ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2015/07/25〜26) E

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(Update:2015/07/30)

 

【7月26日(日)、ようやく夏本番、ヒルクライム!】

昨日以上の良い天候に − 7時に満車

取材二日目、7月26日(日)は、昨日以上に良い天候になり、観光センター前駐車場は7時の段階で満車になりました。

 

反対側の駐車場へ誘導が始まる

観光センター前駐車場の収容台数は150台程度ですが、満車になった場合は、県道を挟んだ反対側の駐車場へ誘導員が案内します。

 

未舗装ですが、雨天時は実質利用されない

反対側の駐車場は未舗装ですが、雨天時にこちらの駐車場まで利用するほどの人出はないと思いますので、実質的な利便性の問題は少ないかと思います。

 

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍目指して、毎週大勢のヒルクライマーが

これから8月末まではヒルクライマーが大勢お越しになります。8月最終日曜日には、国内ヒルクライムレースの先駆けである「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」が、この県道乗鞍岳線を舞台に開催されます。毎年4000名以上の選手が出場し、誰もが一度はチャレンジしてみたい大会です。

 

三本滝ゲート − クマ注意の看板 しっかり晴れ上がり、ジリジリと暑い一日

8時の三本滝の気温は23℃、気温としては昨日とほとんど変わりませんが、今日はしっかり晴れ上がり、ジリジリとした暑い一日になりました。三本滝ゲートにはクマに関する看板が設置されていますが、昨日は乗鞍スカイラインでクマが目撃され、また、畳平お花畑でもクマ出没によりお花畑遊歩道が終日閉鎖されました。

高山植物が咲き乱れるようになると、それを狙って山麓からクマがやってくるため、これからの時期はクマの出没頻度が高くなります。登山ではクマ鈴携行が一般的になっていますが、自転車の場合、登山者以上に静かにクマに接近してしまう確率が高いため、ヒルクライマーこそクマ鈴が必要ではないかと思います。

 

26号カーブ − 最も急勾配なヘアピンカーブ ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 − 【表示】

こちらは26号カーブ。最上部の県境から順番に1号から三本滝ゲートまで36号のカーブが指定されていて、さらに乗鞍高原方面まで続いています。その中でもこちらの26号カーブは最も急勾配なヘアピンカーブ。26号という番号をご存じなくても、「最も急勾配なヘアピンカーブ」とお聞きなれば、常連のヒルクライマーならどの場所なのかすぐ分かるはずです...

ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 は、地理院地図のバージョンアップの関係で、現在ご覧になれない状態になっていますが、こちらの参照画像をご覧になると、26号カーブの位置が把握できます。荒田沢橋から冷泉小屋まで 九十九折れが連続する箇所にある最初のカーブです。
なお、参照画像のため、画質があまりよくありません。ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版のリニュアルは近日行う予定です。

 

かつては「石畳」と呼ばれていた難所

現在はアスファルト舗装になっていますが、数年前まではコンクリート舗装の表面にスリップ防止の溝が切ってあり、かつては「石畳」と呼ばれていました。自動車の場合はほとんど気にならないものの、自転車にとってはこれがクセもので、特に下りではひどくバンプしてバランスを崩し、その振動でハンドルから手が離れてしまうほどの状況でした。

 

石畳の名残 − 2012年にアスファルト舗装(26〜27号カーブ付近)
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.9(2012/07/06〜07) @

こちらがその石畳の名残、2012年にアスファルト舗装されました。まだ3年しか経過していませんが、そのうち、「石畳」という言葉もなくなってしまうかもしれませんね。

 

ヒルクライマーもクマ鈴を

三本滝ゲートにはクマ注意の看板があったように、今日もヒルクライマーの中にはクマ鈴を鳴らしながら登る様子も見られました。自転車の場合、脚以外の部位で大きく可動する場所が少ないため、クマ鈴が効率的に振動する場所を探す必要があります。

自転車は登山者よりもスピードが速く、しかも静かにクマに近づいてしまう可能性が高いため、登山者以上にクマ鈴が必要ではないかと思います。

 

バス・タクシーとの対向に注意 転倒すると大変です(これはイメージ画像)

マイカー規制とはいえども、自動車の通行が全くないわけではなく、バス・タクシーの往来は頻繁に行われています。急峻な勾配のため、登りでは蛇行走行、下りではスピードオーバー・ブレーキ操作ミスによる転倒事故などがたびたび見られ、昨年は道路下のがけに転落する事故も発生しています。また、自転車は転倒した時のダメージが大きく、脳挫傷で入院が長期化する場合もありますから、他の車両の動向を予測しながら防衛運転に徹するようお願いいたします。(画像はイメージ画像です。本文とは関係ありません。)

なお、【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い】(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点) を併せてご覧くだされば幸いです。

 

この先山岳ステージへ

標高が高くなると青空がどんどん広くなります。観光センターから15km先にある位ヶ原山荘を過ぎると森林限界。山岳ステージへ突入します。

 

声をかけてくださったのは矢部選手 重たい荷物を載せて

強化トレーニングのためにお越しになるヒルクライマーのほか、ノリクラを通り抜けて旅行を続けるサイクリストも重たい荷物を満載にして登る様子が多くなります。

そこで後ろから声をかけてくださったのは、矢部周作選手。先日行われた乗鞍スカイラインサイクルでは総合1位。「練習もノリクラで、本番もノリクラで」 というノリクラr漬けがやっぱりいいですよね!なお、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの特集は近日公開予定です。

 

自転車がちょうどよい − バスは早すぎるし歩くには長すぎる 「今日の天候は最高!」

「今日の天候は最高!」シャトルバスやタクシーでは早すぎるし、歩くには距離が長すぎる...自転車で行くスピードが場面変化を楽しむ歩調としてはちょうど良いもの...

 

遠景の山並みが水墨画のよう

遠景の山並みが水墨画のように織りなす光景の本番は空気が澄んでくる秋になってからで、真夏にはあまり見られません。今日は終日天候がよく、午後には黙々とした雲が湧き上がって、夏空らしい雰囲気となりました。午前中は秋のような光景、午後は湧き上がる雲が見事な真夏の光景と一日でいろいろな空の様子を楽しむことができました。

 

どこを撮っても絵になる光景

とにかく、どこを撮っても絵になる光景。こんな日は一年のうちに何日も訪れないことでしょう。

 

折り畳み自転車 − 3時間かけて完走!

本当にこの自転車で登ってきたのか!と、我が目を疑ってしまいましたが、どうやら本当に登ってこられたようです...観光センターを出発して3時間とのこと。しかも、昨日も登ってきて、今日二日目とのこと(あっぱれ!)。

通常、ロードレーサーと呼ばれる自転車でヒルクライムされる方が大半で、しかも、ヒルクライム向けに軽量化を図るのが一般的です。ですから、いわゆるママチャリや折り畳み自転車で登ってくるのは相当辛いもの。「通勤で使っている折り畳み自転車で行ってみるか!」と、気軽に考えると一般的に大変なことになりますので、ご承知のほどよろしくお願いいたします。

 

ここからの眺めは最高!(3号カーブ)

さらに登って大雪渓前を通過すると、県道乗鞍岳線を一望できるポイントに差し掛かります(3号カーブ)。カメラを取り出してその光景を切り取ります。「暑いから下山したくないなぁ〜」と、おっしゃりながら再び乗鞍高原へと下山走行します。

 

ノリクラはヒルクライムの聖地

今日のヒルクライムの登り台数は188台。これからお盆にかけてさらに多くのヒルクライマーが「ヒルクライマーの聖地」にやってくることでしょう。

 

【肩の小屋、夏空のひろがる登山道】

お昼時の肩の小屋 − のんびりランチタイムを

こちらはお昼時の肩の小屋。正面の広場ではのんびりランチタイムを過ごす登山者がたくさんお越しになっています。

 

気温20℃、ここでは猛暑の温度 − ソフトクリームが飛ぶように売れる

この日の肩の小屋周辺の気温は20℃。各地で35℃以上の猛暑日となりましたが、ノリクラにおいて20℃という気温はかなりの高温。体感的にも暑いと感じる方が多く、今日はソフトクリームが飛ぶように売れて、撮影している数分間だけでも2〜3個は売れる勢い。

ただ、本当に夏を感じるのは、梅雨明けからお盆までのわずか2〜3週間程度。暑い暑いと敬遠するものの、貴重な暑さでもあります。

 

山頂へ向かう登山道 地元の名ガイドがちびっこ連れて
(こどもたちだけのサマーキャンプin信州)

山頂に向かう登山者は午後になっても続きます。そして、右のグループ。ヒゲを蓄え、いつものように、ハイテンショントークを飛ばしながらやって来たのは地元の名ガイド。「無雪期に会うのは恥ずかしい〜〜」なんておっしゃっていましたが、今日はちびっこ引き連れて山頂登山。長野県後援の信州・長野県観光協会が企画する「こどもたちだけのサマーキャンプin信州」が毎年県内で行われ、その一つが乗鞍高原でも実施されます。登山や大雪渓での雪遊び、テント泊・山小屋泊など様々な体験が用意されています。

 

何もかもが眼下に広がる

稜線近くに達すると、何もかもが眼下に広がり、空と地上の分け隔てがなくなってきます。

 

夏空 − 澄んだ青空にモクモクと湧き上がる雲

午後になっても澄んだ青空が続き、それに加えて、モクモクとした雲が沸き始めました。そのダイナミックな雲の形は夏空には欠かせないもの。

 

思わずカメラを向けたくなる 「再び通い始めますよ」

そんな雲の流れに、自然とカメラを向けたくなるものです。
さて、登山道ですれ違ったこちらの方。「昨日の速報で、明日は今日以上に天気が良くなるって書いてあったので来ちゃいました。」と、第一声...
例年ならシーズン通して、足しげくノリクラに通う常連の方ですが、今年は体調不良でしばらく自宅待機されていたとのこと、ご本人曰く「98%回復しましたので、再び通い始めますよ!」とのことでした。他の常連の方も心配されていましたが復活されて何よりです。

 

【昨年の今ごろは?】

2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2014/07/26〜27)

東海地方が7月21日(月)に、関東甲信地方が7月22日(火)に梅雨明けしました。梅雨明け最初の週末を迎え、ノリクラにも本格的な夏がようやくやってきました。

7月26日(土)は、快晴の朝から始まりますが、それと同時に暑さも朝一番から始まります。6時の時点で気温が19℃もあって、早朝のひんやりとした空気感が全くありません。いつもなら、日差しが強い日は、午前中のうちに雲が沸きあがる様子が見られるものの、今日は天候も暑さも安定していて、雲が沸きあがりません。そのため、今日は雲に遮られない太陽が燦々と輝きすぎて、とにかく暑いの一言しか口から出てこない状況。また、今日一番の賑わいは山頂への登山で、登山道は絶えず数珠繋ぎの様子が見られるほど。ヒルクライマーもまずまずの人出でした。しかし、大雪渓の夏スキーヤー・ボーダーの方々は、やや少なめな雰囲気でした。

7月27日(日)は、やや雲量の多い晴天の朝を迎えます。気温は18℃で昨日と1℃しか変わらないものの、爽やかな空気の流れを感じます。ただ、山頂付近には雲の帯が横たわり、畳平は濃霧強風の天候で、岐阜県側の乗鞍スカイラインは自転車のみ通行止めです。この晴天も7時頃に雲に覆われて、山麓の乗鞍高原でも風が吹き始めます。そして、10時の大雪渓ではそれまでの濃霧に加えて、突然の豪雨強風に見舞われ、夏スキーを楽しむ方々は一斉に避難小屋に逃げ込む事態に。雨は次第に収まりますが、風と濃霧はしばらく続き、午後になって、ようやくアスファルトが乾く程度まで回復すると、今度は14時頃になって一気に青空が広がる展開に。一日のうちでこれjほどまで劇的に天候が変化することはあまり例がありません。また、今日もたくさんのヒルクライマーごお越しになり、県道乗鞍岳線は、歩行者天国ならぬ、自転車天国といった状態でした。

 

<編集後記>

ノリクラ雪渓カレンダーは、ゴールンウィーク過ぎの5月上旬から10月末までの25週間(約7ヶ月半)ですが、今回はVol.12ですので、ちょうど折り返し地点に差し掛かったところです。

乗鞍岳春山バス運行開始と乗鞍スカイライン開通から始まり、稜線からの大滑降ができる春スキーがノリクラ雪渓カレンダー前半の主なテーマで、さらには大会取材が2回あり(乗鞍天空マラソン、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム)、通常のノリクラ雪渓カレンダーの編集に加えて大会特集の編集を組むなど、多忙な週末の連続でした。

今後の後半戦は、夏スキー・ヒルクライムを中心に、秋の紅葉、初冠雪とまた別の趣きへと移り変わり、ノリクラ最大のイベント 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍も開催され、後半になっても落着けない日々が続きます。

テーマそのものは、毎年変わりませんが、新鮮な情報を伝え続けることが最も大事なことと思います。

 

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