ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2014/05/24〜25) B

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(Update:2014/05/29)

  

【稜線へ】

今週の肩の小屋から山頂方面
昨年と比べてまるで別風景
昨年の肩の小屋から山頂方面
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。左の画像は今週の肩の小屋からの山頂方面の様子、完全に冠雪していて、登山道がどこにあるのかわからない状況。そして、右の画像は昨年同時期の様子。山頂方面の積雪状況がまるで異なっています。今年の山頂方面の積雪は昨年よりも多いどころか、例年と比べても多い状況です。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

肩の小屋より稜線方面の概要は、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。なお、ツアーコースの状況については、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 をご覧下さい。

 

登山道の存在すらわからない − そのまま直登できる

登山道は一部で支柱が見えている部分もありますが、どこにあるのか全くわからないほどの積雪ですから、ご覧のように稜線に向かってまっすぐ登って行くことが可能です。

 

雪解けが進んだ箇所には立ち入らないようお願いします(高山植物・雷鳥保護のため)

ただ、左の画像のように雪解けが進んだ箇所は高山植物や雷鳥保護のため、立ち入らないようお願いいたします。必ず雪の上を登るようにし、休憩も岩場ではなく、雪の上でお願いいたします。

 

適度に緩んで シールでもアイゼンでも どちらも登りやすい

先週は新雪が降った後にそれが凍りつき、シールではとても登って行ける状況ではありませんでした。しかし、今週は先週同様に新雪が降ったものの、凍りつくほどの冷え込みとはならず、シールでも問題なく登って行けます。また、アイゼンでもほとんど沈み込みがなく、どちらの登り方にも最適なバーンコンディションでした。

 

今シーズンからスキーを始めた − もちろんバックカントリースキーも初めて!

シールで登るこちらのお二人。良く見ると後ろの方は真後ろではなく、斜め後ろを歩いています。「今シーズンからスキーを始めたんですよ。ゲレンデスキーを...それでバックカントリースキーも始めるようになり、ノリクラに来るのも今日が2回目。」と、笑いながらおっしゃり、「だから何かあってはいけないので、後ろからサポートしていますよ。」とのこと...そして、サポートされている方は「前回のノリクラも、春スキーがすごく楽しかったんです...」と、笑顔で応えてくれます。

多くの方は、ゲレンデスキーをある程度経験して、普通に滑走できる状態になってから、バックカントリーに入ってくるというパターンが一般的かと思います。また、ゲレンデスキーを自在にこなす方でも、初めはシールでの登行が全くダメという方もいらっしゃる中、この急斜面を何の問題なく登ってこられるのは驚きです。

もちろん、この後も何の問題もなく、稜線まで登りきって行きました。(スゴイの一言です...)

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。

 

先週も今週もよい天気に恵まれた − 「日ごろの行いが良いから!」

稜線まで登り切ると、遠方には真っ白な穂高連峰の白帯がはっきりと横たわっている様子があります。「先週は乗鞍スカイラインが通行止めだったので、急遽、乗鞍高原に回ってきましたが、天気は今日と同じように良かったです。このところ、平日は天候が悪くて、土日は天気が良い状態が続いていますね。日ごろのオコナイがいいのかなぁ〜」と、おっしゃるこちらの方々。今回は乗鞍スカイラインの方からやってきたものの、「今回はちょっと『賭け』でした...でも無事に運行してもらえてラッキーでした。」

今回は3日連続通行止めの翌日でしたので、始発便からの運行はまず無理と思うのも当然ですが、仮に始発便でなくても次便以降が動けば良いと思えるのは、やはり30分に1便運行している乗鞍スカイラインシャトルバスの強みでしょう。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー正式版 Vol.2(2014/05/15・17・18) D

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年よりも明らかに積雪量が多いことがわかります。過去に遡って見ても、今年は2009年までの5年間の中で最も多い状態です。

 

昨年の権現ヶ池
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
今週の権現ヶ池
過去5年間で最も多い積雪量
昨年の朝日岳
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
今週の朝日岳
過去5年間で最も多い積雪量

上段は御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)で下段は朝日岳です。権現ヶ池は先週より若干雪解けしていますが、2009年までの5年間で最も多い状態が続いています。また、朝日岳は例年とそれほど大きな違いは見られませんが、やはり過去5年間でもっとも多い状態です。

 

【頂上小屋の除雪作業】

乗鞍岳頂上小屋

こちらは剣ヶ峰山頂直下にある頂上小屋。今日は今シーズン初めて除雪作業を行いました。

 

積雪量の多かった2012年の頂上小屋
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) C
今週の頂上小屋
2012年に匹敵する積雪量

左の画像はここ数年で積雪量の多かった2012年の同時期の様子。今週は2012年に匹敵するかそれよりもやや多い状態の積雪量となっていて、頂上小屋はほぼ完全に雪に埋まった状態です。

 

屋根まで完全に雪に埋まる 屋根の上にはまだ1メートル以上の積雪

どこが屋根なのかわからないため、屋根部分にロープを張ってあります。右の画像のように屋根の上には1メートル以上の積雪があります。

 

訪れるスキーヤーも珍しそうに見物 今シーズンの営業は7月1日からを予定

山頂方面に向かうスキーヤーから、「写真撮らせてください!」などと声を掛けられ、珍しい光景にカメラを向ける方もたくさんいらっしゃいました。営業開始は7月からですが、雨の時期を迎えると、雪が硬く締まってくるため、今のうちに除雪作業を進めたいとのこと。しかし、とても今日一日だけでは完了するレベルではなく、この後も数日間かけて、小屋周辺の除雪を行います。

乗鞍岳頂上小屋は、お土産の販売が中心ですが、簡易トイレも設置され、ドリンク類も用意されていますので、山頂方面にお越しの際にはお立ち寄りください。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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