ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2015/05/09〜10) B

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(Update:2015/05/14)

  

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

肩の小屋から稜線への登山道 − 下から半分は雪解け 今日の降雪で吹き溜まりは10〜20センチ

肩の小屋から稜線への登山道は下から半分程度まではすでに雪解けが終了していますが、今日は吹き溜まりで10〜20センチの新雪が積もっています。大雪渓付近まではそれほど積もっていませんが、肩の小屋から先は降雪量が多い様子が見られます。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道@(昨年6月上旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の肩の小屋〜山頂の登山道@
昨年より1ヶ月も雪解けが早い

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり。左の画像は昨年の6月上旬のもので、今年は1ヶ月近くも雪解けが早くなっていることがわかります。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道A(昨年6月中旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2014/06/14〜15) D
今週の肩の小屋〜山頂の登山道A
昨年より1ヶ月以上早い雪解け

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を2分の1程度進んだあたり。今週はこの付近から上部で登山道に積雪が見られるようになってきました。左の画像は昨年の6月中旬頃の様子で、今年は昨年より1ヶ月以上も早い雪解けであることがわかります。

 

朝から降り続く雪 − ハイマツが再び白くなり始める

今日は雪がやむことなく降り続きます。周囲のハイマツも湿った重たい雪が着雪し、白くなり始めています

 

【蚕玉岳〜朝日岳稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。なお、このコーナーは取材二日目の5月10日(日)の画像にてお伝えします。

 

すでに登山道の一部が確認 − 6月中旬〜下旬並みの状況

例年なら、白一色のバーンであるのが通常ですが、今年はすでに稜線直下で登山道の一部が姿を現しています。この付近は昨日まではほぼ完全に露出状態だったのですが、昨日の降雪により、かなり埋まってしまいました。

なお、稜線直下の登山道が姿を現すのは、例年、6月中旬から下旬頃です。

 

吹き溜まりで20センチ


翌日

5月9日(土)のエビの尻尾(朝日岳〜蚕玉岳稜線) 5月10日(日)のエビの尻尾(朝日岳〜蚕玉岳稜線)
エビの尻尾が成長している

昨日の降雪は吹き溜まりで20センチほど。そして、下段の画像は稜線上にある登山道の標識ですが、ご覧のとおりにエビの尻尾が見られます。左下は昨日(5月9日(土))のお昼過ぎですが、降り始めて半日程度で看板には着雪が見られ、右下の本日(5月10日(日))になるとさらに成長しています。5月に入ってこのようなエビの尻尾が見られることは珍しいことと思います。

 

昨年同時期の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週と同じ状態の蚕玉岳〜朝日岳稜線(昨年5月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2014/05/31〜06/01) C

今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年より3週間早い雪解け

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。左上は昨年同時期の画像。そして、右上は今週と同じ積雪状態の昨年5月下旬の画像。そして、下段は今週の画像です。

昨年とは3週間も雪解けが早いことがわかります。また、昨日の降雪が積もっていますので、実際にはもっと積雪量は少ないと考えられます。

 

昨年同時期の権現ヶ池
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週と同じ状態の権現ヶ池(昨年6月上旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の権現ヶ池
昨年より1ヶ月早い雪解け

こちらは御岳の二ノ池に次いで国内2番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。先ほどの稜線部分の3枚と同様に、左上が昨年同時期の画像、右上が今週と同じ積雪状態の昨年6月上旬の画像。そして、下段は今週の画像です。

権現ヶ池に至っては、昨年よりも1ヶ月も早い雪解けを示しています。

 

昨年同時期の朝日岳
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週と同じ状態の朝日岳(昨年6月上旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の朝日岳
昨年より1ヶ月早い雪解け

朝日岳も同様で、左上が昨年同時期の画像、右上が今週と同じ積雪状態の昨年6月上旬の画像。そして、下段は今週の画像です。昨年より1ヶ月早い雪解けを示しています。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年同時期の蚕玉岳山頂
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週と同じ状態の蚕玉岳山頂(昨年5月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2014/05/31〜06/01) C

今週のの蚕玉岳山頂
昨年より3週間以上早い雪解け

こちらは蚕玉岳山頂付近の様子。左上は昨年同時期の画像。そして、右上は今週と同じ積雪状態の昨年5月下旬の画像。そして、下段は今週の画像です。昨日の積雪の影響でどこまで地面が出ているのかが不鮮明ですが、昨年より3週間以上早い雪解けであると推測されます。

 

蚕玉岳山頂 − 昨日の降雪でエビの尻尾
今日は吹き飛ばされそうな猛烈な突風う

こちらでもエビの尻尾がびっしりと張り付いています。取材した5月10日(日)は、昨日の吹雪は収まり、きれいな青空にめぐまれましたが、激しい突風が荒れ狂い、油断をすると谷へ吹き飛ばされそうになり、立っているのが精一杯の状態でした。そのため、いつもなら山頂付近でお昼休みを過ごすスキーヤー・ボーダーが多い場所ですが今日は皆無です。

また、降雪が降り積もっていますが、それが冷え込んで固まってしまったため、稜線から大雪渓上部までの部分はシールの効かないハードバーンになっています。そのため、手前の大雪渓で撤退される様子があって、稜線まで登ってくる方が少ない状態でした。それに加えて蚕玉岳山頂は突風にさらされる状態ですから、ここを訪れる方も足早に岩陰に逃げ込むのがやっとといった状態でした。

 

横幅150メートル 新雪10センチ − でも固まってアイスバーン状態

さて、そのバーンですが、先ほど申し上げたように、昨日の新雪はバーンに数センチから10センチ程度降り積もっていますが、それが固まってアイスバーンに近い状態。決して滑走しやすいという状況ではなく、下手をすれば足を取られて転倒しかねない状況です。

 

昨年同時期の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週と同じ状態の位ヶ原(昨年5月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2014/05/31〜06/01) C

今週の位ヶ原
昨年寄り3週間早い雪解け

稜線付近からの位ヶ原。左上が昨年同時期の画像。右上が今週と同じ積雪状態の昨年5月下旬の画像。そして、下段は今週の画像です。昨年同時期と今週を比べると全く別物と言ってもよい状態です。また、今年はまだ位ヶ原まで除雪が到達していませんが、昨年はすでに4号カーブ手前まで除雪が進んでいます。

 

昨年の剣ヶ峰直下の岩
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2014/05/10) B
今週の剣ヶ峰直下の岩

剣ヶ峰直下の岩付近も昨年の6月上旬並みの状況です。

 

3分の1地点
狭いところで30メートル、6月上旬並み
この付近からバーンが緩んで滑りやすくなる

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りると、ようやくバーンが緩み始めて、滑走しやすい状況となってきました。そして、雪解けで両側のハイマツ帯が幅広くなって、滑走部分が狭くなってきました。一番狭いところで30メートルで、6月上旬並みの状況です。そのため、しばらくすると、この付近は岩場が出てきてしまう可能性があり、さらに進むとバーンが岩場で分断されます。そうなると、稜線からの滑走は不可能になってしまいます。

 

稜線から県道乗鞍岳線まで −約1kmのロングラン

稜線から県道乗鞍岳線までの約1kmのロングランが楽しめますが、これだけ積雪量の少ないシーズンは近年例がなく、6月以降も春山スキーが楽しめるかどうか微妙な状況となっています。

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