ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2015/07/25〜26) @

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(Update:2015/07/30)

 

20日(月)に関東甲信地方が、21日に東海地方の梅雨明けが発表され、最初の週末を迎えました。台風12号の接近が危ぶまれましたが、ほとんどそんなことを感じさせない二日間でした。

7月25日(土)は、若干薄い雲が覆う晴天でまずまずの天候。気温自体もそれほど高くはないものの、体感的にはそれ以上に心地よさを感じるひんやりとした空気の流れがあって、夏スキーもヒルクライムも何をするにしても快適な一日でした。また、畳平お花畑はクマ出没のため、終日閉鎖となり、そろそろ、「クマ出没シーズン」がやってきたようです。

7月26日(日)は、昨日以上にきれいに晴れ渡った一日。午前中は澄んできれいな秋のような青空で、午後になるとその深い青空にモクモクとした夏雲が湧き上がり、秋の青空と夏の入道雲が同居して、シーズンを通して見ても、これ以上の見事な晴天はなかなかお目にかかることのできないものでした。

稜線付近の登山道の積雪は、2週間前になくなりました。また、大雪渓から肩の小屋への登山道も、現在積雪が残っているのは、大雪渓の登山道入口を85メートル進んだ先に66メートル残っています。晴れた日は問題ありませんが、冷え込んだ日は下山が苦労すると思われます。それより上部の肩の小屋方面は一部積雪箇所があるものの、完全に夏道となり、登山道周辺ではチングルマなどが咲き始めました。

また、この1週間の大雪渓は、梅雨明けと同時に気温も高く、やや雪解けスピードが速まった感じがあるものの、ほぼ昨年並みかやや早い状態にとどまっています。上部では昨年より1週間早い雪解け、中段・下部は昨年並みかやや遅い状況です。ただし、再氷結による氷柱が全面的にみられるようになってきましたので、ボールをセットされるグループは鍬などでのバーン整備が必要かと思います。

それでは、2日間の様子をご覧ください。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月25日(土)、観光センター前駐車場】       【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
Page-2 : 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 U(三本滝ゲート〜大雪渓)】
Page-3 : 【大雪渓に到着】       【雪渓下部 T】
Page-4 : 【雪渓下部 U、モーグルコース】       【雪渓中段】
Page-5 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部 U】       【畳平、お花畑】
Page-6 : 【7月26日(日)、ようやく夏本番、ヒルクライム!】       【肩の小屋、夏空のひろがる登山道】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>
 
●参考資料●
(マイカー規制・シャトルバス・乗り換え駐車場) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 〜2015シーズン版〜
(周辺地図) −  ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー 大雪渓・山頂版)     ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線版(参照画像)
(ヒルクライマー向け情報) − 【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い】(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)
(各種情報) − 2015シーズンの道路交通・各施設の営業再開予定と乗鞍岳春山アクセス方法

  

 

【7月25日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

こちらは早朝5時30分の観光センター前駐車場。

 

高い雲がなびく、きれいな青空 もう空スペースがほとんどない − 8時30分には満車

ご覧のとおり、筋状の高い雲がなびき、きれいな青空の朝を迎えます。気温は15℃、若干、ひんやりとした感覚があるものの、それほど肌寒いという状況ではありません。今日は夜明け前から多くのマイカーが訪れ、5時の時点で70台、6時になると110台まで増え、最終的には8時30分で満車になりました。

ただ、満車と言っても、観光センター前のアスファルト駐車場以外に、道路を挟んだ反対側の未舗装の駐車場や、乗鞍上高地スーパー林道B線(白骨方面)の入口付近の駐車場などがあるため、観光センター周辺に駐車できないケースはあまりないと思います。おそらく、3箇所とも満車になり、観光センターから1kmほど先にある鈴蘭橋駐車場(Mt乗鞍 第3駐車場)まで利用するような状況は、お盆の期間と体育の日の三連休など超繁忙期ぐらいかと思います。また、翌日7月26日(日)も今日よりも早く満車になりましたが、その様子については6ページ目で紹介しておりますので、併せてご覧ください。

 

シャトルバス始発便を待つ方々の列

この天候ですから、今日のシャトルバスは通常時のAダイヤ。始発便を待つ方々の列が長くなり始めています。

 

どんなに暑くても防寒着を忘れずに

そして、定刻前にシャトルバス始発便が入線。バスの係の方が「上は寒いので防寒着の用意をお忘れなく...」と呼びかけていました。まだ、始発便が到着した6時時点では、観光センター周辺でも長袖が必要な状況ですが、これが9時便ぐらいになると、すでに観光センター周辺では半袖になる方も多くなり、防寒着の認識が希薄になるもの...でも、畳平周辺では、日中でも肌寒さを感じる場合があり、曇った日や雨の日は必ず必要と思ったほうがよいでしょう。

 

今日の始発便は2台 − もっとも混むのは9時便

今日の始発便は2台運行。これからのハイシーズンは天候に問題がない週末となれば、2台以上の運行となる便が多いかと思います。また、よほどの繁忙期間でない限り、乗車できないという事はありませんが、運行台数は乗車券の販売数や列に並んでいらっしゃる乗客数をもとに算出しますので、定刻間際にお越しになった場合は、乗車できずに次便になる可能性がありますので、時間ぎりぎりではなく、余裕をもってお越しになったほうが安全です。

特に9時便は混雑が激しく、また、9時便については30分後に9時30分便がありますので、時間をずらして乗車されるとよいでしょう。

 

ヒルクライム − 今日は平湯峠まで往復の予定
=水分調達場所確認と防寒着・フルフィンガー手袋用意を=

今日もヒルクライムに出発しようとされる方の姿があります。こちらの方は、初めてノリクラにお越しになったとのことで、これから畳平に向かい、さらに乗鞍スカイラインを下って平湯峠から再び上り返して戻ってこられるとのことでした。

特に下りは寒さが気になるところですが、梅雨明けからお盆くらいまでは、日中であれば下りでも寒さを感じないこともあります。ただ、少しでも太陽がかげると寒く感じるはずですので、どんなに天候に心配のない日であっても、最低限の防寒対策は必要です。

また、長距離になると水分補給の問題もあります。
県道乗鞍岳線の場合、三本滝と位ヶ原山荘でペットボトルを購入することができ、飲料水の補給も可能ですが、乗鞍スカイラインは、ほおのき平や平湯温泉を出発すると、畳平まで飲料水の補給場所はありません。特に乗鞍高原から畳平まで登って、乗鞍スカイラインを途中の平湯峠まで下って上り返す場合は注意が必要です。(平湯峠にはトイレも売店もありません) 

【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い】(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点) で飲料水などが確保できる場所を記載しておりますので、併せてご覧ください。

 

タクシー乗り場 暇なときは山野草・高山植物の勉強

今日も常連の運転手さんがシャトルバスよりも先に到着して、お客様のお越しを待ちます。その間に取り出したのは山野草の本。「先日ね。お客さんに逆に教えてもらっちゃったんですよ。タクシー乗って高山植物を観察したい人は結構詳しい人が多いんですよ。だから勉強しないと...」

後ろのトランクには、高山植物や乗鞍に関する本がいっぱい...
乗鞍高原から畳平までは1本道ですから、都会のタクシーのようにたくさん路線を覚える必要はありませんが、観光情報や植物の話ができないと、県道乗鞍岳線や乗鞍スカイラインのタクシーは務まらないと思います。

 

【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】

それでは、ここからは大雪渓に向かう沿道の様子をご覧ください。

 

ノアザミ ヤマハギ − 今年は全国的に開花が早い

今週の善五郎の滝 駐車場付近は咲いている花がかなり少ない状況。その中で目立つのは左のノアザミとヤナギランだけ。右はヤマハギですが、こちらは秋の花ですからまだ咲いていません。しかし、今年は全国的にヤマハギが早期に開花し、場所によっては1ヶ月も早く咲いてしまったところもあるとのこと。さて、ノリクラのヤマハギはどうなんでしょうか?

 

白〜紫色の花が鈴なり

沿道をよく見てみると、白〜紫色がすずなりにできている様子を見つけることができます。

 

オオバギボウシ − 葉が大きく(左)、つぼみが擬宝珠に似ているところから命名

オオバギボウシ(大葉擬宝珠、ユリ科ギボウシ属)、葉が大きくてつぼみが擬宝珠に似ているところから命名されています。オオバギボウシの若葉はウルイ(ウリッパ)などと呼ばれ、春の山菜として珍重されていますが、ちょうど芽吹きだした頃の形が有毒のコバイケイソウとよく似ているため、誤食による食中毒がたびたび発生しています。

 

休暇村ゲート

そして、休暇村ゲートからさらに進むと...

 

ウツボグサ クルマバナ

先週まではポツリポツリとしか見られなかった、ウツボグサやクルマバナが群生していて、見つけようとしなくても簡単に見つけることができる状態になっています。どちらもシソ科の植物で、茎が四角に角ばっていますので、一度触って確認してみてください。

 

秋をも思わせる高い空

幾分、秋をも思わせるような空。時折、高い雲が時折日差しを和らげてくれて、これくらいの天気のほうが過ごしやすいといえるでしょう。

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