ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2014/06/14〜15) A

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(Update:2014/06/19)

 

【春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓・肩の小屋口バス停 − 濃霧小雨、気温3℃

乗鞍岳春山バス始発便が到着した大雪渓は濃霧と小雨が降り、気温は3℃しかなく、冷たさが心底伝わってきます。

 

急いでレインウェアを着用 急いで避難小屋へ逃げ込む

バスを降りた方々は急いでレインウェアを着用する様子が見られます。また、この冷たさに耐え切れず、急いで避難小屋へ一斉に逃げ込む様子も一緒に見られます。

 

避難小屋は満員 中に入れなく軒先で雨宿り

ものの10分もしないうちに避難小屋はすし詰め状況。中に入れない方々は軒先で雨宿りするほどです。中に入れなくても、風雨だけでもしのぐことができれば、体力消耗が違うものです。

 

「ちょっと油断してました。ここまで寒いとは...」

厳冬期の常連のスキーヤーも「まさかここまで寒いと思いませんでした。冬場と違って油断していました...」と、おっしゃるほど。厳冬期はマイナス10℃以下がごく普通といってもよい状態ですから、出発時点でフル装備に整えないといけないわけですが、初夏のこの時期はウェアなども薄手のものに衣替えするため、予想外の状況に対応が難しいところです。

 

インターネットは使ったことはないが... 山頂方面へ

「WebSite拝見しています...」と、声を掛けていただくことは良くありますが、「私はインターネットというものを使ったことがないが、アンタは良く見るよ!」と、声を掛けてくださいました。多分、この記事はご覧になることはできないかと思いますが、お声を掛けてくださったことに感謝申し上げます。

色々なつながりがあってこそ良いもので、現地でのつながりが一番大切なものだといえるかもしれません。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) A
今週の大雪渓入口
昨年とほぼ同じ積雪量

いつもお伝えしている大雪渓入口の前川国有林の看板付近もほとんど雪解けが完了し、これまでは、昨年よりも積雪量が少ない状況が続いていましたが、例年と比べてもほとんど違いがない状況になってきました。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) A
今週の大雪渓入口

しかし、こちらの大雪渓入口右側の「高山植物などの採取は禁止...」の看板では、左上の昨年画像と比べて、30〜50センチ程度の差が見られます。また、先週と比べて70センチほどの雪解けが見られます。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) A
今週の大雪渓入口
昨年より1週間遅い雪解け

大雪渓入口のガードロープ付近では、昨年より30センチほど積雪量がすくなく、また、右上の先週と左上の昨年がほぼ同じ状況のため、昨年より1週間程度雪解けが早いことがわかります。

 

なお、次週以降は看板裏からの積雪状況を比較して行きます。

 

昨年のトイレ付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
今週のトイレ付近
ほぼ昨年並みの積雪量

 車道をはさんだ反対側のトイレ付近は、ご覧のように昨年とほぼ同じ積雪量です。また、位ヶ原山荘への下山滑走はこちらからスタートします。

 

【大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走可能時期:6月中旬まで)】

@滑走中の左側ハイマツが途切れたら左へ A 直進すると道路転落(××印箇所、雪壁数メートル)
Bほぼ平坦ですが、矢印方向の浅い谷へ C 矢印部分の急斜面入口で、位ヶ原山荘を目視で確認
(この急斜面は厳冬期雪崩多発地帯)

春山バスが位ヶ原山荘までしか運行されなかったときは、位ヶ原山荘から大雪渓まで下山滑走ルートを登ってきますので問題なかったのですが、春山バスが大雪渓まで運行されると、位ヶ原から大雪渓までの登りのルートを把握されていない方もいらっしゃいます。

そのため、こちらでは大雪渓から位ヶ原山荘までの下山滑走ルートをお伝えいたします。ただし、こちらの内容は参考程度に考えていただき、初心者の方は必ず経験者と一緒に行動されるようお願いいたします。また、位ヶ原山荘の屋根が確認できないとルートを間違える可能性もありますので、視界が悪い場合は、下山滑走せずに、大雪渓から春山バス下り便をご利用ください。

画像@ − 大雪渓トイレ付近から滑り始めて上の部分のハイマツ帯が途切れたところから、左へルートを取る。この時点で視界が悪い場合は、下山滑走せず、大雪渓から春山バスをご利用ください。ただし、このルートはそろそろハイマツが見え始めていますので、滑走不能に近くなってきました。
画像A − ルートを左に取らないと、道路に到達します。視界が悪い場合は雪の壁から道路へ転落の危険もあります。雪の壁は数メートルありますので絶対に近づかないようお願いします。(×印箇所は1ページ目でお伝えした5号カーブです。
画像B − ほぼ平坦ですが、矢印方向がやや谷になっていますので、そちらに向かって滑ります。
画像C − 矢印部分にある急斜面から、位ヶ原山荘の屋根を目視して、位ヶ原山荘の方向へ滑走してください。尚、屋根が目視できる視程が必要ですから、濃霧など視界不良の場合は、下山滑走しないようお願いします。ただし、この急斜面は厳冬期は雪崩多発地帯ですので、その点を頭に入れて滑走してください。

大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走は、例年6月中旬頃まで可能です。先ほど、申し上げたように画像@のルートがそろそろハイマツが出てきましたので、大雪渓からのスタートを別の位置から変更するなどの対処が必要ですが、周辺状況を良くご存知でない方は、次週末あたりまでにされておいたほうが良いでしょう。
また、上記のルートで位ヶ原山荘の屋根が目視できる条件が必要ですので、視界が良好な場合に限られます。天候の悪い場合は、大雪渓避難小屋で待機して、大雪渓から春山バスで下山することをオススメします。

 

大雪渓下部全景 − モーグルコースの岩と石碑の岩

こちらは大雪渓下部の全景ですが、赤丸部分にそれぞれ岩が見られると思います。
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写る大きい楕円部分がモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

また、小さい楕円部分は石碑の岩で、先週からようやく頭を出し始めました。

 

昨年のモーグルコースの岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) A
今週のモーグルコースの岩
先週より60センチ減少、昨年より1週間早い雪解け 

モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると60センチ程度減少して、昨年より1メートル以上少なく、1週間早い雪解けを見せています。

 

昨年の石碑の岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) A
今週の石碑の岩
昨年より2週間早く例年並みの雪解け

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。今週になってようやく姿をあらわし始めました。昨年より2週間早い雪解けで、年によってばらつきがあるものの例年並の状況です。

 

今年もコブ作りが始まりました。

いつもなら、バックカントリーのスキーヤー・ボーダーの方々が稜線方面へ出発した後の雪渓下部は、静かな状況に戻って行きますが、今日はおそらく稜線方面に向かう方々よりも、雪渓下部にいらっしゃる方のほうが多いのではないかと思うほど賑わってきました。

スコップを手にして、今年もコブ作りが始まりました。
雪渓下部の積雪がなくなる7月下旬から8月上旬まで、何度も作りなおしたり、手直しを加えながら、果敢に滑り続ける様子が見られるはずです。先ほどの観光センター前のテント停留所にスキー板と一緒にあったスコップは、このために持参されたものです。

 

硬い部分が見られるようになってきた
夏のバーンコンディション
隣ではショートポールを立て、アルペンレーサーの練習

バーン表面は柔らかいものの、その下に硬い部分が所々で見られるようになってきました。そろそろ夏のバーンになってきたようです。そして、その隣ではショートポールを立てて、アルペンレーサーの方々の練習が始まります。

先ほど申し上げたように、今日の雪渓下部は多くの方が集まっていて、おそらく、これほどまでたくさんの方がいらっしゃったのは今シーズン初めてのことと思います。

 

コブの管理人 − 久しぶりのノリクラで「今日は体が動きませんよ」

そして、コブ作りといえば、こちらのコブの管理人。昨年はあまりお越しになれず、久しぶりのノリクラに「今日は体が動きませんよ!」と、おっしゃっています。今シーズンは時間が取れればお越しになるそうです。

 

 

翌日のモーグルコース − モーグルコースは2本

そして、こちらは翌日の大雪渓下部のモーグルコース。さらに1レーン作成されて、モーグルコースは2本になっていました。

 

綺麗なコブに大満足! 約30コブ×120mのロングコース

正確には計測できませんでしたが、約30コブ×120mというかなり長いモーグルコースが出来上がっていました。夏雲が広がる中、果敢に攻める様子は完全に7月以降の真夏の雰囲気となっています。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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