ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.15(2015/08/13〜15) F

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(Update:2015/08/20)

 

【ご来光バスに乗って】

午前3時の観光センター前駐車場 − ご来光バスの乗車券販売が始まる

こちらは、午前3時の観光センター前駐車場。まだ夜明け前の闇夜が続く中、駐車場の一角に煌々と明かく照らされるのはシャトルバス停留所のテント。ご来光バスの乗車券の販売が始まります。ご来光バスは、県境付近での日の出を楽しむために運行されるもので、夜明け前に出発します。シャトルバスと同様に長野県側の乗鞍高原からの便と、岐阜県側の平湯・ほうのき平からの便があります。

ご来光バスは日の出時刻に合わせて運行されるため、時期によって出発時間が異なります。今シーズンの場合、7月4日(土)〜7月20日(月・祝)は3時30分、7月21日(火)〜8月31日(月)は3時40分、9月1日(火)〜30日(水)は4時10分で10月は運休です(いずれも観光センター出発時間)。なお、岐阜県側のご来光バスも同様に運行時期によって出発時刻が変化します。

【ご来光の持ち物】
気温は一桁台ですから、夏の服装ではだめです。上下長袖の防寒着、帽子、手袋は必須。おそらく、今後は寒さが一段と厳しくなりますので、サンダルではなくスニーカー・登山靴で。また、日の出までは薄暗いので、ヘッドライト(懐中電灯)があったほうが良いでしょう。それから、カメラは忘れずに...

 

必ず定刻発車 − 席を離れていても出発してしまいます!(日の出は待ってくれない)

今日(8月16日(日))の出発時刻は3時40分。バスに一旦乗車後、出発するまでにトイレなどで席を離れる方がいらっしゃいますが、、ご来光バスは席に戻ってこられなくても、定刻になったら出発してしまいます。日中のシャトルバスの場合は、多少の遅れがあっても大きな影響はありませんが、ご来光バスは日の出に間に合わなかった場合、大きな問題となるため、定刻発車が大原則なのです。

【ご来光バス運行時刻と日の出時刻】

ご来光バス運行日

出発時間
(観光センター)

日の出時刻(松本)

7月4日(土)〜7月20日(月・祝) 3時30分 4時30分(7/4)〜4時40分(7/20)
7月21日(火)〜8月31日(月)※ 3時40分 4時40分(7/21)〜5時13分(8/31)
9月1日(火)〜30日(水) 4時10分 5時14分(9/1)〜5時37分(9/30)
※ 8月30日(日)は全日本マウンテンサイクリングin乗鞍開催のため運休

こちらの表をご覧いただくとお分かりかと思いますが、出発時刻から日の出までに最短で1時間しかありません。ご来光バス臨時バス停が設置される県境まで約55分ですから、途中停留所での対応時間や三本滝ゲートの開門作業などの時間を考慮するとギリギリです。そのため、日の出時刻に間に合わず、途中の見晴らしの良い車道で臨時停車というケースも過去にはありました。

 

三本滝ゲートを通過 長野県側はご来光バスのみ
(岐阜県側は他のバス・タクシーもOK)

ご来光バスは定刻通りに出発し、三本滝ゲートを通過。ゲートの開門時間は6時ですので、バス会社が開門操作を行います。そのため、他のバス・タクシーなどは長野県側からご来光に向かうことはできません。ただし、岐阜県側の乗鞍スカイラインは7月〜9月は3時30分開門ですので、シャトルバス以外のバス・タクシーもご来光に向かうことは可能です。

 

周辺は完全に真っ暗。ヘッドライトだけが頼り... 大雪渓までやってくると空が白み始める

周辺は完全に真っ暗。ヘッドライトだけが頼り...それでも、位ヶ原山荘を超えて大雪渓周辺までやってくると、周囲の様子がぼんやりとわかるようになってきました。

 

稜線が茜色に染まる頃、ご来光バスは到着

稜線が茜色に染まる頃、ご来光バスは臨時停留所(県境)に到着。本日の到着時刻は4時35分でした(運行時間55分)。

 

大黒岳がおススメ − 登山口はバスを降りた目の前 ご来光バス停は大黒岳登山口に設置(赤丸)

そのまま県境からご来光を望んでもよいですが、大黒岳山頂からのご来光がオススメ。ご来光バスは大黒岳登山口のすぐ手前に停車します...というのも、ご覧のとおり、ご来光臨時バス停は大黒岳登山口に設置されているからです。また、県境と大黒岳登山口とはわずか20メートル程度しか離れていないと思います。

 

大黒岳山頂まで5〜10分

大黒岳登山口から山頂までは5分〜10分。おそらく、日の出時刻まで余裕がない場合は、急いでいく必要がありますが、今回のように運行日程(7/22〜8/31)の後半であれば、余裕をもって大黒岳山頂に向かうことが可能です。

 

次第に明るくなる − 山々のシルエット

空が次第に明るくなり、周辺の山々のシルエットが茜色の空に浮かびます。

 

日の出前の情緒ある光景

山々が織りなす光景にカメラを向ける方。日の出前のモノトーンな世界が見られます。

 

日の出が始まる − 一日として同じ日の出はない

今日の日の出時刻は5時01分。しかし、今日は稜線に雲がたなびき、その雲の中からの5時14分にご来光となりました。一口にご来光といっても、たなびく雲が赤く燃える見事な朝焼けがみられる場合もあれば、完全に曇っていて、太陽の輪郭すら見られないこともあり、実際に来て見ないとどのような日の出をむかえられるかわからないところが自然現象そのものです。

 

ご来光は初めて − 「今回はいろいろなノリクラを堪能できました。」

ノリクラのご来光は初めてというこちらのご家族。「今回はいろいろなノリクラを堪能できました。」

 

コマクサも朝日を浴びて

日の出の瞬間はあっという間...太陽の力はぐんぐんと増して、周囲は朝日に赤く照らされます。大黒岳登山道周辺ではコマクサを観察することができますので、ご来光からの帰りにはぜひともご覧下さい。

 

中にはシロバナコマクサも

ほとんどのコマクサがピンク色ですが、中にはシロバナのコマクサも見られますので、探してみてください。

 

ご来光バス下り便 − 運行時刻は上り車内で発表

ご来光バスの時刻表には上り便しか時刻が記載されていません。下り便はその時の状況に応じて、上りのバス車内で案内されます。出発時刻はおおむね5時30分から6時00分で、本日はご来光臨時バス停5時41分発(畳平5時40分発)でした。これに乗車されない場合は、シャトルバス下り便(始発は畳平7時10分発、以降毎時05分発)を利用することになりますが、ご来光臨時バス停には停車しません。今回は天候が良かったため、そのまま山頂方面に向かったり、畳平で一休みされたようで、ご来光の下り便に乗車されたのは半数以下でした。

ご来光バスの運行は7月上旬から9月末までで、シャトルバスAダイヤ適用日に運行されます。雨天時用のBダイヤが適用される場合や前日のシャトルバスが運休の場合は運行されません。適用ダイヤは前日の夕方には発表されますのでバス会社にご確認ください。

 

【昨年の今ごろは?】

2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.15(2014/08/13〜16)

お盆後半が始まりました。ただ、天候のよかったのは13日(水)のみ。14日(木)から16日(土)は、ほぼ終日雨...大雨といったほうが良いでしょうか。そして、お盆最終日の17日(日)も雨の一日で、特に高山市内では、17日夕方までの48時間の雨量が312mmに達し、2日間で平年月間降水量の2倍の降雨を記録し、高山市内では道路が冠水したり、増水した川では護岸が崩れるなどの被害が見られました。また、連日の大雨で、乗鞍スカイラインは15日(金)14時から18日(月)8時30分まで通行止めとなり、雨量規制で4日間も通行止めになるのも、近年まれに見るほどです。

8月13日(水)は、久しぶりにすがすがしい快晴の朝を迎えます。気温は11℃、目覚めると寒さにブルっと来る感覚があります。今日当たりからお盆休みという方も多く、5時の観光センター前駐車場は105台ものマイカーがお越しになり、始発便を待つ方々の長蛇の列が朝早くから見られます。乗鞍スカイラインは復旧工事が完了し、本日3時30分より現場を片側交互通行にして開通しました。ただ、昨日の段階では2〜3日かかるとの情報が出ていたため、乗鞍高原側に流れてきた観光客も見られました。天候は次第に曇り空へと変わりますが、ひんやりとした空気の流れが続いていて、大雪渓では16℃の気温に風に吹かれるこことよさを感じます。今日は熊の目撃が多く、畳平お花畑は9時ごろから入山禁止になりました。

8月14日(木)は、朝は曇空でしたが、6時30分ごろよりパラパラと雨が降り始め、降ったり止んだりを繰り返します。標高2000メートルの摩利支天付近から標高2350メートルの位ヶ原山荘の間に雲が流れ込んでいて、それより上部の大雪渓付近は、山麓から雲が沸きあがるタイミングをのぞけば、視界が確保される時間帯もあり、天候が悪い方向に進んでいるのかそうでないのかはっきりしない状況です。この天候のため、大雪渓を訪れるスキーヤーや登山の方は少ない状況ですが、ヒルクライマーは天候の割には多く、9月の第一日曜日に開催される全日本マウンテンサイクリングin乗鞍のトレーニングにお越しになっている方も多いようでした。また、昨日から熊目撃による入山規制が実施されている畳平お花畑では、この濃霧ため、熊の撤退が確認できないことから、今日も入山規制が継続されました。

8月15日(金)は、台風11号が上陸した8月10日(日)の再来を思わせるような激しい天候でした。朝一番は小雨がぱらつく程度の状況で、8時ごろには雲の隙間から青空ものぞくほどまで天候が回復します。この晴れ間に誘われるようにヒルクライマーも出発しますが、10時の大雪渓は猛烈な暴風。次第に雨も強くなり、大雪渓のスキーヤーや登山の方も一斉に避難小屋に逃げ込みます。台風接近に似たような激しい暴風雨。午後になると雨脚がさらに強くなって、道路は濁流に飲み込まれる状況。このため、乗鞍スカイラインは14時で通行止めになり、シャトルバス最終便は運休となりました。

8月16日(土)は、前日の8月15日(金)と全く一緒といても良いほど良く似た天候の推移を繰り返します。乗鞍スカイラインの通行止めが継続され、県道乗鞍岳線は大雪渓駐車場までの通行で、シャトルバスは始発便より大雪渓での折り返し運行となりました。朝の小雨は次第に降り方が強くなるものの、昨日と同じく8時ごろには青空が見え始めます。その後、やはり同じように雨が強くなります。今日は風のほうはそれほどひどくなく、大雨と濃霧が周期的に繰り返します。雨はお昼前後が最も激しく、一時的に大雨となったことから、大雪渓周辺の沢や道路の激流は一時的にかなりひどい状況となりました。午後からは小康状態となり、16時前にはすっかり天候が回復して見事な雲海が眼下に広がります。ただ、この天候も1時間もしないうちに鉛色の雲に包まれて、次第に雨が降り出します。

 

<編集後記>

お盆が終わると、ノリクラは本当に秋らしい気候になってしまいます。これまでなら、ヒルクライムの下山で防寒着が必要なかったものの、日中でも寒さを感じるようになるはず。高山植物の季節も終わり、見所が少なくなってくると思いますが、空が高くなり、夏とは違った澄み渡った雰囲気を感じられるはず。夏雲が青空にモクモクと湧き上がる光景に巡り合えれば、やはり夏のノリクラがいいと感じるでしょうし、秋の澄み渡った深い青空となれば、秋のノリクラもよいと感じるはずです。

8月末の全日本マウンテンサイクリングが終了すると、夏のハイシーズンが終わります。しかし、すぐ、秋のシルバーウィークが訪れて、大雪渓・位ヶ原では紅葉が始まります。今年のシルバーウィークは9月19日(土)〜23日(水)までの5連休です。例年、大雪渓・位ヶ原の紅葉はこのあたりから始まり、見頃・ピークはこの1週間後ぐらいです。なお、9月からは本コーナーのノリクラ雪渓カレンダーで、紅葉情報を掲載いたしますので、見頃のタイミングを確認してお越しください。なお、乗鞍の紅葉の概要については、紅葉情報 INDEX から各情報に入ることができますのでご覧ください。

 

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