ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.6後編(2016/04/20・23) A

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(Update:2016/04/28)

 

【乗鞍岳春山バス− 位ヶ原山荘に向けて】

ゲートを開けて・バスを入れて・ゲートを閉めて 走り回る車掌さん

改札を終えて出発となりますが、ゲートを開けて、バスを中に入れて、再びゲートを閉めて...走り回る車掌さんの仕事も楽じゃありません。

 

雪壁からの雪解け水 − 夜間凍結・運休の原因 山頂方面は真っ白

春山バス始発便が運休になるのは、左の画像のように雪壁からの雪解け水が夜間凍結するケースが大半です。ただ、日が当ればすぐに融けてしまうため、始発便の運行時間を1時間遅らせる効果はかなり大きいものがあります。

車内からは「今年は雪少ねぇ〜」という声が飛び交っていましたが、前方に見られる山頂方面は真っ白...スキーヤー・ボーダーの方々にとっては、そこさえ雪があれば何ら問題ありません。

 

冷泉小屋を通過 雪壁が迫る春山バスらいしい車窓に

それでも、冷泉小屋を通過すると、雪壁が迫ってくる様子がみられ、春山バスらしい車窓となってきます。

 

位ヶ原山荘に到着

三本滝を出発してから約20分、位ヶ原山荘に到着です。

 

スキー・ボードの搬出 − 皆さんで協力し合って下さい

到着後、まずはトランクからスキー・ボードの搬出。恐れ入りますが、みなさんで協力し合って搬出をお願いいたします。そうすることで全ての方が早く出発できます。

 

春山入山計画書の記入・提出 投函箱は山荘入口に

そして、春山入山計画書の提出。これはいわゆる登山届のようなもので、遭難などの際には重要なものになります。春山スキーは山岳登山と同じであることを認識してください。

なお、前のページでもお伝えしましたが、7月から乗鞍岳(朝日岳・摩利支天岳)に入山される場合は、長野県安全登山条例に基づき、登山届が必須となります。詳細は お知らせ − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)。をご覧ください。登山だけでなく大雪渓での夏スキーも登山届の対象になりますのでご注意ください。

 

仮設トイレ(男女それぞれ2つ) トイレ・駐車場の観点から、観光センター乗車をお勧めします

乗鞍岳春山バスの運行に合わせて、山荘の外には仮設トイレが設置されました。男女それぞれ2つありますが、バス到着時には混雑します。なお、出発地の三本滝もトイレも数が少なく、今年はツアーコース下山滑走もそろそろ終了間際ですので、今後は観光センターから乗車されることをお勧めします。

 

【屋根板から位ヶ原へ登る。環水平アークって】

入山口へ 山の名前を説明する地元ガイド

いよいよこれから山頂方面へと向かいます。「あれが剣ヶ峰、ノリクラの主峰で...」と、説明するのは地元のガイドさん。スノーシュー・シールを体験するのが初めてという参加者もいらっしゃり、歩き方など本当に「初めの一歩」から丁寧に教えてくれます。

初めての方は、ぜひ、このようなツアーに参加されることをお勧めします。バックカントリー用の道具もレンタルできますから、まずはここで体験し、次にご自身に合う道具を購入するというステップを踏むのも良いでしょう。

 

車道は除雪作業につき進入禁止(徒歩も) 屋根板入口へ

山頂方面への入口は、位ヶ原山荘から数百メートル先の屋根板入口(画像右)。車道はこの先で除雪作業が行われているため、徒歩も含めて進入禁止です(画像左)。ですから、必ず屋根板入口から入山するようお願いいたします。

屋根板入口の位置は、ノリクラガイドマップ 春スキー版をご覧ください。

 

屋根板入口 「いつも見てますよ」

気温は6℃、バーンはすでに緩んでいて、少しグサグサした感じ...完全に春雪です。「いつも見てますよ。今日も試運転の記事、見てきましたから...」 ご覧下さり、ありがとうございます。このようにお声掛けくださるのが一番うれしいです。

 

山頂目指して! 山頂滑走2本より、山頂でビール2本のほうがいいな!

屋根板入口から出発される方の大半が剣ヶ峰山頂方面を目指します。「今日は2本くらい山頂滑走できるかな...」→「えっ!山頂でビール2本のほうがいいけど(笑)」と、会話を楽しみながら出発されました。

 

200名近くが山頂目指す

始発便には210名の方が乗車され、その大半がスキーヤー・ボーダーの方々でしたので、200名近くが山頂目指して登って行きました。

 

グサグサのバーンはシールが効きにくい 眼下に広がる光景 − 苦労が吹き飛ぶ

バーンが緩んでグサグサになると、シールのグリップが効きにくくなり、少しばかり悪戦苦闘...でも眼下に広がるこの光景を眺めると、そんな苦労も吹き飛ぶもの。

 

位ヶ原に到達 − 汗の引く心地よい風

屋根板を登り切って位ヶ原に到達すると、ようやく山頂方面が確認できるようになってきます。目標地点が明確になると、やる気も必然的に上がってきます。爽やかな風が流れ、汗が引く心地よさ...ただ、紫外線は雪面からの反射もあってかなり強い時期ですから、日焼け防止対策は十分行ってください。

 

「あの雲、何かヘン」とスマホを取り出す 環水平アーク − 観測は4月中旬〜9月中旬

周りの雲が白い中、七色になっている雲を発見...「あの雲、何かヘン...」と、急いでスマホを取り出すスキーヤー。
「環水平アーク」と呼ばれる現象で、雲の中の氷の粒に太陽光が屈折する際、屈折率が光の波長によって異なることから、七色の帯に分散する現象です。

観測できるのは太陽の高度が高くなる4月中旬〜9月中旬で、原理的には「虹」と同じですが、観測者を中心にして、虹は太陽の反対側にできるのに対し、環水平アークは太陽と同じ方角(太陽の下)にできます。スマホを持つスキーヤーの影をご覧になると、太陽の方角に環水平アークがあるのがお分かりになるかと思います。

また、よく似た現象の「彩雲」では、七色が雲の中にちりばめられているのに対し、虹と同じく光のスペクトルが縦層(上が赤で下が紫)に並び、横に伸びています。なお、太陽の上にできるものは「環天頂アーク」と呼ばれ、下が赤で上が紫で光のスペクトルが逆になります。

環水平アークは、太陽の位置が高くなるこれからの時期によく見られる現象ですので、登行では足元ばかりに注意が向きがちですが、空の雲行きもよく観察してみてください。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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