ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.25(2014/10/25〜26) E

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(Update:2014/10/30)

 

【あとがき − 今シーズンを振り返って】

@ 2014/03/15 10:55
どこから見てもノリクラの峰々が美しい
(ツアーコース − 5〜6番標識間)

2014シーズンも終わってしまいました。一年が長く感じる一方、あっという間に終わってしまったとも感じます。でも四季折々の美しさは、いつもと変わらず、記憶として鮮明に残っています。

 

■ 冬−厳冬期だからこそ美しさがあり厳しさがある

 

@ 2013/12/21 11:25
この1週間でハイシーズン並みのパウダーゾーンに大変身
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2014/01/03 12:35
山頂付近から雪煙が舞い上がる − 午後から天候は下り坂へ
B 2014/02/22 10:15
終日、超快晴!
C 2014/03/22 13:35
肌をも焦がす力強い太陽が終日輝く
(ツアーコース − 1番標識付近)

厳冬期の乗鞍はなんと言っても青と白の世界しかない美しさ。でも、きれいな青空が広がる穏やかなタイミングは本当に少なく、大半が鉛色の吹雪の日ばかりだからこそ、その反動でより美しく感じるものかもしれません。しかし、グリーンシーズンのように何人をも寛容に受け入れる世界とは異なり、この場所へやってくることができる者だけが味わえる環境は、本来の登山の姿を残しているとも言えます。

 

@ 2014/01/01 12:25
新春初滑りは激パウダー
(屋根板
A 2014/01/25 12:35
長さ300m×幅70m − 今シーズン初の大規模な雪崩
(3号カーブ下、破断面・発生点はコルの右にある岩付近
B 2013/12/22 09:35
新雪40〜60センチ − 深雪ラッセルが堪える
(屋根板
C 2013/12/14 09:10
冬山装備は普段から使用練習に心がける!
(ツアーコース − 1番標識付近

時には腰ぐらいまで埋まってしまうほどの新雪に阻まれたり、雪崩に注意しながら行動しなければなりません。穏やかそうに見える場所でも、雪面に足を踏み入れた瞬間、足元から地割れが四方八方に広がって行く瞬間は血の気が引けるもので、ある日突然、牙をむくのが自然であり、人間は謙虚で慎重に行動しなければならないと思い直すものです。

 

@ 2014/02/15 07:30
明け方から雪はさらに増加 − 膝上まで積もって歩けない!
(観光センター前駐車場
A 2014/02/08 15:35
朝からの降雪は40センチ − 身動き取れない車が続出
(Mt乗鞍 第3駐車場 − スタッドレスでもチェーン携行を
B 2014/02/15 10:10
昨日からの積雪は1メートル − 車もすっぽり埋まるほど
(Mt乗鞍 − 山麓駐車場)
C 2014/02/15 11:30
スノーモービルもスタックするほど...
(Mt乗鞍 −パトロールセンター

今年は、そんな自然の猛威が山麓をも襲いました。2月は全国的に大雪に見舞われ、乗鞍周辺の道路は雪崩で埋まって、一時孤立状態になってしまいました。Mt乗鞍ではスタッフすらスキー場に到着できない状態で、2月中旬の連休の来客を見込んでいただけに、スキー場も周辺の旅館・民宿も大きな打撃となってしまいました。

 

 

 ■ 春 − 雪山のスケールを味わう

 

@ 2014/04/25 13:20
高さ5メートル以上 − 切り立つ雪壁の外へ勢い良く!
(位ヶ原11号カーブ付近
A 2014/05/15 09:30
安全祈願神事
(乗鞍スカイライン − 猫岳山腹
B 2014/05/04 09:15
今日の始発便は8台 376名−運行開始以来 最高人数
(乗鞍岳春山バス始発便 − 位ヶ原山荘
C 2014/05/03 08:25
乗鞍高原の子供たち−「水芭蕉子」がスキーヤーを歓迎
(乗鞍岳春山バス − 三本滝バス停)

ノリクラで春の息吹を感じさせるのは、県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインの除雪作業。4月上旬から始まります。県道乗鞍岳線ではゴールデンウィーク前に位ヶ原山荘まで除雪が完了し、乗鞍スカイラインでは4月下旬には畳平まで除雪が完了します。そして、それぞれの道路で乗鞍岳春山バスやシャトルバスの運行が始まります。

バスの運行が始まると、多くの春スキーヤー・ボーダーが訪れるようになり、それまでの静かなノリクラとは一変して、にぎやかな雰囲気に包まれ、名実共にグリーンシーズンの到来となります。

一進一退を繰り返していた季節も、5月以降になると急速にに天候・気候も安定し、梅雨に入るまでは本当に過ごしやすい時期が続くときでもあります。

 

@ 2014/05/31 08:15
乗鞍岳春山バス − 5月29日(木)より大雪渓へ運行開始
(県道乗鞍岳線−大雪渓下 4号カーブ、雪壁 高さ8.8m
A 2014/05/04 09:40
気温7℃、快晴無風 − 見事な青空
(屋根板下部)
B 2014/05/24 13:20
さあ〜飛び込むぞ − 山頂直下からダイブ!
(剣ヶ峰山頂直下
C 2014/06/14 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6
頂上小屋 今シーズン営業開始

乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬から6月末までは、たくさんの春スキーヤーがお越しになります。しかし、近年は終点の位ヶ原山荘周辺での雪見散策を楽しむ観光客が多くなり、春山バスの利用者も年々増加し、春のノリクラの大きな目玉となりつつあります。一面に広がる銀世界はスキー場の雪景色とは比べ物にならないスケール感があり、それがバスを降りた瞬間に広がりますから、ノリクラならではの光景と利便性がマッチングした観光資源として、これからも多くの方々に知っていただく必要があると思います。

 

■ 夏−ノリクラの多様性を感じて

 

@ 2014/07/05 10:30
天候は回復、時折青空が...
(大雪渓下部 − アルペンボード
A 2014/07/20 13:00
終日ひんやりとした空気に包まれる一日
B 2014/07/26 08:15
ノリクラもようやく夏の雰囲気に
(ヒルクライム − 県道乗鞍岳線 摩利支天バス停付近
C 2014/07/26 13:35
登山者で賑わう − 数珠繋ぎの登山道
(乗鞍岳登山道 − 稜線直下

7月に入るとノリクラのグリーンシーズンが本格的に始まります。登山、自転車、そして、夏スキー。様々な楽しみ方をノリクラが受け入れる時期。そして、一斉に咲き乱れる高山植物の時期でもあります。

 

@ 2014/07/19 13:50
突然、雷鳴と共に土砂降り、一時 霰(あられ)が...
(大雪渓入口 − 一斉に避難小屋へ
A 2014/08/16 ノリクラ雪渓カレンダーVol.15 F
大雨の末は、激しい濁流に飲み込まれる
B 2014/08/15 11:50
暴風雨の中、急いでシャトルバスに乗り込む
(大雪渓・肩の小屋口バス停)
C 2014/08/11 12:05
「えぇ...!!通行止めなの〜〜」
(引き返すヒルクライマー − 三本滝ゲート)

しかし、今年の夏は天候不順に見舞われました。特にお盆の時期は雨が連日降り続き、それも雷雨や大雨に見舞われる状況で、雨量規制による通行止めも頻繁に発生いたしました。乗鞍スカイラインでは、法面崩落による通行止めが発生し、早期に復旧したものの、一時はお盆期間中は復旧できないのではと心配させられる状況もありました。冬の大雪で来場者が少ない状況だったのに、お盆という大事な時期の悪天候は、お越しになる方々ももちろんですが、地元の観光産業にも大きな影響を与えるものとなりました。

 

@ 2014/08/23 ノリクラ雪渓カレンダー Vol.16 B
クマ出没 登山道も規制中
A 2014/08/23 ノリクラ雪渓カレンダー Vol.16 B
登山道脇まで出没
B 2014/09/21 ノリクラ雪渓カレンダー Vol.20 E
鋭い目、膨らませた顔の輪郭 −こちらを警戒
C 2014/08/23 ノリクラ雪渓カレンダー Vol.16 B
グリーンサポートスタッフ監視中

お盆過ぎからノリクラでは山頂方面を中心にツキノワグマが頻繁に出没するようになりますが、今年は例年になく たくさんの目撃件数が報告されました。2009年9月の事故以来、畳平周辺では監視体制が整えられ、今年はそれ以降でもっとも多い目撃件数となりました。ただ、目撃報告のたびに、登山道の入山規制が実施され、無人になった登山道にクマが近寄りやすくなり、逆にクマの行動を広げてしまう懸念もあって、クマと人間との共存関係をどのように維持して行くのかが難しい問題でもあります。

 

@ 2014/06/22 11:55
レース終了間際になって、ようやく視界が開ける
(第9回乗鞍天空マラソン)
A 2014/07/13 08:18
激坂が始まる
(第11回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライ)ム
B 2014/07/13 08:49
レースの行方はまだわからない
(第11回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム)
C 2014/09/07 08:34
女子優勝は金子広美選手、今大会三連覇!
(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍−大雪渓ゴール)

ノリクラは森林限界を超えた高山帯を持つ3000メートル急の山としては、非常に特異な環境を持っています。それは自動車道が横断していること...戦前の航空機エンジン高所テストのために陸軍が畳平まで道路を建設したことがきっかけで、戦後の乗鞍は自動車で登山する山として発展しました。最も多いときで年間50万人の来場者がありましたが、オーバーユースによる環境問題が浮上するようになってきました。有料道路だった乗鞍スカイラインは償還期限が過ぎた後は無料化されるため、更なる利用者増加が問題視されて、2003年の無料化と同時にマイカー規制が実施されました。そのため、現在では利用者が15万人程度まで落ち込み、特にマイカー規制実施当時は急激な落ち込みで地元観光に大きな打撃となりました。

しかし、その道路を生かした取り組みが自転車レースやマラソンの大会開催へとつながります。また、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は今年で29回と老舗のヒルクライム大会で、「キング オブ ヒルクライム」と冠するほどの人気ぶりです。

 

■ 秋 − シーズン終盤、最後のノリクラを飾る

 

@ 2014/09/28 09:35
紅葉 − 中腹エリアの色合いは他のエリアよりも鮮やか
(県道乗鞍岳線 − 摩利支天〜荒田沢橋間)
A 2014/09/28 09:55
紅葉 − ダケカンバの色合いが昨日よりも進む
(県道乗鞍岳線 − 冷泉小屋前)
B 2014/09/28 10:40
紅葉 − 昨晩は霜が降りず、上部エリアの紅葉は温存
(県道乗鞍岳線 − 位ヶ原11号カーブ)
C 2014/09/28 11:35
紅葉 − 全エリアで一斉に見事な発色、稀に見る当たり年
(県道乗鞍岳線 − 大雪渓下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

グリーンシーズンを締めくくる紅葉は、誰もが待ちわびていた瞬間でしょう。今年は昨年よりも1週間程度早く見頃・ピークが訪れてしまい、また、例年なら1週間程度続く見頃が 今年は数日しかなかったこともあって、時期をはずしてしまった方も多かったようです。

4枚の画像が撮影された9月28日はピークを迎えた数日間の中でも終日快晴の絶好の一日で、例年になく当たり年を迎えました。なかなか、ピンポイントで狙い撃ちしてお越しになることは難しいところがありますが、当WebSiteでお伝えしている紅葉情報をご参考にしていただければ、ある程度の予測が立ちます。紅葉情報は紅葉の始まる前の9月上旬から掲載を始めますので、ぜひともご活用下さい。

 

ノリクラに携わる人たち

 

@ 2014/06/01 09:30
夏山シーズンに備えて、登山道の整備が始まる
(大黒岳登山道)
A 2014/07/05 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9 @
三本滝ゲートの警備

ノリクラの自然は人間には作ることのできない雄大さがあります。

 

@ 2014/04/25ノリクラ 雪渓カレンダープレリリースVol.5 D
「ずーっと下や後ろを振り返るから首が痛くて...」
A 2014/10/19 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24 A
「昨日は樹氷が綺麗でした...」
B 2014/06/28ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8 @
おにぎりが最後の1個になっちゃいました!
C 2014/04/24 10:15
「ちょっとここ狭いなぁ〜」− 狭いところはスコップで広げる
(乗鞍岳春山バス試運転 − 三本滝上)

しかし、多くの方がノリクラにお越しいただくには、地元の方々を中心に多くの人の手で支えられていることも忘れてはなりません。自然の景観は確かに「無料」で作られているかもしれませんが、それを保持する活動には色々な形で多くの経費が掛かっています。

現代社会では「コストパフォーマンス」という尺度で、すべてのものを考えてしまう傾向が強いところですが、コストパフォーマンスで評価してしまうと、受身の楽しみ方しかできないように思います。積極的に楽しむという姿勢で取り組むと、その価値が大きく変わり、そこには多くの人手が掛かっていることに気付くはずです。自然自身はコストパフォーマンスを上げることはしません。それは訪れた方が如何に価値あるところを探し出すかにかかっています。

 

■ 笑顔 − ノリクラの風景になる

 

@ 2014/09/21 05:35
今日のご来光は最高!
(大黒岳 −ご来光バス運行は9月30日まで)
A 2014/10/19 11:50
日本一周142日目はノリクラを行く
(県道乗鞍岳線 − 位ヶ原6号カーブ
B 2014/08/24 10:45
綺麗な青空に向かってヒルクライマーが駆け抜ける
(県道乗鞍岳線 位ヶ原11号カーブ)
C 2014/10/18 14:05
夕方まで見事な快晴 − 硬いバーンを豪快に滑走
(新雪10〜20センチ、大雪渓上部)

積極的に楽しむこと...それは訪れた方々ご自身が、ノリクラの風景になることです。

 

@ 2014/08/31 07:00
今日の目標は畳平まで往復3本!
(全日本マウンテンサイクリングに向けて!−観光センター
A 2014/06/22 10:40
気温6℃ 手が悴む冷い雨 − バケツのお湯が気持ち良い!
(第9回乗鞍天空マラソン − 大雪渓エイドステーション
B 2014/09/07 09:25
めでたくゴールイン−優勝で結婚式に花を添える森本誠選手
(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍−大雪渓ゴール)
C2014/10/19ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24 A
畳平までの楽しいドライブが続く

ノリクラでヒルクライムする姿、マラソンする姿、登山する姿をご覧になった方が、「あんな風にやってみたいなぁ〜」と、感じることはしばしばあるものです。そして、そのように思った方々は、ぜひとも、ノリクラでのヒルクライムやマラソンや登山にチャレンジしてみて下さい。いきなりは無理かもしれませんが、それを目標にトライして見て下さい。

そして、チャンレンジしたその姿を見た方が同じように「やってみたい〜」と思ってもらう...そんな「循環」が必要なのです。

 

@ 2014/05/31 08:30
雲ひとつない快晴とさわやかな空気に包まれる
(大雪渓入口)
A2014/05/17ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2 D
剣ヶ峰山頂、行ってきました!!
B 2014/06/22
「ご飯がおいしい〜〜(笑)」
第9回 乗鞍天空マラソン  D
C 2014/09/07
MTB女子表彰選手 −笑顔がほころぶ
第29回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍  F

 笑顔がほころぶ瞬間があるからこそ、一日を過ごして行けるもの...また、来年もそんな笑顔にめぐり合えることを楽しみにしています。

 

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