ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

番外編<真冬のノリクラサミット>
(2014/12/27〜28) D

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(Update:2014/12/30)

 

【12月28日(日)、今年最後の真っ赤な日の出】

早朝7時前 − 空が白みはじめ、山荘前にメンバーが集まる

一夜明けて、早朝7時前の位ヶ原山荘。気温はマイナス10℃。西からの冷たい風が吹き付けていますが天候は良く、空が徐々に白みかけてきました。厳冬期は鉛色の空に覆われていることが多い中、貴重な朝焼けの瞬間を体験しようと、メンバー全員が山荘前に集まります。

 

東の空が燃え始める

6時53分。東の空が赤く燃え始めます。その右側には甲斐駒ケ岳。手前には野麦峠スキー場が確認できます。

 

稜線から眩しい日の出

6時57分。稜線上から眩しい太陽が頭を出し始めました。

 

神々しいこの瞬間 −すべてのものを真っ赤に染める

見る見るうちに周囲のものをすべて真っ赤に染めます。日の出は毎日必ずやってくるものですが、神々しいこの瞬間に立ち会うことができるのは、今後の年末の天候状況を考えると、おそらく今年はこれで最後となるはずです。

 

空も次第に青さが増す

そして、夜から朝への儀式を迎えたあと、空はぐんぐんと青さを強くし、今日一日が始まります。

 

日の出直後の位ヶ原山荘では 出発する登山者

さて、位ヶ原山荘では、夜明けと共に出発しようとする登山者の姿がすでに見られます。

 

大学の登山部の学生さん − 雪上訓練を兼ねて剣ヶ峰へ

大学の登山部の学生のみなさん。雪上訓練などを兼ねて剣ヶ峰へ出発です。

 

常連メンバーも − 今日は富士見沢へ

そして、常連のメンバーもいよいよ出発...今日は富士見沢を目指す予定。

 

二日とも快晴のサミットは初めて

毎年、この時期に開催していますが、二日とも快晴に恵まれたことは初めて...

 

白い斜面は全部滑りつくしたい!

これ以上のコンディションはありません。目の前の白い斜面は全部滑りつくしたいという衝動に駆られて出発します。

 

【パウダーを求めて − 屋根板、富士見沢】

屋根板入口

まずは位ヶ原山荘の前に広がる屋根板へ...

 

屋根板 − ハイシーズン並の積雪量

この時期の屋根板はブッシュがまだ多く、滑走できるエリアが限られる事が多いものの、今年はそんな心配は全くありません。

 

この付近も毎年雪崩発生

滑走エリアは完全に疎林になっていて、どこを滑ってもOK...ただし、この付近は毎年雪崩が発生するエリアでもありますから、その点は念頭に置く必要があります。

 

まずまずのパウダー

屋根板上部では雪煙が舞い上がっていていますが、こちらは比較的穏やかな状況で、雪面も風の影響が少なく、まずまずのコンディション。

 

2本目は富士見沢へ

もちろん、1本だけでは物足らず、次に向かうのは本命の富士見沢。

 

稜線上の雪煙から富士見沢を直登するルートで シールのグリップを失う前に上端手前でとどめておく

富士見沢上部に向かうには、一般的には摩利支天岳東斜面(通称:すべり台)から登り、登り切ったところを稜線伝いに移動することが多いのですが、今日は富士見沢下部でも雪面が固く、稜線にたどり着けないことが予想されるため、富士見沢をシールで直登して、シールで登ることができるところまでにとどめておくという条件にしました。

また、上記のような場合でも場所によってはアイスバーンに遭遇する危険性がありますので、アイゼンは必ず持参してください。

 

激しく雪煙が舞う

ご覧のように富士見沢の稜線付近は激しく雪煙が舞い上がっていて、天候状況の厳しさが伝わってきます。

 

柔らかい部分を探しながら

まっ平らに見える富士見沢も斑状に雪質が異なっていて、柔らかい部分を探りながら滑走します。それがゲレンデスキーと異なるバックカントリーらしさといえるでしょう。

 

「いや〜、楽しかった...」の一言に尽きる

今日のような好条件に恵まれた中でのバックカントリーですから、「いや〜、楽しかった...」の一言に尽きます。それ以上の言葉の修飾は必要ありません。

この青空と雪原の広がるスケール感は、訪れたものしか味わうことができず、夏や秋とは完全に別世界です。訪れることのできる者だけが味わうことのできる特権であって、数多くのものが一般化・観光化される中でも、「残すべき特権」といってもよいでしょう。

 

<編集後記>

今回は事前の準備が間に合わず、急遽開催となり、参加できなかった方々には大変申し訳なかったと思います。そんな中でも、時間を作って参加してくださった方には大変感謝申し上げます。二日とも快晴に恵まれたサミットは、開催以来始まって以来初めてのことで、今年は悪天候が特に多い中、本当に貴重な二日間でした。

サミットといっても、何も特別な企画はなく、単に位ヶ原山荘に泊まって雪山を楽しむだけのものです。しかし、そんな特別なものがない中でも、そこで楽しさを見出すことが大事で、メンバー全員が「良かった」と思えるような雰囲気を作り出すことが大事なのではないかと思っています。ノリクラにはそんな雰囲気が元々存在する場所だと思います。

小さなことに喜びを感じること...これが普段の生活の中でも重要なファクターだと思うのです。

今回はノリクラサミット開催に合わせて、特別にノリクラ雪渓カレンダーを掲載いたしましたが、次回は3月中旬ごろから連載開始のノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1 となります。連載開始までしばらく期間がありますが、それまでは、トップページの速報をお楽しみください(毎週土曜日掲載中)。

 

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