ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2015/06/06〜07) E

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(Update:2015/06/11)

 

【頂上小屋、本日より今シーズン営業開始】

頂上小屋

乗鞍岳主峰 標高3026メートルの剣ヶ峰直下にある頂上小屋。

 

本日6月7日(日)より今シーズンの営業開始

本日6月7日(日)より、今シーズンの営業が始まりました。昨年より1週間早い営業開始です。

 

今シーズンのこだわりはオーダーごとに淹れるドリップコーヒー

今シーズンのこだわりは、オーダーごとに淹れるドリップコーヒー。紙コップには記念スタンプが押されていて、そのままお持ち帰りになっても構いません。日のよって豆の種類も変えるとのことで、剣ヶ峰登山の帰りにぜひともお立ち寄りくださいとのことでした。

乗鞍岳頂上小屋は、10月末まで毎日営業される予定です。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年同時期の蚕玉岳山頂付近
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
昨年同時期の3週間後の蚕玉岳山頂付近
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2014/06/28〜29) E
今週の蚕玉岳山頂付近
昨年より2〜3週間早い雪解け

蚕玉岳山頂付近の様子。左上は昨年同時期の画像。そして、右上は昨年同時期の3週間後の画像です。そして、下段は今週の画像です。積雪量は昨年よりも3メートル近く少なく、2〜3週間ほど雪解けが早いことがわかります。

 

滑走エリアに大きな変化はない

雪解けが進んでも、現時点では滑走エリアには大きな変化は見られません。

 

昨年同時期の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
昨年同時期の2週間後の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2014/06/20〜21) B

今週の位ヶ原
今週は雪解けが進まず、昨年より2週間早い雪解け

稜線付近からの位ヶ原。左上が昨年同時期の画像。右上が今週と同じ積雪状態の昨年同時期の2週間後の画像。そして、下段は今週の画像です。先週からあまり雪解けが進まず、昨年より2週間早い雪解けにとどまっています。

 

昨年同時期の剣ヶ峰直下の岩
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の剣ヶ峰直下の岩
昨年より2〜3週間早い雪解け

剣ヶ峰直下の岩付近も昨年の6月中旬並みの状況です。雪解けスピードは先週とほぼ同じです。

 

3分の1地点
岩の頭 − 岩が出てから3週間経過するが分断されず(雪解け遅い)

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ。先々週からバーン中央に岩の頭が出現しました。例年、6月中旬から下旬ごろになって表れるもので、今年は1ヶ月も早く出現しました。また、しばらくするとこの箇所でバーンが上下に分断されてしまいます。ちなみに、昨年はこの岩が出現したのは6月20日ごろで、その前に上端部分の雪がなくなり滑走できなくなりました。

ただ、岩の頭が出始めてから、この3週間は思ったほど雪解けが進んでいないため、まだ、バーン分断に至っていません。しかし、例年の状態から推測すると、次週末前後にはバーン分断の可能性があります。

 

稜線から約1km滑走 切り通しは1.3メートル
過去最低の積雪量

そして、稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。切り通しの高さは1.3メートル。2014年は2.9メートル、2013は2.4メートル、2012年は3.4メートル、2011年は2メートル、2010年は2.5メートルで、過去最低の積雪量です。

 

【昨年の今ごろは?】

5月が終わって6月になりました。乗鞍岳春山バスが運行を始めたゴールデンウィークがつい先日だったように感じるのに、すでに1ヶ月も前のことになっています。その春山バスは、5月29日(木)より大雪渓への延長運行が始まり、今回は最初の週末を迎えました。大雪渓まで歩かずにやってこられるようになると、夏のシャトルバスとほとんど変わらない利便性となり、山頂・稜線を目指すバックカントリーの方々に加えて、大雪渓だけを繰り返し滑走するサマースキーヤーの姿も少しずつ増えてきます。それに伴い、ノリクラの雰囲気も少しずつ夏モードに変わって行くように感じられます。

5月31日(土)は、ほぼ終日快晴で気持ちのよい空気感に包まれた一日。乗鞍岳春山バスは通常通り運行され、大雪渓まで延長運行が開始されて初めての週末ということもあって、始発便は5台運行されました。バスを降りて目の前には大きな雪山が真っ青な空に聳え立ち、あちこちでシャッターを切る様子が見られます。大雪渓駐車場が一年で最も賑わうのが、おそらく、大雪渓延長運行された最初の週末であると考えられ、よい天気に恵まれたこともあって、乗車された方の中には、大雪渓延長運行を待ちわびていた方もいらっしゃったようです。今日は汗というものを完全に忘れた一日で、風に吹かれる心地よさが、今年もこの時期に忘れずにやってきてくれたことをうれしく思うほどでした。

6月1日(日)は、昨日以上に透明感あふれる澄んだ青空が広がります。乗鞍スカイラインを登った桔梗ヶ原付近の空は、これ以上にないほどの深い青空が雪原いっぱいに広がります。この快晴の空は終日に渡って広がり、一年の中で一番綺麗な青空だといっても過言ではないほどの状況でした。

 

<編集後記>

梅雨に入ると、一年で最も過ごしにくい状況になりますが、この時期を乗り越えてしまうと、雨降りの屋外活動がそれほど苦痛に感じられなくなりますので、いろいろな対策を工夫しながら過ごすことが、一年をとおして登山・スキーを楽しむ基盤ができるものと思います。

長年、登山などをやっていらっしゃる方にとって、至極当然のことではありますが、これから夏スキーにデビューされる方には雨対策は重要でしょう。最初は夏スキーに対するモチベーションがあって、全身びしょ濡れになっても精神的にへっちゃらなものですが、それが落ち着くと、やはり浸水によるダメージは大きいものです。また、夏のノリクラではこれまでほとんどないものの、低体温症状に陥る危険性もあって、3000メートル級の高山では、しっかりとした雨対策は最重要と考えられます。

どのようなアイテムがよいかは、アウトドア雑誌や専門店でお聞きになるのが一番と考えられますので割愛いたしますが、袖口・足首・首元など末端部分からの雨の侵入を抑えることにも着目しなければ、いくら高機能のレインウェアーを着用しても効果はありません。内部の汗を発散させる高機能なレインウェアーでも、表面が濡れた状態が続くと内部に浸透してきますので、表面撥水の効果を持続するためのメンテナンスは欠かせません。

また、ヒルクライムの方の場合、雨対策をほとんどされない方がいらっしゃり、あまりの寒さに自転車で下山できず、シャトルバスで帰るケースもたまに見られます。7月に入っても、大雪渓・畳平は一ケタ台の気温であることは珍しくなく、ずぶぬれでスピードを出して下山するとどのような状況になるか想像していただくとお分かりかと思います。また、体幹に寒さを感じることはもちろんですが、指先が悴んでブレーキ操作ができない状況に陥ると下山走行はかなり危険なものになります。

本格的な梅雨の時期はこれからですが、お早目に対応されることが、安全な登山・山スキー・ヒルクライムにつながります。

 

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