ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2014/07/26〜27) @

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(Update:2014/07/31)

 

東海地方が7月21日(月)に、関東甲信地方が7月22日(火)に梅雨明けしました。梅雨明け最初の週末を迎え、ノリクラにも本格的な夏がようやくやってきました。

7月26日(土)は、快晴の朝から始まりますが、それと同時に暑さも朝一番から始まります。6時の時点で気温が19℃もあって、早朝のひんやりとした空気感が全くありません。いつもなら、日差しが強い日は、午前中のうちに雲が沸きあがる様子が見られるものの、今日は天候も暑さも安定していて、雲が沸きあがりません。そのため、今日は雲に遮られない太陽が燦々と輝きすぎて、とにかく暑いの一言しか口から出てこない状況。また、今日一番の賑わいは山頂への登山で、登山道は絶えず数珠繋ぎの様子が見られるほど。ヒルクライマーもまずまずの人出でした。しかし、大雪渓の夏スキーヤー・ボーダーの方々は、やや少なめな雰囲気でした。

7月27日(日)は、やや雲量の多い晴天の朝を迎えます。気温は18℃で昨日と1℃しか変わらないものの、爽やかな空気の流れを感じます。ただ、山頂付近には雲の帯が横たわり、畳平は濃霧強風の天候で、岐阜県側の乗鞍スカイラインは自転車のみ通行止めです。この晴天も7時頃に雲に覆われて、山麓の乗鞍高原でも風が吹き始めます。そして、10時の大雪渓ではそれまでの濃霧に加えて、突然の豪雨強風に見舞われ、夏スキーを楽しむ方々は一斉に避難小屋に逃げ込む事態に。雨は次第に収まりますが、風と濃霧はしばらく続き、午後になって、ようやくアスファルトが乾く程度まで回復すると、今度は14時頃になって一気に青空が広がる展開に。一日のうちでこれjほどまで劇的に天候が変化することはあまり例がありません。また、今日もたくさんのヒルクライマーごお越しになり、県道乗鞍岳線は、歩行者天国ならぬ、自転車天国といった状態でした。

<乗鞍岳登山道(大雪渓・稜線付近)の積雪量>
稜線付近の積雪はすでになくなり、岐阜県側の畳平から山頂方面に目指すルートは、積雪の心配は全くありません。現在積雪が残っているところは、大雪渓〜肩の小屋の1箇所のみで、大雪渓・肩の小屋口バス停から登る際には、まだ、注意が必要です。

●大雪渓の登山道入口から肩の小屋は、雪解けが進んで、全長700メートルの大半で登山道が現れるようになって来ました。しかし、大雪渓入口から数十メートル進んだところから始まる雪渓部分(距離48メートル)は斜度がややあって、冷え込んだ日は登りも下りも滑りやすい状況のため、雪に慣れていない方は、アイゼンの携行をオススメします。この部分は、例年7月下旬〜8月上旬まで積雪が残っています。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月26日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 T】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 U】       【大雪渓に到着】
Page-3 : 【雪渓下部 T】       【雪渓下部 U、モーグルコース】
Page-4 : 【雪渓中段】       【雪渓上部】
Page-5 : 【肩の小屋】       【山頂への登山道は大賑わい】
Page-6 : 【7月27日(日)、天候急変の一日】
Page-7 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

【乗鞍岳登山道、大雪渓から肩の小屋への登山道の積雪状況(7月26日現在)】 (Page-3)

●参考資料●
(大雪渓夏スキー 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー山頂版)

 

【7月26日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは朝の観光センター前駐車場。

 

雲ひとつない快晴 早朝から満車に近い状態

ご覧の通り、雲ひとつない快晴。先週の三連休が終わるのと同時に梅雨明けし、その後は、連日のようにたくさんのマイカーがお越しになるようになって来ました。今日は6時の時点で110台ものマイカーがお越しになり、すでに満車に近い状態で、8時30分には満車になりました。

6時の気温は19℃。これまでになく高い気温です。いつもなら、ひんやりとした空気が流れるものの、今日は朝一番から温度感を感じる空気が流れ、朝のすがすがしい空気ではなく、いきなり日中の暑さを感じさせる状況です。

 

シャトルバスの乗車券販売所 畳平でも二桁の気温(暑い!)

こちらはシャトルバスの乗車券販売所。カウンターには早朝の畳平の気温が表示されています。朝の段階で二桁の気温を記録しています。山頂方面でも暑い空気に包まれているようです。

 

シャトルバス始発便を待つ乗客の列

そして、こちらはシャトルバス始発便を待つ乗客の列。連休の前後は人出が減少する傾向が見られますが、今回は梅雨が明けて、天気予報でも晴マークの並ぶ状況でしたから、多くの方が訪れる条件が揃ったものと考えられます。乗客のほとんどがザックを背負っていますから、山頂登山が目的の方が多いものと考えられます。

 

始発便は3台も運行される

そして、今日の始発便は3台。お盆の長期休暇中でも、始発便で3台運行されることは稀ですから、今朝の人出がいかに多いことがわかります。

 

どんなに暑い日でも日陰は涼しい乗鞍高原

真夏でも涼しいといわれる乗鞍高原ですが、日中は普通に暑いもの...ただ、その暑さが市街地のレベルと比べると格段に優しいので、総じて言えば「涼しい」ということになります。もう少し言うなれば、日差しが当たっていると、市街地並に暑いものの、木陰に入るとひんやりとした空気の流れを感じるため、日陰に逃げ込んでしまえば、暑さ知らずです。

日差しがまだ当たらないテラスで、山頂を眺めながらの朝のひと時は、夏のノリクラらしい時間の過ごし方でしょう...

 

【観光センターから大雪渓へ、ヒルクライムと沿道の風景 T】

ここからは大雪渓までの沿道の様子をお伝えします。

 

すずらん橋バス停の先に鈴蘭橋がある

観光センターから約2km先にあるすずらん橋バス停。こちらの停留所はシャトルバス乗り換え駐車場に併設されていて、観光センター前駐車場が満車になった際には、すずらん橋バス停(すずらん橋駐車場)に誘導される場合があります。

「すずらん橋バス停」と言うくらいですから、もちろんその先には「鈴蘭橋」があります。

鈴蘭橋 欄干からの眺めがオススメ 紅葉の鈴欄橋(2012年10月中下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) D

こちらの鈴蘭橋は、欄干からの眺めがオススメです。今は緑一色の光景ですが、10月中下旬になると、右の画像のように錦の屏風が広がります。また、この時期になると山頂方面には雪が降る日もあって、真っ青な空と、白く冠雪した山肌とくれば、いわゆる「三段紅葉」と呼ばれる見事の光景にめぐり合うことができます。

ただ、そのような組み合わせは毎年訪れるものではなく、この時期の降雪は根雪にはならないため、数日でなくなってしまうことが多く、本当にチャンスがよくないと見られないでしょう。

 

休暇村 手前にノイバラ

さらに進んで、こちらは休暇村。その手前にはノイバラがあります。先々週のノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2014/07/11〜12) @でご紹介したノイバラです。

 

先々週のノイバラ
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2014/07/11〜12) @
今週のノイバラ
枯れてしまいました

左の画像は先々週の様子。綺麗に開花したばかりの状態です。そして、右は今週のノイバラ。すでに枯れてしまいました。

 

ノイバラの手前にはヤマホタルブクロ ガクが反り返っていないから
ヤマホタルブクロ

さて、さらにその手前を見てみると、ヤマホタルブクロが咲き始めました。ガクが反り返っているものがホタルブクロ、反り返っていないものがヤマホタルブクロ。こちらの画像は若干反り返っているものもあり、全く反り返っていないものもあります。

セイヨウタンポポとミヤマタンポポにも同じようにガクに違いがありますが、両者が交配したものは、反り返り方が中途半端な状態ですから、ホタルブクロとヤマホタルブクロでも同じような現象があるのかもしれません。

 

ヤマホタルブクロの手前にはノリウツギ ノリウツギ

さらにもう一歩手前に引いてみると、今度はノリウツギが咲き始めました。ガクアジサイのような花です。

 

ノリウツギはもっと高いところにある 休暇村〜三本滝 − カラマツが美しい

大半のノリウツギはこんな低いところにはなく、少なくとも人の背丈よりも高いところにあるほうが多いようです。ご覧のように少しずつ目線を移動させて行くと、色々な花が咲いていることに気付き、高山植物や山野草を見つけるポイントにもなります。

また、休暇村から三本滝の間は、カラマツ林が続きます。何の変化もないように見えても、このように目線を変えて行くと色々なものが見えるかもしれません。

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