ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.7(2015/04/28〜29) E

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(Update:2015/05/07)

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) D

前回(4月25日)の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) C

今週の大雪渓入口
前回より30センチ減少、昨年より10センチ少ない

左上が昨年、右上が前回(4月25日)の様子で、下が今週の様子。25日よりも30センチ少なく、昨年より10センチ少ない状態。

 

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

山頂への登行ルート − ハイマツ帯を避けて青線で
(大雪渓方面から)
山頂への登行ルート − ハイマツ帯を避けて登山道(青線)で
(肩の小屋から)

速報でも申し上げましたが、山頂方面の雪解けが激しく、ハイマツ帯がかなり出現しています。例年の5月中旬から下旬並みの状況です。

左の画像は大雪渓方面から山頂へのルートですが、赤枠の部分でハイマツが出現しています。ハイマツ帯近くまで登ると袋小路になっていますので、あらかじめ青線ルートで登ってください。

右の画像は肩の小屋から山頂方面へのルートですが、直登は困難で、赤線のようにハイマツを縫うように進んでも、その先もハイマツが出ていますので、夏の登山道(青線)を歩いて登ってください。

蚕玉岳からの滑走エリア
赤丸〜青丸間が狭まってきた −ここが途切れると滑走不能

左の画像は蚕玉岳からの滑走エリアです。赤丸で示したハイマツ帯ですが、この時期は雪に埋まっていることが多く、また、隣の青丸で記した岩場との間が今後狭まると稜線からの滑走ができなくなります。例年なら6月中下旬に途切れますが、この状態だとかなり早まりそうです

 

【大雪渓から位ヶ原への下山、ツアーコース下山の誘導ロープ】

トイレ後方のハイマツ帯に沿って

今回も大雪渓方面からツアーコースへの下山ルートについてお伝えします。まずはトイレ小屋の向こう側に見えるハイマツ帯に沿って進んでいきます。

ここでお伝えするルートでなければ下山できないというわけではありませんが、安全にわかりやすく下山できるのではないかと思います。また、雪解けの時期によって見え方が異なりますので、厳冬期には通用しないと思います。

 

下山ルート(大雪渓→ツアーコース)
ノリクラガイドマップ 冬スキー版
より

これからお伝えする大雪渓からツアーコースへの下山ルートはご覧の青線のとおりです。地図上の@〜Cは画像の位置を表示していますが、7号カーブの付近からの赤線は伊奈川への谷底への間違ったルートで、道迷いが頻繁に発生していますのでご注意ください。

 

@ ハイマツ帯が途切れる A 遠方のハイマツ帯に向かって

【地図番号 − @〜A】トイレからハイマツ帯に沿って進み、ハイマツ帯が切れたあたりから、遠方に見えるハイマツ帯が確認できますからそれに向かって進みます。

 

B7号カーブ − 少し左方向へ((青線) ダケカンバの林へ

【地図番号 − B】そうすると7号カーブのミラーポールがありますので、それを左方向へ巻くように進みます(青線)。左方向へ変更せず、そのままフォールライン(谷筋)に沿って進むと、伊奈川の谷方面に進んでしまい道間違いを起こしますので、フォールライン(谷筋)から左方向へ進路変更してください。

画像Bの青線の先を進むと前方にダケカンバの林がありますので、それを進んでください。

 

谷底をそのまま進むと伊奈側方面(間違いルート) 誘導ロープ設置(伊奈川・前川上部)ロープに沿って下山滑走

一方、進路変更せず、フォールライン(谷筋に)向かって走ると、先週はなかったご覧のような看板とロープが確認できます(赤丸)。このロープはツアーコース位ヶ原急斜面に入るつもりが、隣の伊奈川や前川などへの誤った進入を防ぐものです。もし、このロープが目の前に現れたら、コース間違いを起こしている証拠です。

誘導ロープに沿って下山滑走すれば、ツアーコース位ヶ原急斜面へ到達できます。ロープを見つけたら、すでにその時点で道間違いしている証拠ですから、決してロープをくぐって先に進まれないようお願いいたします。

 

【下山ルート】位ヶ原急斜面 【ルート間違い】伊奈川の谷−過去に何度も遭難発生 

こちらは位ヶ原急斜面周辺を上から見た画像。左は位ヶ原急斜面で右はその隣にある伊奈川の谷です。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進み、これまで何度も遭難が発生しています。

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラガイドマップ冬スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面からツアーコースに下山する際、間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面と伊奈川の谷、その周辺の位置関係は、ノリクラガイドマップ冬スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

また、これからの春スキーに向けて ノリクラガイドマップ春スキー版 もリニューアルいたしましたので併せてご確認ください。4月25日(土)より運行が開始される乗鞍岳春山バスで春スキーにお越しになる方には、ぜひともご覧いただきたいと思います。

 

昨年の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) D
前回の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) C
今週の位ヶ原
前回より20センチ減少、昨年より80センチ少ない

位ヶ原の積雪量は、25日より20センチ減少して、昨年より80センチ少ない状況です。

 

【ツアーコース積雪状況】

位ヶ原急斜面

ツアーコースの積雪状況をお伝えいたします。乗鞍岳春山バスの運行が始まりましたので、下山を主眼におき、ツアーコース上部から下部の順番(いつもとは逆の順番)でお伝えいたします。こちらはツアーコース最上部の位ヶ原急斜面。一部でダケカンバの枝先が見られるほかは、滑走上の問題点はありません。

 

多くの方が滑走するとバーンは荒れる

春山バスの運行が始まり、これまでよりも多くの方が下山滑走されるようになりますので、バーンは荒れてうねりが見られる場所が出てきました。連休後半になると、コブに近い状態になることも予測されます。

 

昨年の6番標識先のウェーブ
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C
今週の6番標識先のウェーブ

6番標識の先のウェーブ箇所ですが、現時点ではウェーブはなく、今後積雪量が少なくなると、厳冬期初期のようにウェーブが見られることがありますので、今後は滑走に注意下さい。また、この先の5番標識までは緩斜面が続き、その日の雪質によってストックで漕ぎながら進む必要がある場合があります。ボードの方もストックをもって滑走されたほうがよいでしょう。

 

昨年の5番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダープレ
リリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C
前回の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー 
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
今週の5番標識
前回より10センチ少ない
昨年より20センチ少ない

5番標識は、前回の4月25日より10センチ減少して、昨年より20センチ少ない状態です。

 

3月〜4月は日中は日差しで緩んで、午後の冷え込みで表面がパックされてかなり滑りにくい状態となります。ただ、ゴールデンウィーク近くになると、夕方近くになってもバーンが固くならない日が多くなりますが、これからの時期は、おそらく山頂方面で目いっぱい滑走された後での下山滑走になるのではないかと思いますので、バックされたバーンに足を取られて転倒することのないよう十分ご注意ください。

 

昨年の3番標識
2014ノリクラ 雪渓カレンダープレ
リリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C

前回の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー 
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
今週の5番標識
前回より10センチ少ない
昨年より80センチ少ない

ツアーコース中間付近の3番標識、25日より10センチ減少し、昨年より80センチ少ない状態です。

 

3番標識付近から、ブッシュ・切り株が

3番標識付近から、ブッシュ・切り株が確認できるようになります。それでもバーン全体の中では、ごくわずかで、滑走に支障となる状態ではありません。

 

1番標識付近 − 切り株を避けながら滑走

さらに下って1番標識。このあたりから切り株を避けるようにライン取りする必要が出てきますが、滑走に支障が生じる状況ではありません。

 

入口急斜面

そして、ツアーコース最後の入口急斜面。こちらも切り株が所々に見られますが、現時点では問題はありません。

 

ツアーコースの下山滑走は5月中旬ごろまで
(積雪情報は当WebSiteで随時発信)

ツアーコースの滑走可能時期は、例年5月中旬頃までです。雪解けが最も早いのはこちらの画像の入口急斜面ですが、雪解けが進むと雪の下に横たわっていたブッシュが起き上がり、人の背丈以上の密林状態になってしまします。とても歩いて下山できる状態ではありません。そうかといって、ここから再び登り返すわけにも行きません。

そのため、当WebSiteでは、4月下旬ごろからツアーコースやその下部のかもしかゲレンデの積雪状況をお伝えしておりますので、入山時にご覧くだされば参考になるかと思います。なお、ツアーコースでの下山滑走ができなくなった後は、位ヶ原山荘より乗鞍岳春山バス下り便に乗車して下山してください。

 

かもしかゲレンデ − 連休後半には一部滑走困難な箇所も

ツアーコース入口急斜面を滑り切ると、かもしかゲレンデに入ります。かもしかゲレンデで最も雪解けが早いのはゲレンデ最上部の平坦な部分で、ご覧のようにクマザサが広がってきました。おそらく、ゴールデンウィーク後半にはこの付近は一部滑走困難な状態になることが予測されますが、ここから三本滝駐車場までかもしかゲレンデを全部歩いたとしても30分はかかりません。

 

<編集後記>

「冬が完全に終わる...」

季節の移り変わりは一進一退を繰り返しながら進んでいきます。一気に春めいてきたかと思うと、吹雪のような日に見舞われたりします。いわゆる三寒四温という言葉がそれに当てはまるところでしょう。

4月中はまだ降雪の日が多く、春らしい日があるのに、まだ冬の様相を見せることが多い時期でした。しかし、5月になれば、雪が降ることはほとんどなく、雪の心配はなくなります。ただし、山頂方面ではまだ雪の降ることが多く、特に乗鞍スカイラインでは、5月いっぱいは積雪凍結で通行止めになる日が早朝の時間帯を中止に多くみられます。

少し話が変わりますが、「三寒四温」ということは、徐々に暖かくなっていくさまを表す時に使うのが一般的ですが、本来は冬の間に3日寒い日が続いたあと、4日暖かい日が続く様子を「寒い中にも時々暖かい日がある」ことを指しています。また、来月は5月になり、すがすがしく晴れ渡る日が多くなってきます。これを「五月晴れ」と表現することがあります。しかし、本来は梅雨の晴れ間を指しています。

どんなに時代が変わっても、季節の移り行くさまは変わらず続いて行きます。ですから、言葉の意味が変化しても死語にはならなず脈々と続いて行くのではないかと思います。

 

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