ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.1(2016/03/19) B

Top-page > Index > Page:  1  2  3  4 

(Update:2016/03/24)

 

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

暑い − 急斜面を登り切ってアウターを脱ぐ

気温はさらに上がってプラス3℃、入口急斜面を登り切ったところで、アウターを脱ぎます。前頁でも触れましたが、気温がプラスになると「暑さ対策」が必要な状態です。特に厳冬期の体温調整で気を遣うところは「汗をかかないこと・汗をすぐに発散させること」。これはどの季節でも共通の注意点で、標高の高い高山では、「汗=体温低下」に直結するからです。

 

積雪量が少なく、今年は切り株が隠れない(下の一昨年・昨年画像参照↓)

小休止を済ませたら再び出発...ツアーコースはもともと存在していたものではなく、人工的に樹林帯を切りとおして作られたもので、コース内には多数の切り株があります。厳冬期は完全に雪に覆われてしまい、その存在を目にすることはありません。しかし、今年は積雪量が少なく、ご覧のように切り株が隠れていません。

 

一昨年の1番標識付近(4月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) C
昨年の1番標識付近(4月下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
=今年は4月下旬並みの雪の少なさ=

こちらは一昨年・昨年における同じ切り株で、厳冬期には一旦埋まり、雪解けとともに顔を出した時の模様です。どちらも4月下旬になって姿をあらわしました。先ほども申し上げましたが、今年は一度も姿が隠れることなく、今後は減少の一途をたどるものと考えられます。したがって、現時点の積雪は、例年の4月下旬並みの少なさということがわかります。

 

今回の1番標識
積雪量は昨年より120センチ少ない
昨年の1番標識付
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B

さらに進むと1番標識。ツアーコース内には1番から6番までの番号標識があります。左の画像は今回のもの。右は昨年同時期のものです。ご覧のように一目で今年の積雪量が少ないことがわかります。昨年よりも120センチ程度少ない状態です。

さて、昨年画像をご覧になるとお分かりですが、1番標識付近は左に高天ヶ原、右に剣ヶ峰が正面に望むことができるビューポイントです。カメラを忘れずにお越しください。

 

登行途中での立ち話も楽しみの一つ

登行の途中で出会ったスノーシューの方。今日は位ヶ原山荘宿泊とのこと。この三連休の位ヶ原山荘はかなりの賑わいとなった模様です。立ち止まって会話を楽しむ...これもバックカントリーの楽しみ方の一つです。

 

シールにまとわりつく重たい雪質
ノートラックの場所はかなり歩きにくい

そんな会話をつづけながら、一緒に歩き始めます。今回の雪質は全山湿雪。シールにまとわりつく重たい雪質です。そのため、ノートラックの場所はかなり歩きにくく、深雪の中をラッセルしているような苦行です。

 

昨年の3番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B
先週の3番標識
速報2016/03/12
今回の3番標識
先週より10センチ減少
昨年より60センチ少ない

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より10センチ減少して、昨年より60センチ少ない状態です。昨年よりもかなり少ないものの、昨年は一昨年より50〜60センチ多い状態が続いていましたので、今年は一昨年とほぼ同じということになり、この付近に関しては、極端に積雪量が少ないという状態ではありません。

 

ベタベタの湿雪 − 脚への負担が大きい

今日は終日雨という予報にも関わらず、雨が収まるどころか、やわらかな日差しも差し込む状態で、ちょっと拍子抜けな状態...ですから「足取り軽く」と行きたいものの、ベタベタの湿雪は脚に大きな負担がかかり、思ったほどスピードが上がりません。

 

昨年の5番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B
先週の5番標識
速報2016/03/12
今回の3番標識
先週より10センチ増加
昨年より125センチ少ない

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より10センチ増加し、昨年より125センチ少ない状態。ただ、昨年は一昨年と比べて2月を中心に1メートルほど多い状態が続いていましたので、3番標識付近と同様、今年は一昨年とほぼ同じ状態ということになり、今年の積雪量が極端に少ないという状態ではありません。

 

一昨年とほぼ同じ積雪量で、例年より少ない

ただ、やはり全体的には例年よりも積雪量は少ない状態であるといえるでしょう...

 

昨年の6番標識手前の谷
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2015/03/21) B
先週の6番標識手前の谷
速報2016/03/12
今週の6番標識手前の谷
例年の1〜2月の積雪量しかない

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左上の昨年同時期の画像ではほとんどウェーブがなくなっています。例年、2月以降になるとウェーブが埋まり始め、どの年も左上の昨年画像程度まで埋まりますが、今年は例年の1月〜2月ごろの積雪量しかありません。今後、まとまった降雪がない限り、例年並みに埋まることはまずないと思いますので、下山滑走では転倒に十分注意してください。

今年もこの付近の下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が発生しております。特に曇ったときなど影のできにくい状況では、地形の状況が不明瞭になり、ウェーブの存在に気づかず、減速しないまま突っ込んでしまう場合があります。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

■ 次のページは >>  Page4 【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】 ■


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  Next>>