第29回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍

(2014/09/06〜07) B

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(Update:2014/09/22)

 

【9月7日(日)、生憎の雨、レースはできるのか?】

早朝4時、生憎の雨 − 大会本部にはすでに明かりが...

レース当日の9月7日(日)、時刻は夜明け前の午前4時。今日のノリクラはもう動き始めています。真っ暗なうちから、来場する選手のクルマの往来が多く、警備員の方々は昼夜通して誘導を行っています。さて、肝心の天気ですが、昨日の夜19時頃から雨が降り始めて、その雨が日付を跨いで降り続いています。気温は15℃でさほど低い状況ではありません。

 

上部の天候が心配 − 乗鞍スカイラインは自転車通行止に

大会会場の本部テントにはスタッフが集まり始めています。
今日は大会開催のため、長野県側の県道乗鞍岳線は12時30分まで通行止めですが、岐阜県側の乗鞍スカイラインはいつもどおり3時30分から通行を開始されました。乗鞍スカイライン管理事務所の話では、上部の天候は風速10メートル以上の風が周期的に吹いて濃霧に見舞われているため、現時点では自転車は通行止めの措置をとっているとのこと。大会本部でもこれからゴールエリアまで出向いて状況確認を実施した上で、レース実施の判断を行うこととなります。

 

■9月7日(日)− レース当日のスケジュール■

06:00

● 選手集合・荷物預かり<乗鞍観光センター前駐車場>
    ※ 応援バス 出発<スキー場前 第一駐車場>

06:30

● 開会式(大会宣言・競技説明)<乗鞍観光センター前駐車場>

07:00

● 競技スタート<乗鞍観光センター前> → 下記の カテゴリー別スタート時刻 参照
    ※ 応援バス 到着<大雪渓駐車場>

11:30 ● 競技終了 
12:30     ※ 応援バス 下山<大雪渓駐車場>
13:00

● 表彰式・抽選会<乗鞍観光センター前駐車場>

13:30     ※ 応援バス 到着<スキー場前 第一駐車場>

※ ●印 :選手に関連するもの   ※印 :観戦者に関連するもの

レース当日のスケジュールはご覧の通り。

 

どこの宿にもすでに明かりが − 今日の朝食は5時前後、厨房は大忙し

時刻は5時を回ろうとしています。空が少し白み始め、乗鞍高原一帯の旅館や民宿では、客室には次から次へと明かりが点灯されるようになって来ました。そして、この時間帯は厨房がもっとも忙しいところ。どの宿も出場する選手で満室となっていますから、今日だけは朝食時間が5時前後に繰り上げられています。

毎年のことですが、レース前日の乗鞍高原の旅館・民宿は早期に満室になりますので、抽選に当たって大会出場が確定したら、すぐに宿泊場所を確保しなければなりません。

 

スタート地点

時刻は6時前。雨の降り方も少しずつ弱くなってきました。ほとんど傘がいらないほど...スタートゲートも設置され、観光センター周辺での準備はほぼ完了です。

 

ウォームアップ中(左:金子広美選手、右:筧五郎選手)

上部からの情報では、天候は少しずつ回復傾向とのことで、6時を回って場内には「選手の皆様にご案内します。この後、定刻どおり、6時30分に開会式、7時にスタートとなります。」とアナウンスが入ります。

会場の準備が進められる中、選手の方々も出走前のウォームアップに余念がありません。こちらは筧 五郎選手。2005年大会優勝者で、「56人気」は彼らしいキャラクターからにじみ出るもの....「ヒルクライムはフェイドアウトしたら、もうだめになっちゃうのでやり続けないとね。」

その隣では、「毎回五郎さんといつも走らせて貰っているから体調はバッチリ!」と、金子 広美選手。今回は大会優勝はもちろんのこと、彼女自身が持つコースレコードを更新できるか気になるところ...そのためにも、今日はフルコースでのレース開催を期待したいところです。

前述の場内アナウンスのとおり、この時点では、一応、予定通りに開催することに決まりましたが、空には明るさはなく、はっきりとした天候回復が見られません。

 

選手が続々と会場入り

時刻は6時10分。選手が続々と会場入りします。気温は15℃で夜明け前と変わりません。ご覧のようにそのほとんどの選手がレインウェアーを着用されています。やはり気温15℃で雨に濡れてしまうと、かなり寒さを覚えるかと思います。そして、会場にマイクロバスが横付けされ、該当するゼッケンナンバーのマイクロバスにゴールで受け取る手荷物を預けます。この状況ですから、手荷物には防寒着を忍ばせておく必要があります。

 

出走順に各クラスが並ぶ

ご覧のように各クラスごとに自転車が並べられています。観光センターの建物に近いほうから出走する順番になっています。最初に出走するチャンピンクラスの隣は男子Aではなく、2番目出走の女子A・BとMTB女子です。

 

■9月7日(日) − クラス別 スタート時刻■
スタート時刻 カテゴリ
7:00     チャンピオン  <286名>
7:03     ロード女子A  (16〜35歳)  <46名>
    ロード女子B  (36歳以上)  <145名>
    MTB女子  <15名>
7:09     ロード男子A  (16〜25歳)  <119名>
    ロード男子G  (61〜70歳)  <177名>
    ロード男子H  (71歳以上)  <33名>
7:15     ロード男子B  (26〜30歳)  <218名>
7:20     ロード男子F  @(51〜60歳)  <400名>
7:25     ロード男子F  A(51〜60歳)  <352名>
7:31     ロード男子E  @(41〜50歳)  <275名>
7:37     ロード男子E  A(41〜50歳)  <275名>
7:43     ロード男子E  B(41〜50歳)  <275名>
7:49     ロード男子E  C(41〜50歳)  <275名>
7:55     ロード男子E  C(41〜50歳)  <274名>
8:01     ロード男子D  @(41〜50歳)  <250名>
8:07     ロード男子D  A(41〜50歳)  <224名>
8:13     ロード男子C  (41〜50歳)  <289名>
8:19     MTB男子  <97名>
8:21     ショートビギナー  <38名>
8:23     ショートジュニア<24名>
合計4087名

こちらがスタート表。それぞれ、約300名程度で分けられています。

 

村山利男選手

そのチャンピオンクラスの場所にやって来たのは村山利男選手。この大会を代表する選手といっても過言ではないでしょう。チャンピオンクラスの選手の中には、村山選手を目標に、また、あこがれて出場している方も存在するほどです。

 

本大会で「レジェンド」と呼ばれる

「体調はバッチリだけど...えっアルコール?昨晩もほどほどにチャージしましたよ!(笑)」 レース前には節制する選手が多い中、そんな対策は無縁とのことのようです。さすがに「レジェンド」と呼ばれるだけのことはありますね。

 

雨は走り出してしまえば気にならない

時刻は6時25分。開会式を待つ選手が多くなってきました。「雨に関しては全く問題ないですね。走り出してしまえば気になりません。」

 

六甲おろしを響かせるスピーカーはボトルゲージに...防水仕様です

こちらもおなじみの選手ですね〜。いつも「六甲おろし」を響かせながらレースに参戦。何もかもが黒と黄色のストライプ。手に持つのは六甲おろしを流すスピーカー。これをボトルゲージに装着し、ハンドルに取り付けたスマートフォンから無線(Bluetooth)でスピーカーに飛ばしているとのこと。数年前までは、ラジカセを積んでいた記憶がありますが、進化していますね(笑)。ちなみにこのスピーカーは防水だそうで、今日のような天候でも問題ないとのことでした。

 

雨の降り方が強くなり、テントで雨宿り

6時30分、雨の降り方が強くなってきました。会場の選手はステージのテントに上がって雨宿り。

 

そろそろ開会式 − ハーモニカの練習が
ゴール地点からは天候悪化の情報が

大会本部のテントでは、JCA加藤元彦氏のハーモニカ練習が始まりましたので、そろそろ開会式のはずですが、6時30分を回っているものの、まだ始まりません。

しばらくすると、「選手の皆様にご案内申し上げます。ただいま、ゴール地点の天候がかなり悪化しております。本日の大会につきまして、大会本部にて協議中です。今しばらくお待ち下さい。」との場内アナウンスが繰り返されます。

そのとき、現地からは天候の急激な悪化を報告する無線や電話が入電していて、対応の協議が進められています。先ほどまでは、青空が一部見えているとの連絡もあったほどですから、天候がめまぐるしく変化しているようです。

 

ゴールを大雪渓に変更 − 現場スタッフに連絡を急ぐ

「ゴールは風が強いが、大雪渓なら気象条件はよいらしい...」
そのため、大会本部はゴールを大雪渓に引き下げて開催することを決定します。現在の時刻はスタート20分前の6時40分。この時間帯だと、ゴールの計測機器の設置などは終り、下山誘導の車両もゴール付近に配備完了しているはず。また、選手手荷物を載せたマイクロバスも出発しようとしています。そのため、ゴールを大雪渓に変更するための作業時間が必要となり、スタートを30分遅らせることとなりました。

ちなみにこの時点でのゴール付近の気温は9℃。ここに強風と雨が加わるため、体感温度はかなり寒い状況だと考えられます。

 

実行委員長より、ゴールを大雪渓変更する旨を正式に発表

そして、6時50分。「選手の皆さんにご案内致します。本日の大会につきまして、奥原満登実行委員長よりご案内申し上げます。」とのアナウンスが入ります。

壇上に立つ実行委員長から、「皆さん、おはようございます。大会の状況について、お知らせいたします。ゴール地点の気象状況が気温9℃、風速が15メートルを超え、自転車の走行が困難な状況です。従って、ゴールを大雪渓とし、距離が19.1kmの短縮コースに致します。また、ゴール地点の計測及びスタッフの準備のため、スタート時刻を30分遅らせて実施いたします。すべてのクラスで30分遅れのスタートなりますのでよろしくお願いいたします。」と、会場の選手に伝えられました。

 

すべてのスケジュールを30分遅らせる(スタートは7時30分)

すべてのスケジュールが30分遅れとなり、開会式は7時から、競技開始は7時30分。ゴール足切り時刻も11時30分から12時に。そして、表彰式は12時30分から13時へと変更されました。ただし、道路通行止時刻については、関係機関やシャトルバス運行の都合から12時30分解除に変わりありませんので、スケジュール遅延は許されない状況なってしまいました。

 

「大雪渓とゴールとでそんなに違うんですか?」 昨年2位の矢部 周作選手
「レース展開を組み立てなおさなくっちゃ!」

「大雪渓とゴールとでそんなに天候が違うんですか?」と、疑問に思う方も多いかと思います。位ヶ原から先は森林限界を超えて木々が低くなり、気象条件を直接受けやすくなりますが、特に大雪渓から先はほとんど木がない状態で、さらに県境は飛騨側からの影響もあって、一段と強くなります。

右の画像は、昨年大会2位の矢部 周作選手。「短縮コースになって、レース展開がわからなくなりましたね。」
1.4km短くなっただけと思うかもしれませんが、全体で見ると約7%ほど短縮されています。しかも、森林限界を超えて空気が薄くなって体力的にも一番つらいところがなくなっていますから、ラストのダッシュを掛けたときの持続時間も変わってくるはず...

 

フレームには区間勾配を細かく記載した紙が − 勝つためには緻密な計算が

選手同士の駆け引きやペース配分の計算はレースをするうえで重要で、こちらの方は1kmごとの区間勾配を細かく記した紙をフレームに貼り付けてあります。フルコースで実施されたならば、距離20.5km、標高差1260mですから、平均勾配は約6%になります。こちらに記された最大勾配は13.5%で平均勾配の2倍以上にもなっていました。ここまで緻密に計算することで「勝つ」ための一歩につながるのでしょう。

 

チャンピオンクラス − スタート位置まで移動

そして、レース開始15分前。規制線のテープを係員が持ち、選手はそれと一緒にスタート位置まで前進します。

 

ネット計測なのでスタート位置の違いは問題ない

以前はスタートでの計測はなくゴールのみの計測でしたので、一度に300名近くの選手が一斉にスタートすると数十秒の違いが生じます。そのため、出走位置をできるだけスタート地点のアタマに持ってこなければいけませんでしたが、ネット方式に変更されて、各選手のスタート時刻も計測されるようになり、どの位置にいても正確にタイム計測されるようになりました。ただ、「駆け引き」という点では、できる限り先頭にいたほうがよいのでしょう。

 

7時30分スタート、今回のエントリー数は4087名

ゴール変更により、コース全長が1.4kmほど短くなってタイムにして数分の違いが出てくるかと思いますので、大会レコードなどを過去の記録と比較するときは、その点を考慮する必要があります。

そして、7時30分のチャンピオンクラスを皮切りに、4087名の選手が順次スタートを切ります。

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