ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

番外編<真冬のノリクラサミット>
(2014/12/27〜28) B

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(Update:2014/12/30)

 

【ツアーコースU − 3番標識から6番標識】

ツアーコースは距離1.9km 標高差500m

ツアーコースは、かもしかペアリフト終点の標高2000メートルにあるツアーコース入口から始まり、県道乗鞍岳線11号カーブのある標高2500メートルのツアーコース位ヶ原急斜面出口まで続いています。入口から出口まで歩くとかなりの距離感を感じますが、実際の道程は約1.9kmしかありません。しかし平均勾配は26%にも及んでいますので、なだらかに感じられるものの、かなりの急勾配で、それが体感的に距離感を感じるのでしょう。

勾配が26%もあると自動車での走行は不可能ですから、県道乗鞍岳線はかなり迂回していて、ツアーコース入口の近くにある三本滝ゲートから、ツアーコース位ヶ原急斜面出口にある11号カーブまで、9.5kmもあります。

 

昨年の3番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版番外編
(2013/12/21〜22) B

先週の3番標識
(2014/12/20)
今週の3番標識
先週より5センチ増加
昨年より10センチ多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は積雪量がほぼ同じ時期の昨年のもので右上が先週のものです。先週よりも5センチ増加して、昨年より10センチ多い状態です。ツアーコースは全体的に昨年よりも積雪量が多い状態で、特に上部に向かうほどその傾向は顕著です。

 

雲ひとつない快晴が続く

雲ひとつない快晴...移動性高気圧がやってくるとこのような天候に恵まれますので、天気図をにらめっこしながらタイミングを見計らえば、この条件に遭遇することは可能ですが、それが週末にやってくるのはなかなかありません。

 

随所にビューポイント

ツアーコースはノリクラの峰々を一望できるポイントが随所にあって、登るにしたがって次第に間近に迫ってきます。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 では、ツアーコースや過去の雪崩箇所がわかるようにマッピングしております。国土地理院のサービスを利用したもので、新バージョンに対応した改定作業を進めています。それまでの間、バージョン終了の旨の警告ウインドウが表示されますが、今しばらくお待ちください。

 

昨年の5番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版番外編
(2013/12/21〜22) B

先週の5番標識
(2014/12/20)
今週の5番標識
先週より10センチ増加
昨年より70センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は積雪量がほぼ同じ時期の昨年のもので右上が先週のものです。先週より10センチ多く、昨年より70センチ多い積雪量です。

3番標識のところで申し上げたように、上部エリアは昨年よりも積雪が多い様子が顕著に見られます。

 

気温マイナス10℃ 下山のスキーヤー − 強風で森林限界で引き返す

気温はマイナス10℃で、今日は日中になっても上昇せず、太陽の暖かさを全く感じられません。お昼近くになると、上部エリアから下山されるスキーヤーの姿が見られるようになります。お話をお聞きすると、位ヶ原急斜面を登り切った森林限界でかなりの強風で、引き返してきたとの事...

位ヶ原急斜面を登り切ったところで突然強風に見舞われることはよくあることで、さらにその先からは樹林帯を切り通したコースではなくなって、オープンバーンになりますから、その手前の位ヶ原急斜面で、先へ進むか引き返すか行動を判断する必要があります。

 

谷が現れる

さらに進むと、平坦だったツアーコース内に谷が現れます。

 

昨年の6番標識付近の谷
2014ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版番外編
(2013/12/21〜22) B
今週の6番標識付近の谷
積雪量が多くかなり埋まっている−それでも下山滑走は注意

この谷は6番標識前にあり、谷が完全に埋まるのは2月以降のことで、特にシーズン初めは登ることも困難なほど深い状況です。左は昨年のもので、右は今週のものです。周囲の木々を比較するとお分かりかと思いますが、今年はかなり積雪量が多くなっています。それと同時に谷そのものもかなりうまっています。ただし、下山滑走でそのまま突っ込むことはできませんので、特に濃霧時などは慎重に滑り降りてください。

過去にはこの付近のウェーブを下山滑走中に転倒骨折して、長野県防災ヘリコプターによる救助が実施される事案が発生しています。十分ご注意ください。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

 

【ツアーコースV − 位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなってきます。

画像左下に位ヶ原山荘の方向を示す看板があります。位ヶ原山荘へはこの斜面を登らず、右側の樹林帯を進んでいきます。山荘までおよそ1km程度ですが、目印として赤布が木に縛り付けてありますので、迷うことはないはずです。

今回はそのまま位ヶ原山荘に進まず、さらに登って、位ヶ原から屋根板を滑り降りて位ヶ原山荘を目指します。ただし、天候状況の悪い場合は、前述の赤布をたどって位ヶ原山荘に向かうことをオススメします。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 番外編(2013/12/21〜22) C

先週の位ヶ原急斜面
(2014/12/20)
今週の位ヶ原急斜面
先週より40センチ増加
昨年より1メートル多い

積雪量は、先週より40センチ増加して、昨年より1メートルも多い状況。例年、この時期は位ヶ原急斜面のブッシュが問題ですが、登行はもちろん、滑走も問題なく可能な状態で、ここまで積雪量の多い状況は過去に例がありません。

 

この先の森林限界に備えて防寒対策(フェイスマスク等) − 悪天候時はここで行動中断を検討

位ヶ原急斜面を登り切った先は森林限界となってオープンバーンが広がります。そのため、視界が急激に悪化すると濃霧に見舞われていたり、今回のように快晴であっても、猛烈な強風が吹きぬけ、急激に気温が低下している事が普通であるといってよいでしょう。そのため、この先は極寒に対応するためにフェイスマスクや厚手のグローブなどを装着します。

また、場合によっては、濃霧による視界不良で、身動きが取れなくなることもあります。位ヶ原急斜面までのツアーコースは樹林帯の中ですから、多少の濃霧では視界は確保されています。しかし、森林限界以降のオープンバーンでは視界が100メートルを切ると、周辺の状況が判断できず、方向感覚がなくなってしまい、どちらに向かって歩いているのかわからなくなります。

そうなる前に、行動を中断する必要があり、その判断ポイントがこの位ヶ原急斜面だと認識してください。

 

遠方の山並み(@ A B)

身動き取れないホワイトアウト状態とは裏腹に、天候が良ければ、遠方の山並みが横一列に並ぶロケーションが広がります。(画像@ A B)

 

@ 八ヶ岳、鉢盛山、小鉢盛山 A 南アルプス、野麦峠スキー場 B 中央アルプス

左の画像(画像@)には2つのピークがありますが、左が鉢盛山で右が小鉢盛山。その背後にあるのが八ヶ岳連峰です。そして、中央の画像(画像A)の一番背後が南アルプスです。画像の左寄りに白い帯が縦にありますが、こちらが野麦峠スキー場です。そして、右の画像(画像B)は中央アルプスです。

御嶽山はさらに右にありますが、高天ヶ原に隠れて見えません。剣ヶ峰山頂に到達すれば、確認することが可能です。

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