ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.20(2014/09/20〜21) A

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(Update:2014/09/25)

 

【観光センターから大雪渓へU(三本滝ゲート〜大雪渓沿道の風景)】

三本滝ゲート −この先はマイカー規制

こちらは観光センターから7km先の三本滝ゲート。ここから先はマイカー規制です。

ゲートの係の方が「畳平に行くと、山が全部見えるね〜。ノリクラは23座あるんだってさ...」と、おっしゃっています。
長野県側からの眺望では主峰の剣ヶ峰のほか、蚕玉岳、朝日岳、摩利支天岳、富士見岳、大黒岳までしか見られませんが、畳平からは、摩利支天岳、富士見岳、大黒岳に加えて、お花畑の反対側の不動岳、畳平から一番手軽に登山が出来る魔王岳、そして、それに続いて、恵比寿岳まで確認することが出来ます。乗鞍スカイライン側を下って行くと、大丹生岳、四ッ岳、烏帽子岳、猫岳があって、ノリクラの奥深さを感じることが出来ます。

乗鞍は岐阜県・長野県の両県を跨いでいることを忘れてはいけません。ちなみに剣ヶ峰の隣に見える高天ヶ原は23座(23峰)に含まれていません。

 

かもしかゲレンデ

三本滝ゲートを過ぎてこちらはかもしかゲレンデ。

 

ヤナギランが紅葉 綿菓子のような...

ヤナギランが赤く紅葉を始めたと同時に、まるで綿菓子のように綿毛にいっぱい包まれています。風の吹く日は綿毛が飛び散ってゲレンデ中をふわふわと舞い上がる様子を見ることが出来ます。

 

緑から黄色へ

木々の緑に変化が見られるようになって来ましたが、本当に週を追うごとに緑が薄くなって黄色の部分が増えています。

 

日本一週、火山を巡る旅に − 乗鞍岳は活火山です

さて、小さな折り畳み自転車で、しかも大きなザックを背負ったこちらの方。話をお聞きすると、車中泊を繰り返しながら日本一周旅行の最中でもう2ヶ月近く経過しているとのこと。全国の火山を巡る旅とのことで、昨日は焼岳に行ってきました。ただ、車でいけないところは、ご覧のような自転車や徒歩でチャレンジされているとのことでした。

折りたたみの小さな自転車で登ってこられる方は結構いますが、多くの方が苦労され、途中でギブアップしてしまいます。しかし、こちらの方はさほどつらそうな様子もなく、軽快に登っていかれましたので、日本一周火山の旅も順調に進んで行くことでしょう...

 

乗鞍岳火山監視用のカメラ(赤枠部分 観光センター前)

さて、火山という点で乗鞍岳について少し触れておきます。

乗鞍岳は複数の火山が集合した複合火山であり、128〜125万年前の千町火山体から始まり、その後、烏帽子火山体(32〜12万年前)、四ッ岳火山体(4万年前)、恵比須火山体(2万年前)、権現池・高天ヶ原火山体(10万年前以降)の5つに区分され、現在の形になったのは9000年前とのことです。主峰剣ヶ峰山頂付近にある権現ヶ池は、権現池・高天ヶ原火山体の火口で、畳平にある亀ヶ池は恵比須火山体の火口です。

火山噴火の予知・研究のための関係機関が集まり、観測データや情報の交換を行い、火山活動についての総合的判断を行う」ことを主目的として設置されている機関である火山噴火予知連絡会では、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義し、2011年6月現在では110の火山が選定され、その中に乗鞍岳も含まれています。

また、火山噴火予知連絡会は、今後100年程度の中長期的な噴火の可能性及び社会的影響を踏まえ、火山防災のために監視・観測体制の充実などの必要がある火山として全国で47の火山を選定していますが、乗鞍岳は過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められる火山として選定され、監視活動が続けられています。

こちらの画像は観光センターの入口付近のトイレ前。身障者駐車スペースの奥に監視カメラがありますが、これが火山監視用のカメラで、常に山頂付近の様子を捉えています。

 

今年の紅葉は中腹エリアから見頃になった

桜前線は南から北へ、そして、紅葉前線は標高の高いところから低いところへ進むのが定説ですが、今年の乗鞍は中腹の冷泉〜摩利支天付近から見頃を迎えました。

 

中腹エリアの紅葉は毎年綺麗に発色してくれる

この付近は毎年安定した綺麗な発色を見せていて、上部の大雪渓・位ヶ原エリアのような当たり外れがありません。今回も綺麗な色合いを見せてくれました。

 

 冷泉小屋付近 − 青空に紅葉が映える

綺麗な青空に包まれると、紅葉の色合いがより一層鮮やかに感じられるもの。

 

位ヶ原山荘

そして、位ヶ原山荘を過ぎると森林限界を超えるため、さらに別世界が広がっています。

 

錦絵が広がるまであと1週間程度

本当に少しずつではあるものの、紅葉は着実に進んでいます。錦絵が広がるようにまでには、あと1週間程度必要かと考えられます。

 

位ヶ原11号カーブ

同じ箇所でも、色付いている木と色付いていない木があって、すぐとなりは真っ赤でも、その隣は全然進んでいないという状況もよく見られます。

 

「雲の博物館」

長野県は「雲の博物館」と呼ばれているそうですが、確かにそのように言われてもおかしくないほど色々な形の雲が流れていますね。

 

今回はヒルクライマーが少なかった

先週は今シーズン一番の入山台数となったヒルクライマーも、取材一日目の9月20日(土)は27台、2日目の9月21日(日)は34台と少ない状況。来週から始まる本格的な紅葉まで待機されているのでしょうか?

今回は週間天気予報で雨マークが見られたものの、実際には全く問題はありませんでした。週間天気予報で雨マークが表示されると結構早い段階で取りやめてしまう傾向は見られるようです。

ノリクラ雪渓カレンダーでは、毎回、ヒルクライマーの方々へ安全走行のためのお願いを掲載させていただいております。秋になって、熱中症の心配は少なくなって来ましたが、防寒対策には万全を期してお越し下さい。

【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、自転車の点検整備、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】

レインウェア(防寒着)の持参−天候の急変と下山時の寒さを防ぐため

本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェア・フルフィンガーのグローブなどの装備は必ず持参して下さい。特に9月以降は登りでも寒さを感じるほどです。

自転車の点検整備と修理道具の携行

走行前は必ず自転車の点検をお願いします。ブレーキとタイヤの傷・ヒビ・異物・空気圧のチェックは走行前には毎回チェックして下さい。また、パンク修理のためのキットと携帯ポンプは必ず持参して下さい。

熊鈴の携行

8月から9月にかけて、熊の出没が頻繁になる時期を迎えます。熊は森林の中だけでなく、道路上にも出没します。そのため、自動車のような走行音のしないヒルクライムは鉢合わせする危険性がありますので、熊鈴を鳴らしながら走行することをオススメします。

熊だけでなく、野生の猿も確認されています。

熱中症予防と水分補給などの可能な場所

気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。

場所(観光センターからの距離、標高)

飲料水

売店(スポーツドリンクなど)

トイレ

三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内)
大雪渓(18km地点、標高2600m) △ (沢水) × ○ (公衆トイレ)
終点畳平(20km地点、標高2702m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)

持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。

めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)

走行上の注意点

<前を良く見て走行してください。(特に登り走行時)>

ヒルクライムで、下を向いたままべダルをこぐ様子が良く見られます。その場合、対向車の存在に気付くことが遅れて、正面衝突する危険性があります。必ず前を見て走行してください。

<並走禁止(横並び走行)>

横に並んだ並走走行は道路交通法でも規制されています。友人同士でおしゃべりしながら並んで走行するのは楽しいものですが、県道乗鞍岳線は狭小区間が多く、後ろから来た自動車が追い抜くことができません。また、対向する車両との接触の危険性もありますので、絶対に並走しないようお願いたします。

<下山時はスピードを落として、カーブミラーもしっかりと確認>

スピードを乗せたダウンヒルは楽しいものですが、大会などでコース規制がされた状態ではありませんので、すぐに止まれるスピードで走行してください。また、カーブミラーでヘアピンカーブの先の状況もよく確認してください。カーブミラーの確認をすると姿勢が不安定になるという方もいらっしゃるかと思いますが、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。しっかりとカーブミラーが確認できる速度までスピードダウンしてください。

<防衛運転に徹すること>

他の車両との事故の場合、過失の問題が生じますが、いずれにしても、ダメージが大きいのは自転車の方です。必ず防衛運転に徹するようお願いいたします。

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