ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.5(2016/04/16) D

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(Update:2016/04/21)

 

【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C

先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2016/04/09) D

今回の位ヶ原急斜面
先週とほぼ同じ、昨年より1メートル少ない

位ヶ原急斜面の積雪は、先週とほぼ同じで、昨年より1メートル少ない状態です。また、過去5年間の中でも1メートル以上少ない状況です。

 

ツアーコース下部と異なり、まだブッシュはない

位ヶ原急斜面より下部のツアーコースは、ブッシュが出始めてきましたが、こちらではブッシュは見られず、先週までと変わりは見られません。雪質は下部のツアーコースと同じく湿雪です。これからの時期は、ツアーコース内でパウダーとなることは、よほどの降雪に見舞われない限りありません。しかし、2013年4月末では、一晩で40センチの新雪に見舞われたケースもありました。ですから、全く期待できないとは言えません。(→2013ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.6(2013/04/25〜29) E【位ヶ原】

【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)

さて、こちらは位ヶ原急斜面を上から眺めたもの。左が「本物」で右が「偽物」です...

この2枚の画像は左右連続写真(※)で、左が本物の位ヶ原急斜面で。右は伊奈川の谷で位ヶ原急斜面ではありません。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進んで、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありません。
(※ 実際には左右の画像の間に尾根部分があります。)

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面から下山する際に間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面や伊奈川の谷の周辺の位置関係は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

伊奈川の谷−大きな岩場があるのが特徴(中央)

伊奈川の谷には雪着きの悪い大きな岩場があり、これが位ヶ原急斜面との大きな違いです。濃霧の中でも、斜面の中に大きな岩場があるかどうか確認できるはずです。

 

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)
=位ヶ原急斜面を登り切ったところで地形・景色を確認しておくのも大事=

このように迷わないためには、下山のことを考えて位ヶ原急斜面を登り切った時点で一度振り返り、地形・景色をよく確認することも大事です。

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコース位ヶ原急斜面を登りきった先より、森林限界を超えて位ヶ原の台地に入ります。森林限界を超えると、天候・気候が急激に変化しますので、視界不良で先の木々が見えにくい状況なら、ここで撤退するようお願いいたします。

 

昨年の位ヶ原
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2016/04/09) D

今回の位ヶ原
先週より15センチ減少
昨年より20センチ多い

位ヶ原の積雪量は、先週より15センチ減少し、昨年より20センチ多い状況。他のエリアで昨年より積雪量が少ない状況が続く中、唯一昨年より積雪量の多い場所です。

昨年は例年以上に厳冬期の積雪量が多かったものの、厳冬期の間に降雨がなかったため下地が固く凍ることができず、この時期の暖かい雨で著しい雪解けとなってしまいました。推測ではありますが、今年は昨年とは逆の状態ですので、積雪量が少なくても、溶けにくいかもしれません。

 

「今日は本当に滑りやすい...天候も最高!」

「いや〜今日は本当に滑りやすい雪質。天候もまずまずで最高!」 天気を読むことはなかなか難しいところですが、日常の生活の中でも、天気に関心を持つことがちょっとした変化に敏感に気付けるようになると思います。

 

剣ヶ峰方面(左)と高天ヶ原方面(右)

位ヶ原からは左に剣ヶ峰方面、右に高天ヶ原方面を望むことができます。この二つを詳細にみると...(↓)

昨年の剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今回の剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳
昨年の摩利支天岳・すべり台
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今回の摩利支天岳・すべり台

昨年は数日前にまとまった降雪があって、露出していたハイマツ帯の大半が新雪に隠されました。そのため、再び真っ白な山肌となりましたが、その次週は再びハイマツ帯が広く出現しました。画像的には昨年も今年もほとんど同じ状況に見えますが、今年のほうが積雪は多い様子がみられます。

 

剣ヶ峰〜蚕玉岳間 蚕玉岳〜朝日岳間
=すでに岩の頭が出始めてきた(赤丸箇所) =

とはいっても、よく見ると赤丸で示した箇所で亜すでに岩肌が見え隠れしていて、例年と比べると積雪量は少ないことは間違いありません。4月中旬で稜線や雪付きの悪い箇所以外で岩の頭が出てくることはありませんでした。

 

やはりテレマークのシルエットはかっこいい...

三本滝の駐車場でお会いしたテレマーク三人組。稜線まで行って来られたとのこと。「シールだけで稜線まで行けましたよ。」 とのこと...先ほどツアーコースでお会いしたヒルクライマーの方は山頂に到着したのが9時30分ぐらいとおっしゃっていて、アイゼンが必要な状況だったとのことでしたが、こちらの方々が稜線に到着したのは11時30分ぐらいで、時間によってバーン状況が変わることがわかります。ただ、山頂到着はお昼位だからといって、アイゼンを持っていかなくてもよいかというわけではありませんので、必ず、装備は整えて向かうことが肝心です。

今日は全山柔らかなまったりとした雪質。こんな雪質を優雅にターンできるのはテレマークの大きな特徴。このシルエットを見せつけられたら、テレマークをやって見たくなるかもしれませんね...

 

広大な大地にノリクラの峰々 − 他では味わえない光景

穏やかな位ヶ原。広大な大地にノリクラの峰々が連なる様子は、他ではなかなか味わえない光景です。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓下部
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C

先週の大雪渓下部
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.4(2016/04/09) D

今週の大雪渓下部
先週より15センチ減少
昨年より75センチ少ない

先週より15センチ減少して、昨年より75センチ少ない状態です。例年なら4月中にある程度の降雪があり、積雪量が増加するところですが、今年はまとまった降雪がなく、減少するばかりです。そのため、4月下旬〜ゴールデンウィーク前半あたりに最大積雪量はずですが、その前例から外れることになるかもしれません。

 

大雪渓入口(赤丸) 大雪渓下部全景(赤丸)

例年だと、まだ雪に埋もれている大雪渓入口の看板の頭が三週間前から見えるようになっています。また、大雪渓内部に岩の頭が確認できます。いずれの画像も赤丸に岩の頭が見えます。

 

赤丸部分のモーグルコースの岩 −先週よりも積雪量減少
今年は2014年と同様に埋まりそうにもない

例年なら、完全に埋まっていてもよい時期ですが、この分だと、今年は姿を隠すことはないかもしれません。ただ、2014年も今年と同様に完全に埋まることはありませんでしたので、積雪が特別少ないという状況ではありません、また、夏スキーの時期、この岩の下にモーグルコースができるため、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

先週と比べて、岩がやや大きくなっていますので、積雪量は減少しているようです。

 

トイレ・避難小屋方面 ガードロープと岩 − 積雪は先週より10〜20センチ減少

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。右の画像では駐車場の石と道路のガードロープが確認できます。この時期にガードロープが確認できる状態は、ここ数年では初めてのことです。先週と比べて積雪量は10〜20センチ程度減少しています。

 

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

避難小屋・トイレは冬季閉鎖中で、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬に利用可能になります。この付近の積雪量は昨年とそれほど変わらない状況です。

 

剣ヶ峰・稜線を眺めながら... 地元のガイドツアーの一行

避難小屋の前で剣ヶ峰・稜線を眺めながら休憩しているのは、地元のガイドツアー会社が率いる一行。自分が刻んだ稜線からのシュプールを眺めながら、余韻を楽しんでいます。

 

余韻に浸りながら... 何も残さず「さぁ〜帰りましょう...」

そこには何の言葉もコメントも必要ありません。そして、しっかりと目に焼き付けたのち、「さぁ〜帰りましょう...」と、何も残さず下山します。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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