースの岩のハイマツ

モーグルコースの岩のすぐ上でもすでにハイマツ部分も、雪解けでしっかり露出しています。

 

【肩の小屋】

昨年の肩の小屋周辺
2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋周辺
昨年よりも積雪量が多い

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。大雪渓やツアーコースでは昨年よりも積雪量の少ない様子が見られましたが、肩の小屋より上部は昨年よりも多い状態となっています。

 

昨年の肩の小屋東側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋東側
昨年より2メートル近く多い
昨年の肩の小屋西側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋西側
昨年より50センチ〜1メートル多い

上段の肩の小屋の東側では、昨年より2メートル近く積雪量が多く、下段の西側の屋根でも、50センチから1メートル程度積雪量が多い様子がうかがえます。屋根はトタンでできていて、アイゼンなどで容易に穴が開いてしまいますから、絶対に屋根に上らないようお願いいたします。

 

稜線方面へ直登可能

この先、登山道が稜線までありますが、誘導ロープの支柱が一部で見えているものの、ほぼ完全に埋まっています。そのため、この先、稜線まで、直線的に登って行くことが可能です。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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