第10回 乗鞍天空マラソン

(2015/06/20〜21) A

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(Update:2014/07/03)

 

【6月21日(日)、レース当日】

気温13℃、曇り空

一夜明けて、6月21日(日)6時の乗鞍高原は曇り空の朝を迎えます。気温は13℃、この時期としては平均的な気温で、暑くもなく寒くもない状態です。昨日は夕方近くから夕立のような雨が降り始め、夜半も断続的に降り続きましたが、夜明けごろになってようやく雨は収まった状態です。朝一番は一瞬ノリクラの峰々が確認でき、朝日も見えるタイミングもありましたが、残念ながら再びどんよりとした雲が垂れ込めて来ました。

 

朝一番早いのは、お弁当作りの女将さん − エイドステーションの山菜の惣菜も

「朝一番早いのは、パン屋のおじさん♪」ではなく、お弁当作りの女将さん方。
スタッフ用200人分の弁当を大会が始まるまでに作ります。こちらの女将さんたちはその多くが、乗鞍高原の旅館・民宿の女将さんで、選手の朝食を4時とか5時に提供してから、ここに集まって弁当作りです。また、毎年、大雪渓のエイドステーションでは山菜の惣菜が選手の方々に大人気ですが、そちらも大鍋で前日から仕込みます。

 

早々に選手の方々の姿が 「今年の雪の壁ってどれくらいありますか?」

レース開始まで2時間近くあって、まだまだお越しの選手が少ない中、先日開催された高山ウルトラマラソンのスタッフTシャツを着用された方々が早々にやってきました。こちらの方々は地元高山市からお越しで岐阜側のノリクラから参戦。乗鞍天空マラソンに3回出場された方にお話をお聞きすると、「すれ違う選手との交流・ハイタッチが楽しいですよ。今日の目標は歩いてでも完走することかな(笑)」

「今年の雪の壁ってどれくらいありますか?」昨日の測定では、4.6メートルの高さがありました。「へぇ〜4メートルもあるんだ〜すごい!!」

 

昨日撮影した位ヶ原〜大雪渓付近の様子(雪景色・雪の壁)

ちなみにこちらが昨日撮影した位ヶ原から大雪渓付近の様子。明日はこの風景を目指して走ります。

 

スタッフのミーティング − 「選手の方に楽しんでいただくためには、まずは自分たちが...」

参加賞として選手の方々に手渡されたTシャツは白地でしたが、同じデザインでオレンジ色のTシャツはスタッフ用。現地エイドステーションなどに配置されるスタッフや天空ウォークスタッフのミーティングが始まります。

「天候的には悪化傾向ですが、この天候だからこそ、選手の方に楽しんでいただくためには、まずは自分たちが楽しんでいなければなりません。今のところは、大雪渓まで走る予定ですが、スタートしてから短縮される可能性もあります。天候はどんどん変化していきますので、各リーダーにしたがって行動して下さい。」

 

今年はスタッフとして参加(ショッカー)

昨年までは選手として参加されていたショッカー。今日はスタッフとして参加。お決まりの「ヒィ〜〜」のポーズで皆さんを盛り上げます。

 

Mt乗鞍のリフト係の方
選手として(左)、スタッフとして(右)参加

こちらのお二人は冬はMt乗鞍でリフト係として業務に就き、夏も冬もノリクラに。左の方は今回で4回目の挑戦で右の方は大雪渓のエイドステーションのスタッフとして参加します。

「大雪渓のエイドでは、お湯を沸かさなくっちゃいけないんですか!えぇ〜知らなかった...」
おそらく、運営マニュアルにはそのようなことは書いてないとは思いますが、昨年は冷たい雨が降って、選手が指先を温められるように、バケツにお湯を作る作業が繰り返されました。

 

【6月20日(土)〜6月21日(日)の大会日程】

<日時> <実施項目>
6月20日(土) 10:00〜16:00 トレイルラン(自由参加、乗鞍高原内)
  14:00〜17:00 選手受付(乗鞍観光センター)
6月21日(日) 6:45 天空ウォーク参加者バス出発(乗鞍観光センター→大雪渓)
  7:00〜7:30 手荷物預かり(三本滝ゴールで受領)
  7:40 開会式(乗鞍観光センター)
  8:00 スタート
  13:00 ゴール制限時間(三本滝レストハウス)
  (ゴール後) 選手送迎(シャトルバス、三本滝→乗鞍観光センター)
  14:00 閉会式・表彰式(乗鞍観光センター)

本日(6月21日(日))のスケジュールはご覧のとおり。
スタートはこちらの観光センターからですが、ゴールは観光センターから7km先の三本滝レストハウスで、スタート地点とゴール地点が異なっています。そのため、ゴール後は、三本滝レストハウスから観光センターへのシャトルバスが随時運行されます。

 

天空ウォーク − 家族そろってお父さんを応援!

さて、天空ウォークに参加の方々の招集が始まりました。天空ウォークとは折り返し地点の大雪渓から下りながらすれ違う選手の皆さんに声援送るイベントで、選手が到着する前にバスで大雪渓に向かいます。

天空マラソンが実施される県道乗鞍岳線は現在冬季閉鎖中で、車両や人の通行が認められていないため、選手のご家族などが沿道で声援を送ることができません。こちらのご家族も出場されるお父さんのために天空ウォークに参加して声援を送ります。

 

皆さんの応援が選手のチカラに ハイタッチで送り出す

確かに「ウォーク」という名のとおり、走る必要はありませんが、大雪渓から三本滝まで全長12kmにも及ぶ下りですから、脚や膝への負担はそれなりにありますので、ある程度 歩き慣れている必要はあるかと思います。また、雨が降っても傘を指すことはできませんので、今日のような天気ではカッパは必須です。

レースプロディーサーの三浦 誠司氏から出発前の注意点の説明がなされます。
「今のところは何とか天気が持っていますが、天気が不安定です。当初は30分ほど雪壁を見てのんびりしていただく予定だったのですが、後々この30分が体調不良のもとになりますので、すぐにスタートする形にしました。ご家族が選手として参加されることと思いますが、選手は18kmひたすら登りなので、皆様の応援がホントにチカラになります。しかし、「頑張れ〜」という言葉は禁止です。選手のみなさんはもう十分頑張っていると思うので、逆になんかこうパワーが出るような感じにするためにも、ハイタッチをみんなでやってあげてください。最初は気恥ずかしいこともあるかと思いますが、上から下ってきたパワーを選手に伝えるつもりでお願いします。」

そして、バスに乗り込む際には最後のハイタッチを...みんなでパワーを伝えあって行きます。

 

雨降るみたいだから、がっつり降られてもよい格好で

7時を回って、会場に続々と選手が集まってきます。同じチームのメンバー同士でリラックスモード。「ゴールしてまず何がしたいってビールかなぁ。」

今日の大会についてお話をお聞きすると、「予報で雨降るみたいだから、がっつり降られてもよい格好で...もっと寒いかなぁと思ったけどそれほどでもないから、走り始めると暑くなるからすぐ脱いじゃうかなぁ〜。だからザックは持って行ったほうがいい...トレランと違ってマラソンだと飲み物など何も持たない人もいますが、少なくとも7km先の第一エイドまでは何とか持ちこたえないとね。」

 

会場内ではポンチョが販売

会場内ではポンチョが販売されていましたが、こちらの選手も「無ければそのまま走る予定でしたが、見つけたので購入しました。」とのこと。平地で行われる通常の大会であれば、濡れても発汗の方多いものの、天空マラソンでは、晴れていても寒さを感じる選手もいらっしゃいますので、雨の日はできるだけ濡れない対策をまずは考えたほうがよさそうです。

会場放送では、「折り返し地点の大雪渓の気温は5℃、選手の皆さんは防寒対策をしっかり整えてください」と、繰り返しアナウンスされていました。

 

天空マラソンを体験しておくと夏のトレーニングが楽に
=ロードレース終盤の重要な位置づけ=
手荷物は各自マイクロバスへ

「この人が走ろうっていうから、天空マラソンに参加するようになったんですよ。病みつきになりますよ〜」という右の方。

今年で4回目の出場ですが、「毎年、これが楽しみで、これに出なくちゃならない感じになっていますね。通常、マラソンは秋から春までの寒い時期に開催されるもので、乗鞍天空マラソンはロードレースの時期としては一番最後になります。天空マラソンはほかの大会と比べて特殊な位置づけで、云わば「マゾ的」な存在...」

「天空マラソンが終わるとロードレースのシーズンは終了しますが、天空マラソンを体験しておくと、夏のトレーニングが楽になるんですよ。逆に天空マラソンがなかったら、3月に大会シーズンが終わったら5月ぐらいからだんだん暑くなって走らなくなるので、年間スケジュールの中で、天空マラソンは重要な位置づけなんですよ。だから、多くの人に天空マラソンの参加を薦めたいですね。」

 

大雪渓エイドステーションの山菜の惣菜 − 今年は鍋の数が多い!

観光センターから運び出されたこちらの鍋。軽トラの荷台にはすでにいくつもの鍋が積み込まれています。冒頭にもお伝えした大雪渓で選手の皆さんに提供する山菜の煮物です。昨年はレース終盤には売り切れてしまいましたが、鍋の数を見る限りでは、昨年よりも増えていますね...ですから、遅めに到着する選手でも、大雪渓のエイドステーションを楽しむことができそうですよ。

 

仮装ランナーは人気者

そして、やはり人気になのは、仮装ランナーの皆さん。昨年も登場された長野県観光PRキャラクターのアルクマを初め、世代を超えてお馴染みである アラレちゃん、遠山の金さん、水戸黄門から、近年のコンピューターゲームのキャラクターのジバニャンまで様々です。

 

アルクマ −今年は「歩く熊」じゃなくて「走る熊」で 今年もアフロのメンバー

「アルクマ...今年は『歩く熊』じゃなくて、 『走る熊』で行きますから...」と、おっしゃっている所に、ハリーポッターに扮した選手も。他の仮装選手からは「走らなくても箒で飛んで行っちゃえば〜」と、ツッコミが入りました。

そして、今年もアフロのメンバーにもお会いできました。昨年は「昨晩飲みすぎて...」とおっしゃっていましたが、今年は大丈夫でしょうか?

 

今年も大会コースは何度も走ってるから対策バッチリ!
(試走・事前練習は禁止なのに)
実は春山バスの運転手さん
(今日は自分の足で走ります)

大会コースは冬季閉鎖中のため、前日試走どころか事前のトレーニング走行もできない中、「大会のコースね〜今年はもう何度も走っているから...」と、対策十分なこちらの選手。「そんなことが許されるのか!」と、お思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの選手は乗鞍岳春山バスの運転手さん。走っているといってもバスなんですね〜〜(乗鞍岳春山バスの運行・概要についてはこちら)。

三本滝にゴールして観光センターに戻るとき、シャトルバスを利用することになっていますが、「シャトルバスに乗ると同僚の運転手に いつもからかわれるんですよ〜〜『オマエを乗せる檻を持ってこなかったから、バスには乗せられないよぉ〜』って...」

「それでは大雪渓でお会いしましょう」と、お伝えすると、「いや〜完走できればね...」と、苦笑い。でも、 野生のクマさんも一日に何十キロも山中を移動できますから、きっと大丈夫ですよ!

 

間もなく開会式が始まります

7時30分の開会式が近づき、選手の皆さんは会場からスタート地点へと移動を始めます。

 

【開会式】

スタート地点へ

「選手の皆さん、まもなく開会式を始めますのでスタート地点にお集まりください。」というアナウンスが場内に響き、観光センター隣のスタート地点に移動します。なお、スタート地点の県道乗鞍岳線は、本大会の開催に伴い、7時30分から9時30分まで、観光センターから三本滝間は車両通行止めになり、大会専用コースとなります。

 

高橋 あずみさん(シンガーソングライター、乗鞍高原出身) − ココロノママニを熱唱

開会式の皮切りは、乗鞍高原出身のシンガーソングライター 高橋 あずみさんが作詞した、乗鞍天空マラソンイメージソング「ココロノママニ」の熱唱で始まります。会場のテンションも徐々にアップ!

 

アルプホルンの演奏(乗鞍アルプホルン愛好会) 開会宣言(大会長 福島 真氏)

続いて、乗鞍アルプホルン愛好会のメンバーによるアルプホルンの演奏が披露されます。愛好会による演奏は4月の上高地開山祭、5月のすもも祭などでも演奏されますが、2000名以上の観客(選手)の前での演奏は、この天空マラソンしかありません。

そして、大会長の福島 真氏(のりくら観光協会会長)による開会宣言が始まります。
「ようこそ乗鞍高原へお越しになりありがとうございます。今年10回目を迎えました。参加賞Tシャツのデザインにもありますように天空マラソンのTENと10回のTENをかけております。天空マラソンは平成18年に約400人弱から始まり、年々増えております。公に宣伝していませんが、毎年2000人近い方がお越しいただくのは皆様のおかげだと思っております。この大会が20回・30回へとつながるよう頑張っていきたいと思います。今日は大雪渓まで走っていただきますが、例年のごとく、5メートル近くの雪が残っています。日頃の練習の成果をいかんなく発揮していただくよう心からお祈り申し上げております。それでは第10回乗鞍天空マラソンの開会を宣言いたします。」

 

コース説明と諸注意事項(レースプロディーサー 三浦 誠司氏)

引き続き、コース説明と諸注意事項をレースプロディーサーの三浦 誠司氏より伝えられます。

「皆さん、山頂行きたいですか!(ハ〜イ)。ただ、11時からかなり天候が荒れる模様です。今現在、上は気温5℃です。風は幸いないです。ただ、いつ天候が荒れるかもしれませんので、あくまでもレースは条件付きでスタートします。折り返し地点の18.5kmを目指しますけど、レース途中で折り返し地点を位ヶ原山荘に変更するかもしれません。ですから、トップは18.5km(大雪渓)で折り返しているかもしれませんが、途中で変更することも考えられます。あくまでも皆さんの安全第一を考えて行いたいと思いますのでご了承ください。」

過去には、2009年の第4回大会では位ヶ原山荘折り返しに、また、その前年の2008年の第3回大会では暴風雨のため、さらに下がって冷泉小屋での折り返しとなっています。

 

高橋 あずみさん再び壇上へ − この大会に書き下ろした「お山のうた」を

最後に再び高橋 あずみさんが壇上へ。この大会のために書き下ろした「お山のうた」を披露されました。

 

エントリー数2202名−8時00分に一斉スタート

レースは8時にスタート。本大会のエントリー数は2202名(男性1961名、女性551名)で、高校生から79歳まで各年代にわたり、また、北海道から沖縄まで全国各地から参加されました。今年のエントリー期間は2月15日〜4月19日でランネットより応募しますが、申し込み後の入金完了をもってエントリー完了となりますので、次回大会に出場検討の方は、エントリーが開始されたら、早めの応募と入金が必要です。また、入金完了してエントリーが決まっても、それだけでは安心できません。乗鞍高原内の宿泊先の手配も同時に行う必要があります。手配が遅れると、宿泊できない可能性がかなり高いと思ったほうがよいでしょう。

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