ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.4(2016/04/09) D

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(Update:2016/04/14)

 

【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C
先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) D
今回の位ヶ原急斜面
先週より20センチ減少、昨年より1メートル少ない

位ヶ原急斜面の積雪は、先週より20センチ減少して、昨年より1メートル少ない状態です。また、過去5年間の中でも1メートル以上少ない状況です。なお、これまでは昨年より2メートルほど少ない状態が続いていましたが、昨年同時期の1週間前に積雪量が劇的に減少したため、昨年との差が1メートルに縮小しました。

 

お昼近くに緩んで、午後にはパックが始まる
夕方には滑走困難な状況に

ツアーコース内と同様に下地の固いバーンですが、お昼近くになって緩んで来て、午後になると表面のパックが始まり、夕方近くには下山滑走がかなり困難な状況になってしまいました。

【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)

さて、こちらは位ヶ原急斜面を上から眺めたもの。左が「本物」で右が「偽物」です...

この2枚の画像は左右連続写真(※)で、左が本物の位ヶ原急斜面で。右は伊奈川の谷で位ヶ原急斜面ではありません。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進んで、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありません。
(※ 実際には左右の画像の間に尾根部分があります。)

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面から下山する際に間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面や伊奈川の谷の周辺の位置関係は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

伊奈川の谷−大きな岩場があるのが特徴(中央)

伊奈川の谷には雪着きの悪い大きな岩場があり、これが位ヶ原急斜面との大きな違いです。濃霧の中でも、斜面の中に大きな岩場があるかどうか確認できるはずです。画像右上に人影があるのがお判りでしょうか?

 

ツアーコースと間違えて伊奈川の谷に進入 こちらの呼びかけに応じてツアーコースに戻る
=ここではこのようなケースはたびたび発生しています=

下山ルートを把握しているか尋ねると、やはり、ツアーコース位ヶ原急斜面と間違えられたとのことです。谷の左側の尾根を登るように伝えるとツアーコースに無事に戻られましたが、このまま、下り続けると遭難の可能性も十分考えられました。

位ヶ原急斜面と比べてみるとお分かりですが、伊奈川の谷は足跡が全くありません。そんな状況からルートが違うことはすぐに推測できますので、間違えた地点まで戻る。もしくは、わかる場所まで戻ってから、地図などで行く方向をもう一度されるようお願いいたします。

 

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)
=位ヶ原急斜面を登り切ったところで地形・景色を確認しておくのも大事=

このように迷わないためには、下山のことを考えて位ヶ原急斜面を登り切った時点で一度振り返り、地形・景色をよく確認することも大事です。

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコース位ヶ原急斜面を登りきった先より、森林限界を超えて位ヶ原の台地に入ります。森林限界を超えると、天候・気候が急激に変化しますので、視界不良で先の木々が見えにくい状況なら、ここで撤退するようお願いいたします。

 

気温5℃、風があっても寒くない 山頂に行ってきました

森林限界を超えて、風が強くなってきたものの、気温が5℃もあるため、寒さはありません。位ヶ原で休憩できるのも春になった証拠です。山頂から下山してきたという左の方、「前回、断念したため、今日は成功してうれしいです。」と、達成感が伝わってきます。「今日はバーンが固かった。肩の小屋から上は、アイゼンの歯がサクっと入るバーンでしたよ。」

春は気温天候のちょっとした変化で、アイスバーンだったり、グサグサの湿雪だったりと、大きく状態を変えます。アイゼンなどの装備はどんな天候でも携行してください。

 

昨年の位ヶ原
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) D

今回の位ヶ原
先週より30センチ減少
昨年より25センチ多い

位ヶ原の積雪量は、先週より30センチ減少し、昨年より25センチ多い状況。他のエリアで昨年より積雪量が少ない状況が続く中、唯一昨年より積雪量の多い場所です。

昨年は例年以上に厳冬期の積雪量が多かったものの、厳冬期の間に降雨がなかったため下地が固く凍ることができず、この時期の暖かい雨で著しい雪解けとなってしまいました。推測ではありますが、今年は昨年とは逆の状態ですので、積雪量が少なくても、溶けにくいかもしれません。

 

今週になってハイマツが出現

先週まではほとんど見られなかったハイマツが姿を現し始めました。

 

昨年の位ヶ原 − ハイマツ帯が急速に出現
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C
今回の位ヶ原
昨年より1週間遅い雪解けですが
例年より2週間以上早い状況

昨年は急速に雪解けが進んで、ハイマツ帯が急速に出現しました。その差は一目瞭然で、今年は昨年よりも1週間遅い雪解けですが、例年と比べると、2週間以上早い状況です。

 

剣ヶ峰方面(左)と高天ヶ原方面(右)

 位ヶ原からは左に剣ヶ峰方面、右に高天ヶ原方面を望むことができます。この二つを詳細にみると...(↓)

昨年の剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C
今回の剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳
昨年より積雪量が多い
昨年の摩利支天岳・すべり台
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C
昨年の摩利支天岳・すべり台
昨年より積雪量がやや多い

昨年は一週間前に全山的に激しく雪解けし、特に剣ヶ峰方面はハイマツ帯がかなり出現してしまいました。そのため、今年は昨年よりも積雪量が多い状態になっています。また、摩利支天岳・すべり台方面は、山頂付近を中心に昨年よりもやや多い状況がみられます。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓下部
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C
先週の大雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) D

今週の大雪渓下部
先週より5センチ減少
昨年より25センチ少ない

先週より5センチ減少して、昨年より25センチほど少ない状態です。先ほどの位ヶ原と同様に、昨年は1週間前に劇的に積雪量が減少し、さらに今週も減少が続いたため、昨年との差が少なくなってきました。大雪渓付近もこれから積雪量が増加し、例年だと、4月下旬〜ゴールデンウィーク前半あたりに最大積雪量が観測されます。

 

大雪渓入口(赤丸) 大雪渓下部全景(赤丸)

例年だと、まだ雪に埋もれている大雪渓入口の看板の頭がすでに見えていて、この状況から考えると例年よりも積雪量が少ないことは間違いなさそうです。また、大雪渓内部に岩の頭が確認できます。いずれの画像も赤丸に岩の頭が見えます。

赤丸部分のモーグルコースの岩 − 先週よりも積雪量減少
今年は2014年と同様に埋まりそうにもない

例年なら、完全に埋まっていてもよい時期ですが、この分だと、今年は姿を隠すことはないかもしれません。ただ、2014年も今年と同様に完全に埋まることはありませんでしたので、積雪が特別少ないという状況ではありません、また、夏スキーの時期、この岩の下にモーグルコースができるため、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

先週と比べて、岩がやや大きくなっていますので、積雪量は減少しているようです。

 

トイレ・避難小屋方面 この時期ガードロープが確認できるのはここ数年では初めて

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。右の画像では駐車場の石と道路のガードロープが確認できます。この時期にガードロープが確認できる状態は、ここ数年では初めてのことです。先週と比べて積雪量に変化はありません。

右の画像の箇所は元来雪付きの良くない場所でです。

 

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

避難小屋・トイレは冬季閉鎖中で、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬に利用可能になります。この付近の積雪量は昨年とそれほど変わらない状況です。

 

<編集後記>

「ゴールデンウィークの動向は...」

先日JTBから発表された「2016ゴールデンウィークの旅行動向」によると、「節約傾向はあるものの旅行意欲は堅調で、総旅行人数は、昨年より0.3%増の2,395.6万人」という推測とのことです。今年はカレンダーの並びがよく、三連休が二回あって、連休の間も休みを取れば、最大十連休にもなります。また、節約傾向を反映して、関東・近畿へ人気が高く、ガソリン代が安くなっていることから、乗用車での旅行の比率が高くなっています。

乗用車での旅行比率が高くなることは、自動車での移動がメインとなっている乗鞍地域にとっては多少のプラス影響が期待されますが、NHK大河ドラマの「真田丸」の効果が、甲信越地域へ波及することも期待される所です。

また、同じくJTBの発表では、国内旅行の出発ピークは、4月29日(金)と5月3日(火)の二回と予測されています。
ノリクラでは5月最初の日曜日に乗鞍岳春山バス利用者数が最多となる年が多いことから、例年通り推移すれば、5月1日(日)となりますが、連休前半はまだ動きが鈍い傾向も見られますから、JTBの予測通り5月3日(火)、もしくは三連休中日の4日(水)あたりにピークが訪れるのではと推測します。ただし、ノリクラの人出は天候に大きく左右される傾向が強いため、推測通りにならないことも多く、旅館・民宿の方々はいつも悩まされているのも事実です...

 

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