ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2014/07/26〜27) B

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(Update:2014/07/31)

 

【雪渓下部 T】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の大雪渓入口

先週は岩の一部が見え始めましたが、今週は雪解け箇所が一気に広がっています。全体的に積雪量が少なくなってきていますので、雪解けスピードが早まったわけではないものの、その後は一気に積雪がなくなり、岩場箇所が大幅に増える状況となります。

左上の昨年はまだ岩の頭が確認されず、今年は昨年よりも雪解けが早い状況です。

 

一昨年の大雪渓入口
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2012/07/28〜29) A

一昨年の画像では、下半分が完全になくなっています。また、画像の右上のモーグルコースの岩付近の雪解けは、今年も一昨年もほぼ同じ状態ですから、今年はほぼ例年並といったところかと思います。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の大雪渓入口
車道からの距離は46メートル − 昨年より早い雪解け

雪渓下端から車道までの距離は先週の13.5メートルから46メートルに一気に伸びています。これは前述の通り、下端部分の雪解けが進んだためです。また、昨年同時期は先週と同じく13.5メートルで、その一週間後は今週とほぼ同じ43メートルでした。そのため、昨年より1週間早い雪解けということがわかります。ただ、例年と比べると1週間ほど雪解けが遅い状況が見られます。

 

スキーヤー専用道 ウラジロナナカマド −まだつぼみはなく例年よりも遅い

雪渓上部に向かうスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマド。先週と全く変わりなく、若葉のみでつぼみはありません。昨年も例年と比べて遅い傾向でしたが、すでにつぼみはでき、開花直前の状態でしたから、今年は大幅に遅い状況です。

 

昨年の登山道入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の登山道入口
ほぼ例年並の積雪量

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。先週の段階では、昨年よりも積雪量の多い様子が見られたものの、今週はほとんど同じ程度になっています。そのため、先週までは例年と比べてかなり多い状態でしたが、今週はほぼ例年並になっています。

 

昨年の登山道入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) B
今週の登山道入口−隙間は6メートル
例年と比べて雪解けが遅く、昨年より1週間遅い

車道との間の隙間は6メートルほど、昨年は9メートルほどあり、その1週間前ではちょうど6メートルでしたので、昨年より1週間遅い雪解けです。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の登山道入口
1週間の雪解けは1〜1.5m、積雪は昨年よりやや多い 

先週と比べて1.5メートル近い雪解けが見られ、先週までは昨年よりも1〜1.5メートルほど多かった積雪量が推移していましたが、今週は昨年よりもやや多い程度になってきます。

 

登山道 シナノキンバイが開花 − 昨年と同じで例年よりやや遅い

大雪渓から肩の小屋への登山道は高山植物が間近に観察できます。畳平のお花畑よりもさらに接近して観測でき、肩の小屋までの道中を飽きさせません。先週つぼみだったシナノキンバイがようやく開花しました。昨年と比べて遅れていましたが、開花時期は昨年と同じで、例年と比べるとやや遅い状態です。

また、シナノキンバイのとなりにコバイケイソウがありますが、つぼみをつけたコバイケイソウは見当たりません。

 

登山道上の積雪

こちらは登山道上の積雪箇所。上部に見えるのがモーグルコースの岩ですが、この付近にはご覧のように積雪が残っています。

 

雪に慣れていない方はアイゼンが必要(積雪区間48メートル)

今日は気温も高く、日差しも強いため、表面が緩んで問題なく歩くことが可能でしたが、冷え込んで硬くなると、スリップしやすいため、雪になれていない方は、アイゼンが必要となります。

 

【乗鞍岳登山道、大雪渓から肩の小屋への
登山道の積雪状況(7月26日現在)】

大雪渓・山頂方面全景(青線:無雪箇所、赤線:積雪箇所)

朝日岳直下
積雪は先々週でなくなりました。
大雪渓〜肩の小屋(積雪区間、48m)
かなり少なくなりましたが、スリップに注意!

剣ヶ峰山頂までのルートで積雪が残っているのは、右下画像の大雪渓〜肩の小屋の区間(積雪区間約48m)のみで、左下画像の朝日岳直下は、先々週で積雪はなくなりました。

【大雪渓〜肩の小屋(積雪、約48m)】大雪渓登山口から肩の小屋までは約700メートルありますが、雪解けが進んでその大半で登山道を現れています。しかし、大雪渓登山口から数十メートル登るとすぐ始まる積雪区間(右下画像)は、最後まで積雪が残り、斜度もやや強いため要注意です。今日は日差しが強く、気温も高かったため、表面が緩んだため、問題は少なかったものの、スリップしやすい状況ですので、雪になれていない方はアイゼンの携行をオススメします。この箇所は、例年、7月下旬〜8月上旬まで積雪が残っています。

 

昨年のモーグルコースの岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) C
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週のモーグルコースの岩
先週より50センチ減少、昨年よりやや早い雪解け 

さて、大雪渓は厳冬期になると完全に雪に埋まってしまいますが、その中で最も早く頭を出すのがこちらのモーグルコースの岩。
モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると50センチ程度減少し、昨年よりやや早い状況が見られます。

 

雪渓下端まで105メートル

モーグルコースの岩の下端から雪渓下端までの距離は105メートル。昨年は過去最長の105メートルでした。つまり、昨年と並んで過去最長となりました。

 

昨年の石碑の岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) C
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の石碑の岩
昨年とほぼ同じ、例年より遅い雪解け 

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。先週より1メートルほど雪解けが進みました。先週までは昨年より1〜2週間早い雪解けですが、今週はほぼ同じ状態となりました。例年と比べると積雪量の多い状態が続いています。

 

石碑の岩のチングルマ − 全体につぼみ、一部で開花、昨年より早く、例年より遅い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。全体的につぼみが見られるようになり、一部では開花が始まりました。昨年よりも早い推移を見せていますが、例年よりも遅い開花です。

 

昨年の石碑の岩の下部のバーン
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) C
先週の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.11(2014/07/19〜20) B
今週の石碑の岩の下部のバーン
昨年とほぼ同じ、例年より1週間遅い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、ご覧のとおり中央部分の岩の周辺の雪解けが進んできました。昨年とほぼ同じで、例年よりも1週間前後ほど遅い雪解けです。

 

昨年の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) C
今週の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
昨年よりやや早い雪解け、例年より1〜2週間遅い

石碑の岩の南側には雪渓上部から雪渓下部へ滑り降りるエリアがあります。エリアの雪解けも進んできました。昨年よりもやや早い雪解けですが、例年より1〜2週間遅い状態です。

 

【雪渓下部 U、モーグルコース】

モーグルコース

ここからは雪渓下部のモーグルコースの様子をお伝えします。

 

スタート付近には岩が

先週もお伝えしたように、スタート付近に岩が目立つようになってきて、コースそのものをこれ以上伸ばすことはできません。今後は雪解けと共に、コースが徐々に短くなり、例年、滑走不能になる前に雪渓上部左側に新たなコースの作成に取り掛かっています。

昨年よりも雪解けは早いものの、例年と比べると、ほぼ同じか1週間程度遅い状況です。

 

長さ66メートル×17コブ

コースの長さは、66メートル×17コブ(ピッチ:3.9メートル)。滑走する上において、大きな問題はありませんが、そろそろ、長さが気になるようになってきます。

 

今週は人出が少ない

登山客やヒルクライマーは晴天に誘われて多くの人出が見られましたが、モーグルコースに関しては、先週よりも少ない様子。

 

コース脇でお昼休み まるでビーチサイドで夏を謳歌するように

それでも、常連のスキーヤーの方々など、コース脇に陣取って、綺麗な夏空と白いバーンを眺めながらゆっくりとしたお昼休みを過ごされます。まるでビーチサイドで夏の一日を楽しんでいるかのようです。

 

新しいモーグルコースの作成

さて、モーグルコースの岩周辺では、前述の通り、コース長を取ることができないため、既存のモーグルコースの南側に当たる 雪渓中段の中間付近から雪渓下部へと長いラインを取ることができる場所にコブの作成が開始されました。おそらく、ピッチの細かなラインが延々と続く、忍耐勝負のモーグルコースができることでしょう...

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