ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2014/07/11〜12) D
【肩の小屋】
肩の小屋 |
大雪渓の端にある肩の小屋。肩の小屋周辺は宇宙線観測所方面にかけて室道ヶ原と呼ばれるエリアが広がり、高山植物が豊かな場所です。
ハクサンイチゲが満開を迎える |
肩の小屋の南側の原では、ご覧のようにハクサンイチゲが満開を迎えています。ハクサンイチゲは雪解け場所に咲く高山植物で、比較的水分の豊富な場所に自生します。そのため、室道ヶ原方面からの雪解け水の多いこの場所でハクサンイチゲが多く分布していると見られます。
また、大雪渓も雪解け水が豊富ですが岩場が多く、このような原がほとんどありません。おそらくそのような要因から、大雪渓ではほとんどハクサンイチゲを目にすることはありません。
肩の小屋は先週オープンしましたが、今日も多くの登山の方が、ここで足を止めています。
まだ、昼前なのに、軽食コーナーではちょっと忙しそうな雰囲気...
一通りのことを覚えて、何とかこなしているようですね...
まだ、本当の繁忙期はこれから...来週の3連休あたりから一段と忙しくなってくるかと思います。
【山頂までの登山道(肩の小屋〜稜線)】
肩の小屋前の登山口 |
それでは肩の小屋から稜線までの登山道の様子をお伝えします。
【乗鞍岳積雪状況−剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳登山道の積雪状況(7月12日現在)】 |
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山頂・稜線方面全景(青線:無雪、赤線:積雪) | 朝日岳直下(積雪区間20メートル) |
7月からの乗鞍岳登山(剣ヶ峰登山)を計画されている方にとって、現在の乗鞍岳積雪状況が気がかりになると考えられます。青線は無雪部分、赤線は積雪部分です。現在積雪があるのは大雪渓の登山道入口から肩の小屋までの約700メートルと朝日岳直下の約20メートルです。
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先週の朝日岳直下(積雪区間20メートル) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) D |
今週の朝日岳直下(積雪区間50メートル) |
こちらが朝日岳直下の積雪箇所(積雪区間20メートル)。先週と比べるとかなり小さくなっていることがわかります。
登山道の大半では積雪は見られない |
そのため、大半の登山道は、夏山に登る際の注意点のみで大丈夫と考えられます。
キバナシャクナゲ − ハイマツに覆われなかった場所を埋めるように |
こちらはキバナシャクナゲ。ハイマツが生い茂ると日差しがなくなり、他の高山植物を駆逐してしまうと言われます。キバナシャクナゲはハイマツと共存していると言われますが、ハイマツが自生しなかった場所になんとかキバナシャクナゲが分布しているだけなのかもしれません。
積雪がある場所まではしばらく登ります。
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先週の朝日岳直下 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) D |
今週の朝日岳直下 かなり雪解けが進む |
稜線が見え始める付近に達すると、積雪が見られるようになります。しかし、先週と比べてかなり雪解けが進んでいることがわかります。
九十九折れ箇所 − 登山道部分だけ雪がなくなる |
この付近の登山道は九十九折れになっていて、ちょうど、登山道の部分だけが積雪がなくなっている箇所が多く、ほとんど、雪の上を歩く必要がなくなってきました。
雪上トラバースは一箇所だけ |
ただ一箇所だけ、積雪部分が残っていて、ここだけは雪の上をトラバースします。
積雪区間は20メートル − 次週末には積雪はなくなると予測 |
積雪区間は20メートルほど。今回は台風8号の過ぎ去った後のため、踏み跡(ステップ、トレース)が全くありませんでした。今後、登山者が多くなれば、しっかりとした踏み跡が作られると思いますので、それほど大きな問題となることはないかと思います。
次週末には、この付近の積雪はほぼなくなるものと考えられます。
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